海外のBlogに掲載されている『なぜAAXプラグイン開発が遅れているのか?』デベロッパ、AVIDに多数の友人を持つという筆者の鋭い切り口からの問題の洗い出しと今後予想をぜひとも御覧ください。
オリジナルテキストはこちら>>>『AAX 64 bit Plug-in Support – Why The Delay?』
Pro Tools 11発売と同時に、利用できるサードパーティプラグインの不足は移行を考えているユーザーにとって問題だ。しかしこれは間違いなくAvidにとっても大問題だ。もしユーザーが自身のワークフローへの影響がなくなったと判断するまでPro Tools 11の購入を遅らせるのであれば、今期どころかもしかすると2四半期にまたがって主要な売上げが失われることになる。我々が実施したアンケートでも、少なくとも25%のユーザーが対応状況を理由にアップグレードを行なわないと答えている。
ここで多くの人から寄せられた質問がある:。『なぜ遅れているのか? 』我々はこの問題に対する共通の理由を探るべく、多くはオフレコだが、 多くのデベロッパに話を聞いた。
AAXプラグイン開発で最も重要なのがSDK(ソフトウェア開発キット)だ。デベロッパはこれを使ってプラグインを制作、ポーティングする。時を追ってSDK自体が改良されることもあるが、多数のデベロッパから、Avidが新しいバージョンのSDKをリリースする度にプラグインの開発に問題が発生していたという。これがAAXプラグインの開発およびリリースの遅延につながった。
舞台裏で進められたPACEによるセキュリティ・システムは、現在AAXプラグインに統合されている。すべてのAAXプラグインはPro Tools 11で動作するためにいわゆる「デジタル署名」を要求される。iLokサーバー不具合に端を発する一連の問題に対して、PACEは大幅な労力を必要とされ、結果として当初いくつかのプラグイン・メーカーが予定していた発表時期に遅れが生じた。
デベロッパは異なるDAWプラットフォーム、OSシステムにプラグインを提供している。AAX、RTAS、そしてVSTやAUだ。AAXは、AvidやPro Tools 11への移行を予定しているユーザーにとって、重要リストのトップに位置しているかもしれない、しかしサードパーティのデベロッパにとって、そうであるとは限らない。AAXよりも優先する項目があるかもしれない。
SDKやPACEなど問題が重なって発生する場合、デベロッパは問題の解決までリソースを他のプロジェクトに振り分けるかもしれない。そうすることで生産性や売上を落とさずに済む。好き嫌いを別にすれば、Pro ToolsだけがDAWのすべてではない。デベロッパにとって、常にリストの最優先事項というわけではない。彼らにとってはビジネスと、次いで業界内のパートナーこそ優先しなくてはならない。必ずしも相互排他的というわけではないが、逆に包括的でもない。
もしAvidが正しく物事を進めていれば、喜んで擁護したいところだが、ことAAXに関して、Avidからの情報公開が常に明確だったとは言い難い。AAXプラグインにおいて32bitと64bit2つのフォーマットがあることに、多くのユーザーは未だにハッキリしない状況に置かれている。Pro Tools 10に対応したAAXがインストールされているからといって、Pro Tools 11ですべてが読み込まれるか、というとそうではない。Pro Tools 10で動作する32bitオンリーのAAXプラグインを製作することが、混乱に拍車をかけてしまうかもしれないのだ。
個人レベルでは、このブログを通じて知った多くの友人がAvidで働いている。そして過去数年間の雇用カットにより、少ない人員で同じあるいはより多くの業務を処理しなければならなくなった。Pro Tools 11を送り出すことは記念碑レベルの功績だが、チームに課せられたプレッシャーは計り知れない。この点を過小評価すべきではないだろう。
さて、これは貧弱なコンセプトとデザイン、マネージメントによる結果なのか?いや、非難に加担するには安易すぎるんじゃないか?敵意を隠さない人が大勢いるが、その多くは出店を冷やかしているくらいの気分なんだろう。始めから買おうとも思わない人々が石を投げているのだ。この記事はそんな事に加担するつもりはない、かわりに純粋なユーザーが現時点での問題を理解するための助けになればいいと思う。そこでデベロッパには「なぜ遅れているか」以外についても質問してみた。
最初の質問は、VSTとAUだけに絞ったほうがシンプルなんじゃないかというものだ。あるデベロッパからはこんな返答があった「AAXは優秀なプラットフォームだし、諸々の問題は別に考えておくのが正しいと思う。新しいフォーマットを創ることはとても難しいタスクだ。Avidは決して安易に取り組んでいるわけではないよ」
もう一つの質問は、この移行期にあたって他にどんな要素が含まれているか、というものだ。別のデベロッパからはこんなコメントをもらった「ユーザーの期待が常に現実的だとはかぎらないんだ。もっと早く欲しいと同時にバグもない状態が望まれる。リソースには限りがあるからどんなデベロッパでもこれは不可能だ。今日AAXプラグインをリリースしてしまうこともできなくはない。でもQA(品質管理)のチーム、ひいてはユーザーにとって好ましくないことになる。ユーザーの不興を買ったり、今までの成果を犠牲にするつもりはないんだ」「Avidはこうしたユーザーの期待を、もっとうまく調整できたかもしれない。Pro Tools 11のリリース時に25%くらいのプラグインが対応する、3ヶ月で50%とか、より現実的なタイムラインを提示すれば結果は違っていたはずだ」
