AVID connectのスタートはGeneral Session。CEOのLuis Fernandez Jr.氏によるKeynoteプレゼンテーションで幕が落とされました!30分ほど十分な時間をかけて、現状のマーケットの状況分析からAVIDとして考えるこれからのマーケットのあり方が語られました。(※記事末にGeneral Sessionのムービーを掲載しています)
現在の大きな問題として考えられるのがクリエイトされる作品の量は増加しているがそれに対してのバジェットが低下してしまっているという問題。これにより、クリエイターは継続的な創作活動ができなくなっている。これをマーケット自体の存続にも係る大きな問題として認識している。
かたや市場の規模は従来のコンテンツの枠を飛び越えた新しい形(配信、ストリーミング、VoDなど)が急成長をしている。CreatとMonetizeという両輪が新しい市場に対してダイレクトにリーチできていないのが問題だと。
AVIDはクリエイターのツールに市場へのダイレクトな作品提供=Manetizeが可能なプロダクトを開発していくと力強いコメント。クリエイターツールとして高い評価を得ているAVIDが顧客にとっての次のステップは急変していくマーケットへの作品提供のダイレクトタッチを可能とするソリューションです。ここの温度差、そもそも市場はあるがそこに対してコンテンツ提供の方法が確立されていないといった不整合を取り除こうという強い意思を感じた。
もう一つは、昨今大きな話題となっている4Kそして8Kという次世代フォーマット。配信側、民生の受像機側が先行して、クリエイター側が追いついていない。さらに言えば制作に関してのワークフローがそもそも成り立っていないというちぐはぐな状況だと。ココに対してもAVIDとしてのトータルでのソリューションの提案をこれからも行っていくと表明されました。
そのためには、AVIDとして不足している部分は優れたソリューションを持つサードパーティー(AVID的な表現をすればパートナー)と密接にコラボレーションを行っていくとも。このような大きな企業がワークフローの改善のために、これだけ多くの他社の参入を好意的に受入、参加を促すということ自体が画期的なことだと感じています。少し前まで、ONE AVIDというキーワードのもと、AVID製品のみでのONE STOPのソリューションを提案していた企業とは思えない変化。しかしコレは全てのユーザーにとって選択肢が増え更に望むワークフローが実現できるという大きなチャンスだと感じます。
そして、クラウドベースのワークフローの共有、そして、ディストリビューションなどに対しては、セキュリティーということをキーワードとして上げています。国内でのファイルベースの導入が進まない大きな理由にこのセキュリティーの問題が有ります。この問題に対してもAVIDは積極的にユーザーの要望を聞きながら取り組むとの表明も。
アメリカ的なプレゼンテーションだということを差し引いても、現在の市場をよく分析してユーザーと企業のWin-Winの関係をきづきたいという強い意思を感じます。そして、これから、発展途上であるのファイルベースのワークフローに関しては、ユーザーとともに考え、共に歩んでいきたいと。ユーザーとメーカーが強い結びつきでコラボレーションをする必要性を強く訴えていました。
クラウドコラボレーション、マーケットプレイスといった提案も近日中に現実のものとなっていくことでしょう。更にNAB 2015ではMedia Composer Firstという無償のツールも発表され、すでに発表済みのPro Tools Firstと共に、クリエイターの助けとなる製品群、クラウドでつながるためのツールが登場を続けます。他にもエントリークラスの共有ストレージISIS1000、4K対応のビデオインターフェースDNxIO、シベリウスも最新版が、ライブコンソールもVENUEのフラグシップを置き換えるS6Lの登場。新製品に関しては、個別の記事で詳しくご紹介します。これからもAVIDの提案する発表からは目が離せない状況が続きそうです。
Writer Y.Maeda
AVID connect Genaral Session ムービー
AVBとDanteの両対応が表明されたS6L、4K対応VIDEOインターフェイスDNxIOの登場と話題騒然のAvid Connect続編はこのあと。どうぞお楽しみに!
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