Solid State Logic 新製品発表会レポート!先日突如としてデビューした『SIGMA』と『Stereo Master Bus Compressor for 500 Module』が、Musikmesse 2013以降世界で初めて姿を現しました! この新製品と共に日本にやってきたSolid State Logic(以下SSL)本社のJames Motley氏のハンズオンによるセミナー形式の新製品発表会の様子をお伝えします!
SSLのコンソールを使って時代を築いてきた熟練エンジニアから、DAW世代の新進気鋭アーティストまで、最高のミックスを行うために真に音楽に向き合う音楽人全てに知ってもらいたい期待の製品がこのSIGMA。
SIGMAはSSLコンソールの『AWS 924/948』や『Duality(NAB2013でバージョンアップを発表)』に搭載されているDAWによるアナログフェーダーオートメーション機能『A-FADA』と、Super Analogue回路を搭載した「DAWオートメーションのアナログサミングエンジン」です。この日SSL側から出た言葉を借りれば「ラックに納まるAWSコンソール」とも言えます。
A-FADAは前述のように、AWSや現行Dualityコンソールに装備された画期的な機能です。コンソールのフェーダーを動かせばそれをイーサネットケーブル経由でつないだDAWに記録でき、逆にDAWを再生すると書き込まれたオートメーション情報を使ってアナログフェーダーを上下させます。「DAWのワークフロー」と「アナログの音質」を両立できるまさにハイブリッドなミックス環境が手に入ります。
本体のフロントパネルは今までのBlackではなく「Traditional British Racing color(James氏 談)」Astom MartinやJaguer、Lotusと一緒だ!!と実はこの部分が一番熱の入った説明…。そしてリモート用のPCブラウザに同じ深緑色で映し出されているのはSIGMAのコントロールソフトウェア。
HTML 5を利用し、SIGMA内のコントロールはPCのブラウザで操作可能。「MASTER」タブはモニターやヘッドフォン、DIM機能、そしてユーザー自身が任意の機能を2つのボタンにアサインできる「USERボタン」の設定が行えます。この他「CHANNNEL」タブでは各入出力chの設定、「SETTING」タブでは基本設定を行います。
見ての通りパラメーターは非常にシンプルで、各機能ごとに使いやすくまとめられています。ここで決めたセッティングは保存もリコールも可能。
SIGMAはメジャーなDAWのほとんどで使用可能。対応するコントロールプロトコルは「HUI」「Mackie Control Universal」そして「OSC」OSC(Open Sound Control)はオープンソースなプロトコルのため主にiPadなどのiOSで使用されることが多いフォーマットです。今後の対応アプリの発表が非常に楽しみなフューチャーですね。
SIGMAはこの他、本体にモニターコントロールセクションを備えており、2系統のモニターアウト、TB INPUTやDIM機能を備え、プロジェクトスタジオクラスで必要とされる機能を網羅した設計となっています。
これまでとなんら変わりないDAW環境でのワークフローに、スムーズにSSL Super Analogueのアナログサウンドを導入できるSIGMAは、プロジェクトスタジオのエンジニアや音にこだわるRock oNカスタマーのみなさんの欲求を満たす新発想のミキシングエンジンです。それこそ1000万クラスのアナログコンソール、SSL 4000Gクラスでないと実現できなかった、当時の言い方であえて表現するならば、「コンピュミックス」を現代に蘇らせ、DAW全盛の今に送るSSLからの提案。いまこそ本物のアナログによるミックスをあなたのスタジオに。
Solid State Logic SIGMAの発売日は2013年7月〜8月を予定。価格は未定ですが45万円前後が予定されています。
ではこのSIGMAについてJames氏に質問を投げかけてみました。ぜひご覧ください(翻訳は後日改めて掲載いたします)
ToneluxのAPI500互換電源モジュールに納まったSSL API500モジュールシリーズ(AES 2012で初登場)。左からE-Series EQ Module、E-Series Compressor Moduleときて、今回の新製品のお出ましです。
これはみなさんお察しの通り、あのSSL4000GのマスターバスコンプをそっくりそのままAPI500モジュール版として移植したもの。前述のAPI500版E-Seriesを製品化した直後から世界中からさらなる新製品の開発、特に伝説的なSSLのサウンドの中核であるマスターバスコンプの要望が強かったことを伺わせます。
これを開発する際にSSLでは「実際の611基盤」「X-Rack版」そして本製品の3つのブラインドテストを行ったということ。回路はもちろんエンジニアが耳で選びOKサインが出されたお墨付きというわけです。実際に回路設計は全く同一、電源部が変わったことによる音質変化に対応するために1つだけコンデンサーを変更したという徹底ぶり。
SSL 4000Gを知っている方なら皆さんが思う疑問点。「GシリーズがなぜBlack Panelなのか?グレーだろ!これじゃE(しかも初期の)ではないか?」と質問。それは、最初に出したのがE-EQとE-COMPでBlackにしたから合わせたんだよ、、、、、全く、深い理由はありませんでした。
さて会場からはSSLのAPI500シリーズでこれから出てくる新製品は何か、という質問も飛び出しましたが、今のところそれは秘密のようです。動画の中でも質問をしていますが、残念ながらSuper AnalogueのMic Preは電源の問題でAPI500互換として作ることは難しいとのこと、となると…。次のリリースに注目が集まりますね!!
本製品の発売日は2013年4月24日本国出荷開始と発売直前。¥252,000で発売されます。
IGMA、そしてAPI 500シリーズの登場は、一般ユーザーや小規模プロジェクトスタジオにも、SSLが長年培ってきたコンソール開発の技術をより柔軟に、自由に選んで導入できるチャンスの到来です!!なんといってもAPIはもちろん、NEVEやGRACE,Millenia等のモジュールと組み合わせてサウンドメイクが出来る夢の様なプロダクト。
これはまさしくJames氏が言う「エンジニア自身がLEGOブロックのようにパーツを組み合わせて理想の環境を構築するスタイル」ということに他なりません。SIGMAのMIXバスにG-COMPをインサートすればまさにSSLのコンソールと同等のサーキットでミキシングが可能!!SSLらしい業務レベルのハイエンドコンソールはもちろん、このの思想による製品開発にも期待します!
※SSLのLEGOブロックの思想がJames氏から表された特集記事「SSLサウンド徹底解剖」はこちら!>
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