アメリカ カリフォルニアに本拠地を構えるAvalon Designは、厳選されたパーツによるディスクリート回路と、クラスAプリアンプによる、極めてローノイズかつワイドレンジなサウンドでありながら音楽的な艶やかさを生み出す技術を誇り、AD20シリーズを代表とするマスタリングクオリティのアウトボードの一流ブランドとして知られます。
このAD20シリーズは発売されてから今日までほぼ変わらず10年以上もロングセールを続け、世界中のレコーディング〜マスタリングスタジオのラックにマウントされています。
そのAvalon Designも近年は、チャンネルストリップとして優秀な「VT737 SP」や、サウンドにこだわるベースプレイヤーに絶大な人気を誇るDI +プリアンプの「U5」、そしてレコーディングに欠かせない3つの機能をワンパッケージにした「V5」など、スタジオワークを知り尽くしているからこそ開発できた、唯一無二の機能性を持った製品をリリースしています。
Avalon Design製品群の中でも比較的新しい、それら3製品に焦点を当て、実際に使用をしたレビューを交えながらご紹介いたします。
VT-737 SP BKはマイクプリ、EQ、コンプを一体にまとめた真空管搭載チャンネルストリップです。
そのサウンドで特筆すべきは、真空管ならではの、きらびやかな倍音を持ちつつもタイトかつ量感のあるローエンド!このトップエンドのきらびやかさとローミッドから下にかける声の「コシ」は、プレゼンスに若干のピークを持たせたU87と抜群の相性を誇り、このコンビは業界では「鉄板セット」とされています。
またVT-737を使う時は若干ゲインを高めに設定して、軽くオーバードライブさせたサウンドでボーカル/ギター/ベース/ドラムなどをレコーディングしてみてください。荒々しくもナチュラルな真空管らしい歪みにより、ピークが抑えられた太いサウンドが得られます。
マイクプリ部とは趣を変え、EQとコンプは非常にナチュラルでクリアな音質なので、良い意味で色付けをせずに音の加工ができます。存在感があり力強さとマイルドさの両面を持つVT-737がR&B系のシンガー/エンジニアに好まれる理由がここにあります。
画像のブラックパネルバージョンはこれまでに一度限定バージョンとしてリリースされ、人気を博したモデルです。青色LEDが光る精悍なルックスはスタジオの中でもクールに映えること間違いなしです。
ナチュラルでクリアというDIの基本要素を満たしつつも、様々なEQカーブを再現する「TONE」コントロールにより多彩なサウンドメイクが可能。一般的なD.I.を遥かに凌ぐ高い解像度とタイトなローエンドは様々な出力の楽器に使用されていますが、特にエレキベースや、エレキギター等の質感調整に最適です。
本来U5はスタジオでの使用を目的として設計されていますが、楽器の持つ「味」やプレイヤーの情熱を繊細に伝えるダイナミクスレンジの広さはライブステージでも使用されています。
V5は VT-737SPのインプット・トランスを使用した『マイクプリアンプ』、U5の伝統を引き継ぎながらも新たなサウンドを目指した『D.I.』、クリアな音質の『リアンプ機能』という3つの役割を持つレコーディング機器です。
これ一台あればボーカルレコーディングからギター/ベースの録音、そして録音したサウンドのリアンプまで、全てをAVALON DESIGNクオリティで行うことができてしまいます!
V5のマイクプリアンプはソリッドステートで設計されているため、「VT-737のインプット・トランスを使用」と言ってもそれとは質感がまるで違います。真空管マイクプリであるVT-737と比べて立ち上がりの速さが印象的で、クリアで素直な印象です。あえて歪ませて使ってみると、VT-737の真空管の持つ倍音感こそありませんが、非常にマイルドで暖かい音になるので好感が持てました。
また、実際に使っていて「良いなあ」と思ったのが「トーン・バンク・フィルター」です。これは予め設定された10種類のEQプリセットで、U5でも好評だった機能です。用意されている各トーンは微調整をするためではなく、ザックリと録りのキャラクターを決めるために装備されていています。これがあれば外部EQを用意しなくても、ソースをあらかじめ狙い通りのキャラクターにして録音ができるはずです。個人的にはアコギのマイク録りに、中域をソリッドにカットして高域をブリリアントに響かせる2番のプリセットに惹かれました。
V5に興味を持った方はぜひRock oN渋谷店の店頭機で実際にお試しください。サウンドバリエーションの幅に、レコーディングの可能性の広がりを感じるはずです!
6つの音楽性に豊んだバンドプログラムイコライザ、L-R出 力レベルとゲイン減少表示、内蔵型レギュレートパワーサプライを2Uスペースに収納! ハイパフォーマンスなDAW入力信号を整えたり、ステレオバス コンプレッションEQ、ステレオキーボードやアナログマスターアプリケーションに最適です。
Dual Mono Pure Class A Preamplifier
デュアルモノのAD2022は、あの伝説的M2、M2mk2、M5プリアンプの本来の音の性能と透明度をすべて備えており、ケーブル/マイクを最適にマッチングする入力インピーダンススイッチ、完全にオーバークオリティのハイパワー高電圧A級レギュレートパワーサプライ、各チャンネルにハイインピーダンスライン入力(DIインプット)、可変パッシヴハイパスフィルター、テフロンジャケットのシルバーワイヤーなどを使用。
Dual Mono-Stereo Pure Class A Opto-Compressor
AD2044は、ハイスピード電流対応のオプティカルコントロールエレメントを備えた100%ディスクリートのピュアクラスAコンプレッサーです。オプトエレメントのおかげで最小の信号パス設計と相まって全く色付けのない超ローノイズのゲインリダクションが可能です。
Dual Mono Pure Class A Parametric Music Equalizer
AD2055は、最新技術のアクティヴ・位相パッシヴフィルタを備えた100%ディスクリートピュアクラスAイコライザーです。AD2055のユニークな回路はイコライザの操作極値でも最高の解像ディテールを実現できます。その上、オートバイアスDCサーボループコントロールを搭載しているので、インターステージキャパシターカップリングの必要は全くありません。AD2055はあらゆる音楽パフォーマンに生命を与えてくれます。
Dual Mono Pure Class A Mastering Equalizer
AD2077マスタリングイコライザーは、入力信号を絶対的に最高のものにする革新的な設計で、100%ディスクリートピュアクラスA信号アンプ、最新技術のアクティヴ・位相パッシヴフィルタ、DCカップルの最短信号パスを搭載しています。
Pure Class A Mic Preamplifier
Avalonのマイクプリアンプは1986年以来世界中で使用されています。プリアンプはすべて、低比率トランスによるバランス入力、高電圧カスケードFET、ペアバイポーラーディスクリートクラスAプリアンプをカップリングするテクノロジーを採用しています。
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