サンレコプレゼンツ「吉田保 ミックスダウンセミナー」第三回 虹原ぺぺろん／ぺぺろんPさん

2013年11月23日 講師：吉田 保 氏

最終回を迎えるSound & Recording Magazine が贈る吉田 保氏のミックス・ダウン・セミナー。マルチトラックデータを提供してくださった虹原ぺぺろんさんは、2007年よりニコニコ動画へボカロPとしての作品投稿を開始。ペペロンPという名で有名になり、2012年8月には初のメジャー・アルバム『ReFraction -BEST OF Peperon P-』をリリースしています。

この3回の連続セミナーを通じて感じたのは吉田 氏の音楽に対する真摯な姿勢です。

とにもかくにも録音クオリティが肝心。ミックスはその素材の良さを引き出すために、予想以上にシンプルなプロセスで行われていました。しかしそこには百戦錬磨の吉田 氏の技が光ります。EQにしても余計な箇所はカットする、物足りない時は少しのブースト。ただそれだけなのですが、吉田 氏の手にかかればそれぞれの音が美しく分離し、活き活きと脈動し始めます。その技を盗むために沢山の受講者さんが集まりましたが、このすさまじい技術は一朝一夕では難しそうです。

PANは左右いっぱいもしくはセンターという大胆なセッティング。そして、1曲の中で使うリバーブは1種類。吉田 氏のサウンドメイクの真骨頂というべきこれらノウハウも実戦的に披露されました。この理論は分かっていてもなかなか飲み込めていなかったのですが、目の前で丁寧に楽曲が組み上がっていいくのを目の当たりにすることで、ようやく腑に落とすことができました。