「期待」ということでいえば、他のデベロッパからはこんな返答があった「多くの人が、大きな移行期には痛みが伴うことを忘れてしまっていた。AppleがIntelチップに移行した時も、多くのソフトウェアが動作しなくなった。いくつかのプラグインは1年以上も対応しないままだった」「フォーラムに行って自分ならもっと上手くできた、Avidは駄目だ、と主張するのは簡単だ。もしくは友達がAvidで働いているから内部情報に詳しい、とかね。正直に言えば、こうした人のほとんどがマネージメントや製品開発のプロセスを驚くほど無視した主張をする。本気にしてはいけない、もし彼らが主張するとおりにそれほど賢いなら、フォーラムで一日くだを巻く代わりに、とっくにそうした会社で働いているはずだからさ」
また、いくつかのデベロッパは、このタイミングを自社のプラグイン・デザインを再評価する良い機会と捉えているようだ。AAXの到来をプラグイン開発プロセスの改善に利用している会社さえある。数日前に届いたDave Tremblayの返答にもこうある。「もし変更に時間をかけているのなら、今がうまくやるためのチャンスだ。将来的にもこれは良いことだ」
「STAR WARS フォースの覚醒」はどのように作られたのか
今年のRock on AWARD2016は掲載されていない製品にもどんどんとうひょうできます![...]
クロスフェード…それはCreatorとProductの化学反応[...]
RME Babyface Pro発売を記念し、創業者マティアス・カーステンズ氏インタビュー[...]
『シンセサイザーの楽しみ』ともう一度向き合おう。情熱とこだわりがシンセの歴史を変えて行く!キーマンのお二人に直接インタビューをすることができました。[...]
mirziamov.ru MiMグローバルインタビューでは、先進的かつ野心的にサウンドの未来を探る人物、企業へインタビューを行いその発想の泉を探ります。USA Bostonを本拠地にし、飛躍的なテクノロジーでサプライズを […]
2015年10月17日(土) Rock oN Umedaにて行われました、『今解き明かすマイクロフォン導入メソッド』 ~ノイマンU47FET等々リッチなサウンドとともに、マイク選びとマイキング導入編!~様々なブランドのマ […]
プロのクリエイター達と最新製品が化学変化を起こす CREATOR × PRODUCT を大好評公開中。ここではそのスピンオフとしてRock oNスタッフによる製品レビューをお届け!動画や文章を使い、独自の目線で製品に迫り […]
10月6日、ヤマハ銀座店にてヤマハ新製品発表会が催されました。多くの新製品が実演と共に紹介されましたが、中でも最も注目を集めていたのはLine 6のフラグシップ・ギタープロセッサー「HELIX」!発表会ではLine 6の […]
9月3日から一週間ほどアニメ「うしおととら」の録音〜ミックス〜マスタリングのために東京に戻りました。あいにくその1週間、一度も晴れる事がなく久しぶりの雨続きの日々と台風を経験しました。台風18号により被災された皆様には心 […]
目覚ましい発展を遂げるレコーディング機材にフォーカスし最新の技術に触れることができるFuture Site。より発展した次世代のレコーディングワークフローを展望! 1960年代からマルチマイク・オーバーダビングを多用した […]
Line 6製品を集約した「Line 6 EXPERIENCE」コーナーがリニューアル!Line 6のコンセプトである、ユーザーのアイデアを元に最良のプロダクトを提供し続けるLine 6製品を、直感的なPlug& […]
Steingberg NUENDO7 & OM Factory & Audiokinetic株式会社 & Rock oN companyによる4社のコラボがスタート!先日行われたNUENDO7の発 […]
理想のサウンドを実現するには正確なモニタリング環境が不可欠。スタジオ規模で最高のパフォーマンスを発揮するラージモニターから、自宅でも高解像度のモニタリングを可能にするニアフィールドモニタースピーカーを徹底的に比較し、自分 […]
Rock oN 渋谷店にまた名物コーナーが加わりました!リファレンススタジオ横の防音ルームに設けられたハイエンドマイクの試聴コーナーは、誰にも気を使うことなくじっくり好みのマイクを選び出せるこだわりの広い空間。 Mac […]
Novationは今こそ各種DAWのコントローラーをリースしている会社の印象が強いように思えますが、時代を彩ってきた名機を多数輩出したシンセメーカー!TB-303やTR-808/909をシミュエートしたBass Stat […]
関連コンテンツ Manley Labs全製品が12月24日まで限定10%OFF!さらにDUAL MONO MICPREが奇跡のラスト入荷を果たします!
関連コンテンツ Manley Labs全製品が12月24日まで限定10%OFF!さらにDUAL MONO MICPREが奇跡のラスト入荷を果たします!
