発表と同時に大きな話題を生んでいるPro Tools Cloud Coraboration。
AVID Everywhereという大きな目的の中の一部分として、そのソリューションが提案されています。
現時点ではTechnical Preview段階ということで実際のリリース時期や提供方法など不明点は多いのですが、デモンストレーションとして実践されていた部分や、コメントをもらえた部分を中心にお伝えをしたいと思います。
(※実際に製品としてリリースされた際に機能に差異が出る場合がありますのでご了承願います。)
詳細の解説は1st Dayのレポートにありますが、2nd DayのAVID Japanese Reception 2014で明らかになったことをまずは記載しようと思います。
概念としてAVID EverywhereをOSとして、その中でPro ToolsやMedia Composer 等のクリエイティブ・ツールが動作をしているイメージ。その仲介となるのが、Media Centreと呼ばれる従来のInterPlayを置き換えるソリューションの部分です。
このAVID Everywhereの到達する目標地点は
音楽、放送、ポストプロ、映画、全てのクリエイティブな作業を行うユーザー、そしてその作品がCloudに集約され、作業効率の改善はもとより対価を得られるコミュニティーとして存在出来るようにしたい。
そのための従来のローカルでの作業をグローバルな環境で、言い換えればイントラネットで存在していたInterplayをインターネット環境に成長させる。更にインターネットに接続されている全てのユーザーを招待し、コミュニティーに加え作業のコラボレーションを実現する。
このように壮大な計画の第一歩であるということです。
全てのクリエイターへツールを提供する、AVIDだからこそ可能なこのサービスをこれから実現していくということで、世界的な注目も非常に大きいと感じます。
今までセキュリティー等の問題により、閉ざさた環境で特定のユーザーが作業をしていたものが、そのまま世界規模に羽ばたくソリューションに昇華する。これから私たちはその実現を目の当たりにすることでしょう。
このセッション全編を通じて盛んに言われていたもう一つのキーワードが Metadata Coraboration。
Metadataの存在は、これから、膨大なコンテンツ、素材がCloudにあふれた際にそれぞれを結びつけ、探しだすための非常に重要なキーワードとなることでしょう。
Cloud上にセキュアにアーカイブされた素材を”Flat”にしてという表現をとり説明をしていましたが、イメージとしては共通性を持たせる、互換性を高めるというイメージだと思います。これにより、自分の作った作品素材を必要とする別のユーザーに販売したりするといったことも出来るようになるのか?大きな期待が先行してしまうのは筆者だけでしょうか。
気になる料金などは詳細未定ですが、課金形態としてMedia Composerと同じような想定をしているとのこと。Media Composerは月額ライセンス、年額ライセンス、マルチユーザー対応のフローティングライセンスをCloud サービス向けに検討しているとの発表がありました。
Pro Tools Cloud Coraborationも同様になるのではないでしょうか。もちろんその際にもCloudサービスとは切り離された従来通りのライセンスも引き続きリリースをするということです。
NAB 2014 : AIVD Connect 1Day コラボレーションの革命!!
ここからは、AVID Connect 1st DAYレポートの転記です。詳細機能はこちらを御覧ください。
★ 『NAB 2014 : AIVD Connect 1Day コラボレーションの革命!!』はこちら!>
内蔵されているコミュニティという機能を使用すると、グループを組む事が出来、クラウド上にある同時にセッションを開く事が出来ます。クラウド上ですので、同じ情報を同じグループとして指定したメンバーで情報を共有出来る訳ですね。
セッションが複数の場所、スタジオおよび国境を超えて共有する事ができるので、多忙な時間を縫ってスタジオに集まる事もなく、音楽制作に集中出来る訳です。当然、セッションのデータはクラウド上ということですので、東京にいる自分と、大阪に居るボーカルとが同じセッションを同時に開いてボーカルレコーディングをしたり、そのセッションを福岡にいるギタリストが別の日にレコーディングをしておく、ということも可能です。
複数人数にセッションに参加するためのメールが送られて、そのメールからセッションへの参加が出来るという仕組み。
また、ProToolsのディレクトリを介して他に参加出来るミュージシャン、コンポーザー、ミキサーなどを探す事が出来ますので、今まで以上に新たな可能性がAvid Cloudの中に広がっている訳です!
セッションに変更が出た場合も、グループに参加しているメンバーへは変更の通知がメールとして送られてくるそうです。例えば、ギタリストがPro Tools Cloudでレコーディングすると、その旨がメールでメンバーへ通知されます。
このように、ミュージシャンへの録り直しなどが発生した場合でもすぐに確認が出来ます。変更は履歴として確認も出来るということですし、自分のクラウド内のライブラリに関してメタデータがタグ付けられますので、オーディオデータを簡単に検索出来るようです。これらの機能はリミックスを作るときにもおおいに活用できそうですね。
セッションの共有というと、気になるのはインサートしているプラグインですね。セッション上でその環境にないプラグインは通常、非アクティブになってしまい、iLokを差してProToolsを起動し直さないと使用できませんでしたが、デモではMarket Placeからプラグインを購入すると、セッションにずばっとインサート!!ProToolsはおろか、セッションを閉じる事もなくインサートです。一連の作業の簡潔さに会場では拍手喝采!!
ProTools Cloud上にあるセッションはストリーミングが可能。iOSからでも可能ということですので、iPhoneからいつでも視聴が可能ということですね。
詳しくは説明していませんでしたが、編集中のセッションの2ch Mixをバウンスすることなく視聴できるのではないでしょうか?そうなったら、ますます作業時間が短縮されますね!
バウンスやアップロードに時間をとられることがなくなるなんて、夢のような話です。しかも、完成した楽曲はMarket Placeで販売可能ということですので、世界を相手に自分の楽曲を販売出来るという訳です。
実際のデモンストレーションでは、S6などのデモンストレーションでおなじみのGil Gowing氏がギターの実演です!!
Gil氏からセッションの説明があり、思わず吹き出しそうになりましたが使用されていたソフトシンセがSTYLUSやOmnisphere、BFDだったので思わずパシャリ。
写真左がTom Graham氏。右がGil Gowing氏です。実際に会場で動作していたのは、まだαにもなっていないテクニカルバージョンでしたが、実際にProTools Cloudを通じてのコラボレーションを実現しました。…といっても、このデモ、実は二人はステージ上隣同士でわざわざCloudしていました!!
ギターを弾きながらのこのチャットのやりとりとが、若いころののバンドのやりとりみたいで自分と重なる所があり、なんとも微笑ましい感じでした。帰国したら、とりあえずギターを弾こうと思った瞬間でもありました。
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