“理想的なアナログ・サウンド”を追求して開発された新しいEQ/コンプレッサー/リミッター・プラグインが登場!!!
昨年に引き続き、今年のNAMMショーでもいくつかの新製品を発表したのがMcDSP。ご存じ、Digideignシステム用プラグイン・デベロッパーの雄です。
新製品の目玉は、温かみのあるアナログ・サウンドをプラグインで実現した「Retro Pack」。EQ/フィルターの「4020 Retro EQ」、コンプレッサー「4030 Retro Compressor」、「4040 Retro Limiter」という3種類のプラグインで構成される新しいバンドル製品です。
開発者のコリン・マクドウェル氏の解説のもと、じっくりと試聴させてもらいましたが、そのサウンドは滑らかでファット。いわゆるアナログ機材らしい温かみのあるサウンドなのですが、ヌケが悪くなっている感じや嫌な歪み感は全くありません。まさに理想的なアナログ・サウンドと言える、非常に素晴らしい質感を持っています。実際に音を聴いてもらった方が早いと思いますので、まずはコリン・マクドウェル氏の解説ムービーをご覧ください!
4020 Retro EQは、4バンドEQ(2×シェルビング+2×パラメトリック)と2バンド・フィルターで構成されたプラグイン。各EQのカーブは、ゲインの設定値によって変化するバリアブル・スロープ/Q仕様で、非常に滑らかな効き具合になっています。2バンド・フィルターも同様に、12dB/Octから最高24dB/Octまでスロープが変化します。
4030 Retro Compressorは、シンプルなコンプレッサー・プラグイン。新開発のアタック/リリース・デザインによって、深くコンプレッションをかけたときでも、パツパツした嫌なサウンドにはならないのが特徴です。また、コンプレッサーでは珍しいWet/Dryの設定が行える点もユニークです。
4040 Retro Limiterは、いわゆるブリックウォール・スタイルのリミッター・プラグイン。先読み(ルックアヘッド)仕様ということで、マスター・リミッター用途に合ったプラグインと言えるでしょう。
マクドウェル氏に「Retro Packを開発する際、モデリングしたり参考にしたアウトボードはあるのか?」と尋ねてみたのですが、その答えは「No」。「既存のハードウェアをシミュレーションするのではなく、単純に“良い音”を目指して開発したのです。その結果、将来的にRetro PackがGMLやManleyのようなクラシックになってくれればいいと思っています」(マクドウェル氏)とのことでした。
また、McDSPのフラッグシップ:Channel Gのバリエーション・プラグイン、Channel G CompactとChannel G Surroundも登場。Channel G Compactは、Channel Gをベースにエクスパンダー/ゲート・セクションを省くことで、DSPの消費量を抑えているのが特徴です。サウンドはChannel Gと全く同一で、また1つの画面でダイナミクスとEQを同時に操作できる、使い勝手の良さもポイントと言えるでしょう。マクドウェル氏いわく、「オリジナルChannel GはD-ControlのEQ/ダイナミクス・セクションに完全にマッチさせたので、D-CommandやD-Showといった他のサーフェースでは少々使いにくかったんです。その反省を踏まえ、新しいChannel G Compactは、どのサーフェースでも使いやすいデザインになっています」とのことです。
一方、Channel G Surroundは5.1ch処理に特化したコンプレッサー/リミッター。EQも省かれ、完全にマスターでの音補正のみにターゲットを絞ってデザインされているのが特徴です。
なお、Channel G ComapctはEmerald Packに含まれ、Channel G Surroundは単体での販売のみになるとのことです。
Winter NAMM Showは、数ある音楽機材のイベントの中でも、世界中のデベロッパーから新製品、新技術が発表される世界最大規模の祭典です。現地のレポート・スタッフ他、このサイトをご覧いただいている皆さんが楽しめるようなコメントをお待ちしております! (スタッフへの励ましのお言葉もお待ちしています!)
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Vocalの空気感が違いますね。これならレトロなアウトボードを使用しなくてもいけるのではないかと思う程、有力な選択肢になりますね。
Comment by Fine — 2009 年 1 月 17 日 @ 9:17 PM