UAD-2プラグインを実際に聴いてみよう
今回は私、オルタネイト福山が、数多くあるミキシングプラグインの中でも多くのクリエイターを魅了するUAD-2にフォーカスしてお届けします!
楽曲制作の中で用いることで、最終的なサウンドがどのように変化していくのか実験してみましょう!
楽曲を構成する上で基本となる4リズムセクション(ギター、ピアノ、ベース、ドラム)をピックアップし、できるだけドライな素材を使用しながら、最終的なミックスダウンへとつながる一連の流れを実践していきます。
Ocean Way Studios
使用音源 : Kontakt 5 Studio Drummer Funk Kit
開発製作に3年の月日を要したというOcean Way Studioはこれまでにない、スタジオの響きを再現するプラグインです。
マイクモデリングを選び、Near,MID,Farの3ポジションからの録れ音をミキシングすることでクローズからアンビエントまで自由に演出することができます。
※今回はC12マイクロフォンにてNEARのみ使用し、WET100%にて設定しています。
STUDIO OWR A : モデリング内で一番広い部屋を使用していることもあり、第一印象、箱鳴りが強調されます。スケールを広げたサウンドメイクにお勧めです。
STUDIO OWR B : ROOMAと比べ、コンパクトな室内のため、エッジ感のあるメリハリサウンドが特徴です。タイトなサウンドなので、どのジャンルにも合いやすいですね。
当たり前ですが、DRYのサウンドと比べ、Kickは迫力が増し、特にCymbalの質感がよりリアルな響きになりましたね。
Softtube Bass Amp Room
使用音源 : Fendar Jazz Bass オーディオインターフェース直差し
プラグイン : UAD-2 1176AE
LINE録音でアンプの質感を演出するのが難しいのがベースですよね。どうしてもLINEの質感が取れないっていう時におすすめなのがBass Amp ROOMです。
DRYサウンドはLINE100%で収録しています。奏法による異なる音の粒を揃えるためUAD-2 1176AEコンプレッサーをインサートしています。
Bass Amp Roomはモデルの異なる3種類のキャビネットタイプからサウンドメイクができます。
8*10 : ボトムが低なり、もっちりとした量感のあるサウンドが特徴です。
4*12 : ミッドクラスのアンプならではソリッドさと適度な太さを併せ持つバランスのとれたサウンドが特徴です。
12 : シングルならではの直進性のあるサウンドが特徴、一番ピッキングのニュアンスが出やすいと感じました。アコースティックなサウンドメイクに向いています。
API Vision Channel Strip
使用音源 : PRS SEカスタム インターフェース直差し
エフェクト : Amplitube 3 American Tube
数ある楽器の中でも、多様なサウンドメイクが可能なのがギターサウンドの魅力。今回は、クリーンのカッティングサウンドに向いたAPIのチャンネルストリップでサウンドメイク!
APIはやはり、アメリカンサウンドとも言えるタイトでエッジの効いたサウンドが大きな魅力ですよね。Amplitubeで作った基本となるサウンドからよりエッジのたった抜けのあるサウンドに仕上がりました。
Neve 1073
使用音源 : Ezkeys
エフェクト : Waves S1 , UAD-2 Inflator
続いてはアコースティック・ピアノセクション。素の音では、少し固めのサウンドになっています。
ここで、どんな楽器にも使える定番Neve 1073EQをインサートします。音量は同じ程度に聞こえるよう調整していますが特にパラメーターは変更していません。
角のとれた非常に柔らかくマイルドなサウンドに変わりましたね。フレーズの隙間を埋めてくれるような包容力のあるサウンドです。
ソフトプラグインならではのクリアな音質を適度にトリートメントしてくれる、そんな印象です。今回のようにインサートに立ち上げるだけという使用方法をされてる方も多いのではないでしょうか?
studer A800
これまでのまとめとして、UAD-2をすべてBypassしたサウンドから、すべてONしたトラックを用意しました。
いかがでしょうか?おのおののパートのサウンドの魅力が引き出されてきたように思います。
ここから最終段の仕上げに入ってみようと思います。
全体の統一感と、暖かさをますために、UAD-2プラグインの中でも特に人気のテープシミュレーターStuderA800を活用してみました。
テープサチュレーションを引き出すために、INPUTを高めにOUTPUTを抑えめにしています。
音のピーク成分が適度に抑えられ、広いダイナミクスレンジであるにもかかわらず、非常にスムースなバランスに仕上がりました。
Manley Variable Mu Limiter Compressor
最後の仕上げとして、音圧感の調整と全体のまとまりを目指して選択したのは、今回最新のV7.11で新たにラインナップに加わったMANLEY Stereo Variable Mu Limiterを使用してみました。
まず第一印象でよりサウンドがきらびやかになっているのがわかります。これがいわゆるMANLEYマジックなのでしょうか。
さらにダイナミクスのニュアンスが伝わり、音圧が増しながらも音に奥行きとメリハリ、さらにまとまり感が出てきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ドライなサウンド素材にUADを使用することで、よりサウンドに深みと個性が付加されてより各楽器の長所が引き出されていますよね。
最新バージョンでは、プラグインの種類も合計60種類以上となり、まだまだご紹介できなかった魅力的なプラグインが豊富に揃っています。
次回からはさらに、コンプレッサーやリバーブ、SSLやAPI、Neveのチャンネルストリップなどを比較試聴していくのも面白そうですね。乞うご期待!
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