2014年6月11日 都内某所にて、「Roland Audio & Visual 新製品内覧会」が開かれました。
この内覧会はRock oN Show レポートでもおなじみの「Pro Light + Sound 2014」「NAB 2014」を始め、ラスベガスで開かれた世界最大のオーディオヴィジュアル見本市「infoComm2014」などでも公開された最新製品が目の前で発表される熱いイベントです。
これまでインストゥルメントライン、業務ラインを問わずにRoland製品を追いかけ続けるRock oNがその模様をレポートいたします!
XSシリーズ オールインワンマトリクススイッチャー
6月10日に突如として発表された新しいオールインワンマトリクススイッチャー「XSシリーズ」は、Full-HD対応の8入力モデルで、出力数によりモデルが分かれており、最も多い4出力モデルがXS-84H、3出力がXS-83H、2出力がXS-82Hという3機種。非常にシンプルなラインナップです。
と言っても、出力数によりSPANモードの使い勝手、そして、最上位のXS-84Hでしか対応の出来ない完全に同期のとれた4系統のHDをつなぎあわせた4Kモードなどの差別化が図られています。基本機能は、卒のないXYに対応したVideo/Audioのマトリクススイッチ。ちなみにオーディオは、個別にアサインを行うことも可能となっています。スケーラーを各入力に備えているため、常に適切なが解像度での出力が可能、切替時のRe-Sync等も起こらないような設計がなされています。
3色LEDが仕込まれた美しいスイッチ。厳選された非常に高品位なパーツが使われており、実際に触ってみて好印象を持ちました。
VRシリーズなどで培った技術も盛り込まれており、ビデオ・プロセッサー機能でPictuer in Pictuer等の画像の合成も可能となっています。上下、左右の反転や、一部分の切り出しなど見の対応しており、かなり多彩なスイッチングを実現しています。(基本的にはあらかじめプリセットを作っておき、それを使うことになります。)
まずは入力部分を見てみたいのですが、HDMIとRGBの2系統が入力可能です。
PCからのVGAや、動画再生機器のHDMIを接続可能です。プレゼンテーションなどの現場を考えるとこの仕様は運用の柔軟性を高める素晴らしい機能ですね。
また、Audioメーカーらしくラインレベルでの入力を個別に8系統備えます。特筆すべきは、そのうち2系統はマイクレベルにも対応し、ファンタム電源の供給も可能となっていること。もちろんHDMIにエンベされた音声の取り扱いも可能です。こうしてみると、映像だけではなく、音声も総合的に取扱の可能な、まさにオールインワンと感じます。
出力に関しては、HDMIとHD baseT(HDBT)を備えます。
HDMIは説明不要と思いますが、次世代のネットワーク規格であるHD BaseTを搭載したことが ポイントではないでしょうか。HDMIは取扱としてケーブルの延長が難しい(規格上は5mが上限)という現場で利用する際の使いにくさを持っていますが、HD BaseTであれば安価なCat5eのケーブルで、最長60mまでの延長が可能となっています。
Ethernetケーブル接続部の外れにくさも高い信頼性が伺えます。周辺機材はまだこれからといった情勢では有りますが、すでに多くのメーカーが賛同をしているため今後注目の規格です。
簡単にHD BaseTをご説明するとFull HDの映像信号と、音声信号そして、100Base-Tのネットワークを併せ持ちます。基本的にHDMIのネットワーク化を念頭としているため、4K映像やDolby Digital、DTSなどの音声情報も伝送可能となっています。
Rolandでは60mが最長となっていますが、HD BaseT Allianceのwebには100mとも書いてあります。マルチメディア系の次世代の伝送技術としての成立を目指し、SONY Pictures,LG,SUMSUNG,Valensが主体となり現時点で、メンバーにはEpson,Panasonic,Hitachi,NEC,Onkyo,Pioneer等の家電系メーカー、そして、Gefen,Kramerといった伝送路を中心としたプロダクトを製造する業務機メーカーの賛同が目立ちます。
話はそれましたが、機能面をもう少し見てみましょう。Integra 7譲り?のiPadからのコントロ−ル機能はまさにフロントパネルでは表現しきれない詳細情報の表示とわかりやすいGUIを提供しています。
また、Audioをベースとしたメーカーならではの高品位、かつ高機能なオーディオミキシング機能が搭載されています。他にもフロントパネルのUSBポートに画像データの入ったUSBメモリを差し込むことで、中のデータを出力からとりだすことが可能です。
そしてSPANモードと呼ばれる複数画面を使った巨大映像の出力も可能となってるのも特徴です。
音声も含めたオールインワンマトリクススイッチャー。さまざまな場所でのマルチメディア化が進むことを考えると、設備としての柔軟性、そして国内メーカーの安心感。そういったバックグラウンドを背景に魅力ある製品が登場したのではないでしょうか。
この記事を作成現在、価格は公開されていませんが発表が楽しみです。詳細は、すでに配布のされているpdfをご覧ください。
ROLAND XSシリーズ 詳細 PDF
このXSシリーズでまとまったRoland社の技術資産を、今後はコンシューマーレベルでUstreamなどに使える機器に落とし込んでくれる事を期待してしまいますね。
R-2416
Rolandが提唱する、高速デジタル伝送システム「REAC」。そのREACソリューションのステージユニット(ステージ側のI/O BOX)の新製品S-2416。販売価格¥350,000。
新開発のディスクリートマイクプリを搭載した2¢アナログ入力/16アナログ出力、そしてAES/EB 8入力/8出力の合計32入力24出力を搭載しています。
リタンダントのため搭載された2基のREACポート、を装備。ABS/EBUなどの各種設定はディップスイッチで行うなど、まさかの接触アクシデントも起こしにくい設計となっています。
AR-3000SD
AR-3000SDはプログラマブル・ターマー/LANポート搭載のデジタル・インフォメーション・マシン。
本体にLANポートを搭載し、ネットワークにつながったPCからタイマー機能の制御や音源の変更、編集などが可能。
そしてネットワークからAD-3000SDに搭載されたMIDI端子やRS-232C端子をを経由して、MIDI音源を演奏したり照明設備をコントロールしたりと多岐に渡り活用できます。
放送局や展示会、公共空間のBGMやアナウンス、アミューズメントの空間演出など様々なシーンで活躍が期待されます。販売価格 ¥155,000という設定です。
番外編 R-88 + dts Headphone
こちらはミキサー機能を統合した8+2=10chレコーダーのR-88。
5.1サラウンドマイクDAP 5100を使いR-88に6チャンネル入力。その音源をノートPCにインストールされたDTS Headphone:Xを通して通常のステレオヘッドフォンで サラウンドモニタリング。
この実戦的でモバイル性の高いサラウンドレコーディングソリューションは、NAB2014 で「優れた展示の一つ」としてノミネートされたということ。
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