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40年の時を経てARP Odysseyが完全復刻!
ARP Instruments社の共同創業者であるDavid Friend氏をアドバイザーに迎え、当時の回路を完全再現。更に3世代分のVCFや、VCAを歪ませるDRIVEスイッチを搭載し、伝説のデュオフォニックアナログシンセサイザーが現代に蘇った!
JAZZジャイアント達を虜にした生々しくも未来的なサウンド
ARP Odysseyは1972年にArp Instruments社が発表したアナログシンセサイザー。当時のアナログシンセはMoog minimoog(1971年発売)、Oberheim SEM(1974年発売)、そしてArp Odysseyが有名でそれぞれの個性が多くのアーティスト達に賞賛されていました。
Moog minimoogは何と言ってもVCOの太さ。3つのVCOとキレの良いラダーフィルターの大胆なサウンドはベースやリードで圧倒的な存在感を放っていました。またOberheim SEMは-12dB/Octのマルチモードフィルター(LP/HP/BP/Notch)によって幅広い音作りを実現。
その中でArp Odysseyが突出していた部分、それはデュオフォニックであった事も勿論ですが、モジュラーシンセのような柔軟な回路構造であったと言えるでしょう。キーボードがついてはいるがそれはあくまで演奏のし易さの為であり、Arp Odysseyの本質は、各ファンクションが相互に作用しあうシンセサイザー本来の音作りでした。
例えばオシレーターとは別にSAMPLE/HOLDがあり、またキーボードでなくLFOによるトリガーもできた為、これらを利用すればまるでシーケンサーのような自動演奏もする事ができました。その生々しくも未来的なサウンドにはHerbie Hancockも魅了され、「Nobu」や「Riandance」といった名曲でその不思議なサウンドを耳にすることが出来ます。
2基のVCOの波形はノコギリ波と矩形波の二種類ですが、FM変調やPWM(ソースにLFOとEGを選択可能)が出来る事、またノイズジェネレーター(PINK/WHITE)やRINGモジュレーションも搭載している事、そしてVCFがLPFとHPFを同時に使用できる事により、リードやベースのみならず複雑な動きのSEや自然音、そしてシンセティックなリズムサウンドを生み出す事ができます。
ARP ODYSSEY REV.1~3とは
ここでARP OODYSSEYのバージョンについて簡単に補足します。ARP ODYSSEYと言えば、機能やパネル色に違い以外にもちょっとしたパーツの違いで多くのバージョンが存在します。その中で最もポピュラーなのがARP ODYSSEY REV1/REV2/REV3の3つのバージョンです。
まずREV1は白パネルの個体が有名ですね。こちらに搭載されているローパスフィルターは-12dB/Oct(2Pole)です。MOOGなどの4Poleに比べ効きは緩やかですが、繊細でタイトな サウンドが特徴です。REV1にはCVとGateのin/outとTRIGのin/outが無いため、完全に手引き専用でした。(あるものもありました。)
REV2はマットなブラックの個体に金文字のシルクプリントという、上品なルックスのモデル。ツマミのラバーヘッドのポップさとのバランスが良い案配。ローパスフィルターは-24dB/Oct(4Pole)で扱い 易く、さらにCVとGATEのin/outとTRIGのin/outがあり。シーケンサーと使う事ができました。
そしてREV3が一番タマ数が多かったと思われるモデルです。ブラックにオレンジのモダンなデザイン。ARPのロゴのブロック文字になっており80年代に 向けたモダンデザインを感じます。ローパスフィルターは-24dB/Oct(4Pole)でレゾナンスを上げた再のサウンドに特徴があります。
そして最大の特徴はPPC(Propotional Pitch Coontrol)でしょう。鍵盤左上にある白い3つの正方形です。感圧式パッドになっており左右がピッチのアップダウン、そして真ん中がビブラートをコントロールします。
三世代の機能とサウンドを統合。VCAのDRIVEも
さて今回登場したARP ODYSSEYには上記の特徴の全てと現代環境に合わせた新機能や仕様を持っています。まず何と言ってもVCFでしょう。それぞれに個性的であったREV1~3のフィルターを切り替えて使う事ができます。実際に実機を触って聞き比べてみるました。
レゾナンスを上げると、3つの違いがかなり分かります。REV1がとにかく太いですね!REV2はマイルド、REV3は激しくソリッドという印象でした。
そしてサウンド面での変更はまだあります。オリジナルにはなかったDRIVEの搭載です。株式会社KORG 商品企画室 坂巻氏によれば素晴らしいVCOサウンドをよりアナログらしく、また過激なエレクトロニックサウンドにも対応するためにVCAでの歪みを搭載したとの事です。ONにするとサウンドの生々しさが増し、個人的には大変好印象です。
またプレイヤビリティの面でもREV3に採用されていたPPCを搭載。まさに三世代分の良いところが詰まった夢のODYSSEYなのです。そしてREV1と2/3で違うポルタメントの動作も、そのどちらのパターンも選択可能になっています。
現代的にブラッシュされた細部の仕様
まずはサイズですオリジナルに比べ86%の大きさになり、デスクトップに設置しやすくなりました。またダウンサイジングに伴い鍵盤にはKORGの37鍵のスリム鍵盤が採用され軽量化も計られています。発表は前なミニ鍵盤ではないかなど様々な噂が飛び交いましたが、スリム鍵盤で本当に安心しました。
またスライダーの部品も従来より性能が良く、オリジナルのネックだったスライダー不良を改善しています。
入出力では、独立したボリュームコントロールが可能なヘッドホンアウトがつきました。インスピレーションが湧いたときに手っ取り早く音が聴けるので、個人的にはとても嬉しい仕様です。ヘッドホン端子から、外部オーディオ・インプット端子へパッチ・ケーブルで接続することで、セルフ・フィードバックをかけた強力なサウンドを作り出すこともできます。
またGATE OUT端子からTRIG IN端子に接続するとEGがリトリガーしなくなり、レガート奏法が可能になります。
また、XLRバランス出力端子が付いたことでより安定性が増しました。ノイズももちろんですがアクシデントが許されないレコーディングやライブの現場では、XLR端子は簡単に抜けないところも大きなメリットです。
そしてMIDI IN入力とUSB-MIDI端子が搭載されました。ARP ODYSSEY復刻にあたりMIDIの搭載はもっとも頭を悩ませたところではないでしょうか?オリジナルの再現という意味でも、また昨今のモジュラーシンセの隆盛をみてもコントロール系の入力端子はCV/GATEとトリガーだけの可能性もありました。
しかしやはり現代の環境にマッチさせるという事の重要性も鑑み、MIDIが搭載されました。しかし、USB端子はあくまでUSB MIDIであり、オーディオには対応さしていません。内部をコントローラブルにする事で結果的にサウンドも変わるのを防ぐ為に、あえてUSB MIDIにしたとの事。なので当然MIDI CCでのコントロールもありません。
PC環境へのアプローチはサイズと端子のみで敢えて線引きしており、DCOでなくVCOにこだわっている所に好感が持てますね。
専用セミ・ハード・ケース付き
ARP旧ロゴがついたセミハードケース付き!ライブの運搬から自宅、スタジオでの保管まで安心ですね。そしてケーブルを入れるスペースも用意されているところが嬉しい!
REV1、REV2カラーも発売予定!
ODYSSEYフリークにとってこんなに嬉しことはありません。仕様はそのままになんとREV1/2カラーも2015年5月に発売予定です。
通常版は3月21日発売!ご予約受け付け中!
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