DOLBYと双璧といっても良い音声のフォーマット開発の雄がこのDTS。副社長のMark R.Johnson氏に新しく発表されたDTS:Xについてお話を伺うことが出来ました。
DTS:XはDOLBYの技術に正面から対抗した次世代型のサウンドフォーマット。MDA(Multi Dimentional Audio)を採用しているのが非常に大きまポイントで、今まで以上のインタラクティブな試聴環境をユーザーに提供するということです。これはDOLBY ATMOSと同様の発送のオブジェクトベースのオーディオとメタデータの組合せを使っているということ。DOLBYはこの技術を家庭用に持ち込む際にある程度のスピーカー配置などのバリエーションを想定し、それに合わせた再生をデコーダー側で行うというシステムですが、DTS:Xはデコーダーが視聴環境のスピーカー配置に合わせてその場でレンダリングを行うという点が大きな違いです。
更にマルチ状態で届けられたオーディオデータはレイヤー構造となっており、スポーツ番組であればアナウンサーの声だけを消したり、言語を切り替えるということも可能。映画などのコンテンツでは効果音だけを下げて深夜に試聴を行ったりということが可能になるということ。ステムの状態のママデコードをしてそのまま配信などに乗せることが出来るということです。
もちろん、マルチリンガルにも対応。この柔軟性をオブジェクトのまま届けるというのがDTS:Xの特徴。1月のCES 2015で概要の公開は有りましたが、まさに昨日発表された最新のサウンドフォーマット。すでにデコーダーの開発は進んでおり、対応を表明しているAVアンプメーカーもあるということ。国内ではBDのパッケージとして体験することが出来るのではないでしょうか?
YoutubeやUstream等の手軽に配信、試聴といったソリューションの対極とも言える、インタラクティブ性を追求したコンテンツ。ハイエンドの要求に答えるまさに次世代型のコンテンツのあり方を提示していると言えるのではないでしょうか?
Writter Y.Maeda
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