音楽溢れるニューヨークから発信されるパワフルなニュースをお届け!
地下鉄のプラットフォーム、公園の一角、カフェの店先、、、あらゆる場所から音楽が聞こえてくる場所。最新の音楽トレンドを先導する力の背景には、街中に満ちた音楽のエナジーがあります。そんな音楽溢れるニューヨークから発信されるパワフルなニュースをお届け!
「DAWプラグインとアナログ回路の邂逅」、「AoIP技術 プロダクト化の加速」、「レガシーシンセのリノベーションとも言える愛らしい製品の登場」など、2015年後半も、私たちのクリエイティブネスを刺激してくれた数々の技術、製品がありました。2016年を騒がすことになる製品がこの街でアナウンスされるでしょう!
プラグインとしてのアナログ回路、次世代の親和性現る
制作環境PCと各種音響機器との親和性において、一つの到達点と呼べる技術が製品として定着しつつあります。代表例とも言えるElektron Music Machine社のOverbridge技術ではアナログシンセサイザー部分のオーディオをUSB接続経由によりプラグインフォーマットとしてDAWへと伝送。USBオーディオ技術を用いながらもCoreAudioで接続された他社製オーディオインターフェースとの共存を可能にしています。
もちろんシンセサイザーだけでなく、WesAudio社のMIMASやBetterMaker社の502Pなど、汎用性に優れた500シリーズ(VPRアライアンス)フォーマット上で、USB接続によるプラグイン感覚でのアナログプロセッシングを可能にしている。
従来のようにプロセッシングのみを外部委託するDSPモジュールとは異なる新世界が AES2015で華開くかもしれない。
プロセッサパワーを使い切る強力アルゴリズムの実装
ソフトウェアプラグインならではの技術革新も止まりません。レストレーションツールに革新を起こしたiZotope RXはVersion5へ。高度なスペクトラム処理、DAWとの親和性含め完成系とも言えたV4から、ポップノイズや破裂音を自動検出し取り除くアルゴリズムの追加などさらなる使い勝手や精度の向上を果たしています。
そして先日のIBC2015にてオーディオメディア部門のAWARDを受賞したNugen Audio Halo Upmixはステレオ素材を6.1/7.1chのサラウンドに変化。完全な元ステレオ素材との互換性やダイアログ抽出など放送での利用が大きく期待されます。
ハードウェア再現ではなくハードウェアでは成し得ない、従来の音響処理を覆すような驚きとの出会いに心が躍ります。
IOからマイク、ラージコンソールまで、更に拡大するAoIPプロダクト
昨年はDigigridなど個人向けハイエンドオーディオインターフェースの登場が相次いだネットワークオーディオ。昨年のInterBEEで発表された世界初となるDante接続の音響設備用マイクロフォンATND971や、IBC2015発表のSSL System Tなど同社Dante関連プロダクトのコアとなるコンソールも登場。自由自在な信号ルーティング、PCやホスト環境、複数IOの統合こそネットワークシステムだけに許された特権。入り口、IO、コンソールときたら出口のネットワーク化にも期待が高まりますね。
温故知新、シンセサイザー界の次なる一手は?
国内YAMAHAとROLANDからはAES前に過去の名機達を新たなコンセプトで復刻した新製品、Reface、そしてRoland Boutiqueシリーズが相次いでリリース。どちらもコンパクトな筐体ながら、過去を知る世代だけでなく若年層に向けた操作性を付与することで新たなムーブメントを呼び起こす動きがあります。昨今のNAMM2015、MESSE2015とシンセメーカー各社が集った「モジュラー村」が人気を博すなど、その火付け役となる一手が登場に期待が高まります。