2009.01.19

Symbolic Sound

サウンド・デザインのためのスーパーコンピューター:Kymaシステムが久しぶりのアップグレード!!!

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 ユニークなXYZコントローラー:Continuum Fingerboardで知られるHaken Audio社のブースには、先日数年ぶりのハードウェア・アップグレードを果たしたSymbolic Sound社のKymaシステムが展示されていました!

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 Kymaシステムは、使いやすいGUIを備えたサウンド・プログラミング環境で、Max/MSPによく似ていますが、専用のDSPボックス上で動作する点が大きく異なります。また、時間軸で変化するアルゴリズムを比較的容易に組める点も特徴で、またアナライズ系のモジュールが非常に充実しているのもポイントです。

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 ユーザーは大学や研究所などに勤めるアカデミックな人が多いようですが、ゲームや映画のサウンド・デザインを手がけている人や普通のポップス系のミュージシャンなどにも使われています。もちろん、日本にも愛用者はけっこういるようです(有名どころでは竹村延和さんやテツ・イノウエさん、元・ソフトバレエ/現・睡蓮の藤井麻輝さんらが使用していましたね)。

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 そして昨年末、そのDSPボックスであるCapybara 320が数年ぶりにアップグレードされました。新たにリリースされた「Pacarana」は、フル拡張されたCapybara 320よりも約1.5倍パワフルになったのにも関わらず、価格は約半分、サイズは約1/6になっています(以前のCapybara 320は確か3Uサイズだったと思うのですが、Pacaranaはハーフ・ラックに近い筐体になりました!)。また、Pacaranaまで強力なスペックは要らない……という人のために、「Paca」という弟分も同時にリリースされました。Pacaは基本構成のCapybara 320よりも安価なのにも関わらず、その処理能力は約5倍と非常にパワフル。従ってかなり高度なことをやる人以外は、Pacaで十分かもしれません。

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 新しいPacarana/Pacaは、パワフルで安価になっただけではありません。Pacarana/Pacaではオーディオ入出力機能が省かれ、好みのオーディオ・インターフェースが使えるようになったのです。ユーザーにとっては、これは大きな変化なのではないでしょうか。また、フロント・パネルに有機ELディスプレイが備わったことにより、DSPの使用状況やMIDIの通信状況を瞬時に確認できるようになりました。なお、ホスト・コンピューターとは、FireWireで接続されます。

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 Continuum Fingerboardで演奏されるユニークなサウンドを生で聴いてしまうと、かなりグッときてしまうKymaシステム。使いこなすのには、相応の修行が必要となりそうですが、人とは一味違った新しい“楽器”を探している人には最高のシステムだと思います。興味を持たれた方は、ぜひWebサイトをチェックしてみてください!

● Symbolic Sound

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