アナログファン垂涎の超絶アナログサウンド!ELEKTRONのスタッフが完全にライブ使用を目的に開発しただけあって操作系にも最高の手応え持つanalog RYTMの魅力に迫ります! 関連情報 Elektron Overbr […]
一本は持っていたい民族楽器音源。特に、和琴・箏の音源は現代ではジャンル関わらず幅広く使われています。ただ今までその奏法一つ一つを「こと」細かく収録されているということはあまりなかったのではないでしょうか。奏法の種類が特に […]
最新で最高の音楽制作イクイップメントを音響処理されたリアル空間で存分に体験。時間を忘れる快適な空間でクリエイティブマウンドを刺激してください!
先日8月21日、Rock oN Umedaにて STEINBERG×NATIVE INSTRUMENTS タッグセミナーが開催されました。ポピュラーDAWソフト「Cubase PRO 8」とワールド・スタンダード「KOM […]
Reference Studioを含むRock oN Umedaの天井に仕込まれたPHILIPSのhueは、明るいLED照明と直感的なテクノロジーを融合した電球です。 元気になる青系統の白からやさしい黄色系統の白まで同じ […]
1月15日にグランドオープンを迎えたRock oN Umeda。当日は本当にたくさんのお客様と関係各位にお越し頂きました。 Rock oN Umeda 店内には様々なファンクションを持たせたコーナーがあります。グランドオ […]
やってまいりました、Rock oN Umedaブログです。どんどん仕上がって参りました! 什器と商品をどんどん搬入中。今はこんな感じです。 散らかっております…。 什器に機材を設置していきます。自宅といい勝負。…ってか、 […]
劇伴作曲家 井内啓二さんインタビュー公開。話題の「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」を担当された井内啓二さんの音楽人生に迫りました!
People of Sound最年少、23歳ということもあり、彼の世代ならではの音楽観について大変興味があり、神戸のご自宅スタジオにお邪魔してお話を伺ってきました。
【前半】に続き、田辺さんと約20年ぶりに共同作業を行ったというCharaさんが登場。再び共同作業を行った時の模様、そしてCharaさんの活動の現在についてお話をお伺いしました。
第31回目は作編曲家の田辺恵二さんです。AKB48を始め、J-POPシーンで数々の作品の作編曲プロデュースとしてご活躍中です。今回のレポートは【前半/後半】に分けてお届け。この【前半】では田辺さんのご自宅スタジオに...
第30回目は高野寛さんです。デビュー25周年のアニバーサリー期間に入られるということで、グッドタイミングにお話をお伺いしました。高野さんが歩んで来た25年、そしてこれからへの展望を含め、ミュージシャンとして...
第29回目は、BOφWY、GLAY、JUDY AND MARYといったビッグアーティストの音楽プロデューサーとして活躍され、日本の音楽シーンに大きな足跡を残されてきた佐久間正英さん。都内にあるスタジオにお邪魔して、...
AES2015 at New York 特設サイトオープン!音楽溢れるニューヨークから発信されるパワフルなニュースをお届けします! 2016年を騒がすことになる製品が登場するか!?
新たなスタイルへの移行提案が、より具体性を帯び、ラスベガス/フランクフルトから飛び出すことを期待!
「2015年新世界。ネットワーク&クラウドでソーシャルに繋がるサウンド!」がキーワード。 Rock oNスタッフが、そのパッションをユニークな切り口でリアルタイムに発信します!
AESの興奮冷めやらぬ中、幕張メッセにて19日より開催のInterBEE会場の興奮を2日にわたり現地レポート!コアブランドの新製品はもちろん、本国スタッフが多数来場されている事もありインタビューなどもお届け!!
第137回AES(Audio Engineering Society)CONVENTION、本格化するAoIPプロダクト導入、高品位試聴環境への回答、パーソナルコンソールのあり方などなど、サウンドと音楽における技術革新の祭典が今始まる!
音と映像機器のアクティブな最新動向ならここで! 音楽クリエータを刺激する新製品登場にも期待が高まる、秋の1大エンターテイメントを現地レポート!
世界最大規模の映像・音響機器の祭典NAB 2014が今年も開催!4K、ファイルベースワークフローというキーワードが世界中を駆け巡り、放送・業務機器に大きな変革が訪れている今。業界のニーズに対応すべく続々と登場する次世代ソリューションの息吹を、Rock oNが NAB 2014 会場から余さずレポート!!
NAMM 2014 を湧かせた新製品に、欧州ブランドがCutting Edgeなプロダクトで華を添えるエキサイティングイベントMusikmesse 2014 が遂に開幕! 情熱的なプロダクトや未来を切り開くブランドキーパーソンへのインタビューなど、興奮の坩堝にRock oNが深く切り込みます!
SNSとの連携を強化し、新製品で盛り上がるメーカーブースの息づかいとその舞台裏まで徹底レポート!2003年以来11年ぶりのNAMM参加となるROCK ON PRO岡田とNAMM SHOW初参戦のROCK ON PRO赤尾のOld/Newコンビでレポートします。乞ご期待!!