今年は開催期間を重ね開催されることになったNABとMusikmesse。NABは世界最大規模の映像・音響機器の祭典としてラスベガスで開催。その一年を占う放送系機材の新製品ラッシュが今年も予想されます。昨年は、4K対応のカメラが各社より一斉にリリースされたのが印象的でしたが、今年は一体どのような新製品が登場するのでしょうか? 一方、Musikmesseはフランクフルトで開催され、近年NAMMと同じレベルで高い注目を集め、欧州のみならず世界中のユーザーが注目を集める楽器と音響機器の祭典。先日のNAMM2015で印象的だった「国産シンセのイノベーション力」、「オーディオI/Fの新展開」、「ハードウェアの新たなスタイル」が、より具体的に製品へと結実する予感!
Rock oNでは、東京、ラスベガス、フランクフルトに特派員を派遣。今回もクイックに、パッションを持ってレポートいたします!まずはそれぞれの見どころ予想からスタートです!
こちらもご覧下さい!! ショーレポートアーカイブ。
さぁ「NEXT」へ!製品が急ピッチで具体化。新しい時代へ突入する疾走感を届けます!世界最大級の放送機器展NAB 2015。
まさに4K元年。撮影から編集へと視点を移し注目します!
今年は、国内で、世界初の4K放送がスカパー!でスタートし、まさに4K元年とも言えます。先行してスタートしていた配信系と共に、4Kが身近に、且つ現実のものになっています。その中で必要とされるのは撮影系の機器はもちろんですが、やはりポスト・プロダクション向けの編集機器ではないでしょうか? 大容量化が免れない4Kのソリューションでは、今まで以上にデータハンドリングに必要なファシリティーが異なってきます。この部分に対しての回答を出してくるメーカーが今年のNABで名乗りを上げてくるのでしょうか?編集ソフトの方も、4Kの編集向けの新機能が次々と誕生しています。カメラも各社から出揃い、それらを結びつけるワークフローに注目が集まることでしょう。
立体音響技術のパーソナル化は、ユーザーに感動レベル増大をもたらすか?
音声は、やはり、3D Surroundとも呼ばれる立体音響技術ではないでしょうか? 映画でのDOLBY ATMOS, AURO 3Dが注目を集めていますが、ヘッドフォンでのパーソナル再生における立体音響も新しい技術として注目を集めています。様々なメーカーから次世代のフォーマットがどんどん登場しており、パッケージ等ファイナルメディアとの関係性も含め、今後の展開が非常に楽しみな分野です。
もちろん、先日リリースされたPro Tools 12の情報も大きなトピックです。AVID Everywhereのコンセプトを具体化するCloud Collaboration , Market Placeなど、実際の編集機能ではなく、新しいワークフローを提案する内容に、次世代のプロダクションのあり方を占いたいと思います。世界中がひとつに繋がり、新しい作品を作り上げる土壌をメーカー側が作りあげようとするその姿勢は、新しい時代の到来を予感させるものでは無いでしょうか?NAB 2015の直前に行われるAVID Connect 2015にも参加し、その詳細をレポートさせていただきます。こちらもお楽しみに!!!
撮影機材、一気に注目を集めるドローン
クレーン等の大掛かりな機材を使用せずとも自由なアングルからの撮影を可能とするドローンは日本国内においても、5月20日から幕張メッセにて「第1回国際ドローン展」が開催される、ということでも大きな盛り上がりを見せています。手軽な小型のドローンから、大型カメラを飛ばすことの出来る製品、そして、被写体を自動で追尾するようなモデルまで様々な製品が登場しています。また、使いこなしに多くの経験が必要なステディカムの分野にも、ハンドヘルドのジンバルなど多くの提案が行われています。これらの製品もまさに急成長をしている市場。これらもしっかりとレポートをお届けできればと思っています。
2015年春、Rock oNはCutting Edgeなプロダクトと共にMusic Messe Show Reportを彩ります!
Musikmesseの見どころを予想しましょう!まずは、国産シンセのイノベーション力!
まずはARP Odyssey復刻でNAMMの話題をさらったKORGからは、(株)ノリタケカンパニーリミテドとの共同開発真空管『NuTube』のプロダクト展開があるのか。NuTubeはアノード・グリッド・フィラメントの構造を持ち、完全な3極真空管として動作し、また従来の真空管と同様、真空管特有の豊かな倍音を保持しながらも従来の蛍光表示管に比べ、大幅な省電力化、小型化、品質向上に成功したことで、VOXブランドのギター・アンプやダンスシーンのビートエフェクターまでコンパクトハードウェアへの採用が期待されます!
次は2015年 NAMM SHOWで一切の詳細を明かされなかったRolandシンセサイザー『JD-XA』! クロスオーバーコンセプトの上位機種と予想される筐体、アナログとデジタルの関係性や信号経路設計はXiとどう異なるのか。NAMM撮影の写真から想定される2つのOSCは×4パートなのか、ポリフォニックのアナログシンセサイザーの可能性も考えられます。機能性とパワー、サウンドの全容が遂に明かされる!
オーディオI/Fはメジャーブランドの新展開に注目
革新という意味で大島 Su-kei氏による直近のセミナーイベントでも大きな話題を呼んでいるDiGiGrid! 複数台のPC、DAWを1台で連携させるネットワークオーディオIFは、バッファ32Sample / 1.3ms設定で軽々と動作する基礎体力の高さから、DAW間で最大128chのやりとりを1台で可能にするなど最も理にかなった将来性豊かなインターフェースとして最大級の注目を集めています。
そしてNAMM SHOWにて『apollo expand』を掲げたUniversal Audioからもソフトウェア&ハードウェア新展開があるやもしれません。複数台のapolloやUAD-2がThunderbolt経由で1台の巨大ハードウェア&DSPシステムと見なせるようになった今、UAが目指す次なるビジョンに注目が集まります。
Messe前に生産完了や長期在庫切れを発表したブランドやプロダクトも要チェックと言えます。人気のRME Babyfaceが生産完了を発表しており、RME マティアス氏、Max氏らが描く次なるモバイルI/Fの形が発表されるのか、その動向に注目が集まっています。
ハードウェアに向き合う新たなスタイルを各社が提案中!
現代の制作環境と親和性を高める新たなハードウェアスタイルの提案もショーレポートの醍醐味。Better Maker社がDAW上からオートメーション含めUSBリモート出来る500シリーズモジュール502Pをリリースすれば、スウェーディッシュデザインとサウンドが魅力のElektron Music Machineから遂にハードウェアとDAWを連携させる『OverBridge』がリリースへ。新たなワークフローや制作スタイルの提案からも目が離せません!
ネットワークオーディオ、Cloudを活用した制作環境、ハードウェア/ ソフトウェアの感覚的シームレス化。先日のNAMMでも感じられた、これらの新たなスタイルへの移行提案が、より具体性を帯び、ラスベガス/フランクフルトから飛び出すことを期待します!皆さんの制作スタイルを、より高みへ導くニュースをお届けすべくショーレポートを盛り上げていきます。ご期待ください!