Avid of Fury vol.7 〜RED先生のAvid Boot Camp〜『メモリーロケーションを使いたおそう!!』


さて、前回の Avid of Fury vol.6『クリップを自在に配置する』はタイムラインに関しての記事でしたので、今回もタイムライン関連のTipsをご紹介したいと思います。

メモリーロケーションの基本

メモリーロケーションの機能は皆様お使いだと思います。これは曲のイントロやサビへの素早い移動を可能にする機能ですが、ただロケーションだけを使用していませんか?このメモリーロケーションには様々な機能が搭載されているのです。

まずはメモリーロケーションの作成方法ですが、テンキー付きキーボードの方はEnterキー、ノートパソコンなどのテンキーがないキーボードの方はFn+Returnでメモリーロケーションを作成できます。これは、再生中、録音中、停止時いずれの場合でも作成できます。作成されると、ルーラーに黄色いマーカーが表示されます。

では、メモリーロケーションの設定内容に注目してみましょう。まずは、左上の数字に注目です。

こちらはメモリーロケーションごとのID番号を表しております。こちらはショートカットもありますので、使用されている方も多いと思います。

テンキーでピリオド+ID番号+ピリオド で、任意のID番号のメモリーロケーションへジャンプ出来ます。(ショートカットの使用にはテンキー付きのキーボードが必要です。)

ジェネラルプロパティのカテゴリでは、チェックを入れた項目が記憶されます。チェックを入れた時点の設定が記憶されますので、途中からの設定も可能ですね。

ちなみに、作成したメモリーロケーションは、一覧表示が可能です。もちろん、このリストを直接クリックしても、メモリーロケーションを呼び出すことが可能です。ラップトップの場合、ショートカットが使用出来ないので、このウィンドウで作業されている方も多いのではないでしょうか?

こちらのウィンドウでは、ジェネラルプロパティーの有無も一目で確認出来ますね。

浮動ウィンドウをカスタマイズ

ミックスダウン作業時、ボーカルトラックにかけたプラグインを微調整するとき、EQもCompも表示して、センドでAUXに送ったReverbも表示して…と、一度に表示させたい情報は多いはず!この浮動ウィンドウの表示状態を記憶させたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな時は、ウィンドウ構成という機能を使います。ウィンドウ構成では、どのチャンネルのどのプラグイン、どのセンドなど指定して記憶させることができます。

設定方法は簡単です。それぞれの浮動ウィンドウを記憶させたい状態にして、メニューバー>構成>新規構成で登録できます。また、微調整後に更新することも可能です。

…と、文字で説明してもピンとこないですよね。

この画像の様に、プラグインの表示を仮に「EQ’s」と登録します。

そして、この設定を仮に「Dynamics」と登録します。

すると、ウィンドウ構成リストでこの二つが登録されます。あとはは、ウィンドウ構成リストでそれぞれをクリックすると、表示されているプラグインが切り替わる、というわけです。

ウィンドウ構成リスト内でもウィンドウ設定を呼び出すショートカットがあり、テンキーでピリオド+ID番号+アスタリスク 任意のID番号のウィンドウ設定を呼び出す事が可能です。(こちらもショートカットの使用にはテンキー付きのキーボードが必要です。)

メモリーロケーションと浮動ウィンドウの連動

そして、なぜ今回メモリーロケーションとウィンドウ構成を同時に説明しているかというと、この二つ、実は連動できるんです。この機能、実は使ってない方多いのでは?と思いますが、この機能、かなり便利なんです。

連動方法はジェネラルプロパティの一番下にあるウィンドウ構成にチェックを入れ、連動させたいウィンドウ構成をプルダウンで設定するだけ。すると、メモリーロケーションを切り替えた時にウィンドウ構成も切り替わります。

もちろん、複数のメモリーロケーションで同一のウィンドウ構成を設定することもできます。先程ボーカルトラックでの例を挙げましたが、プラグインのオートメーションを書き込む際に使用してもいいですね。サビの部分だけ再生しながらオートメーションを書き込みたい!なんて場合は便利だと思います。

また、写真の様にタイムプロパティで、マーカーではなくあえて「無し」に設定すると、ウィンドウ構成と同時にズーム、トラックの高さの設定など複数のウィンドウ反映させる事も出来ますので、波形編集時にも活用できますね。

ウィンドウ構成は、セッションごとに保存されるので、他のセッションとの流用は出来ませんが、テンプレートでの使用は可能です。ラップトップではショートカットが使えないのが難点ではありますが、それぞれのリストをクリックするだけで使用できますので、ぜひ活用してみてください!!


RED先生   (赤尾 真由美) ROCK ON PRO プロダクトスペシャリスト
JAPRS Pro Tools資格認定委員としても活躍するPro Toolsのスペシャリストでもある。クラシック系音楽大学出身というバックグラウンドを持ち、確かな聴感とDAW / デジタル・ドメインの豊富な知識を活かし、ミュージックマーケットからブロードキャストまで幅広い層へ提案を行っている。WAVESプロダクト担当としても、コラム執筆や店頭デモ及び販売を行っている。

関連記事:

Avid of Fury vol.1 『HDX vs. HD Native』

Avid of Fury vol.2 『Etherケーブルで同期!?Pro Tools 同士を同期させるSatellite機能』

Avid of Fury vol.3 『プラグインショートカットを駆使しよう』

Avid of Fury vol.4『同期を極める』

Avid of Fury vol.5『オフラインバウンス』

Avid of Fury vol.6『クリップを自在に配置する』


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