Rock oN Show Report : IBC 2013

Microtech Gefell

時代の流れに翻弄されながらもその中で頑に職人による手作業の技術を守り抜いたMicrotech Gefell。ラインアレイマイクKEM 975は単なる復刻版とは違う優れた仕上がり!


伝統あるメーカーMicrotech Gefellは第2次世界大戦後の東西ドイツ分割の際に、西ドイツにNeumann、東ドイツにGeffelということで分割された歴史を持つマイクロフォンの専業メーカー。

同社は社会主義国だった(元)東ドイツに残されたことにより、良い意味で往年の生産手法や設計手法を守り続けてこれた非常にクオリティーの高い製品の設計製造を行うことで有名です。元々の母体がNeumannということからもそのクオリティーは想像していただけることでしょう。

そこで見つけた新製品は、これがマイク!?と目追う違ってしまうような外観。これは過去にも成功を収めたLinearray Microphone KEM 970を現代の技術で蘇えらせたもの。

Linearrayというとスピーカーシステムでは当たり前になっていますが、マイクとなるとほぼお目にかかることがありません。このマイクは、Institute of Radio Technology in Munich(ラジオ技術研究所=IRT)との共同開発。IRTは世界でも有数の放送の基幹技術である「送出 / コーディング」の技術を研究する機関。その中で音響研究を行っている部門との共同開発になります。型番は、KEM 975と後継機種であることを感じさせる形式名称があたえられています。

筒状のLinearrayの部分と後ろ側に取り付けられたDelta Capsuleにより構成されるこのシステムは”Satelite”と呼ばれます。特徴的なDelta CapsuleはLinearrayシステムの弱点である低域を補う為に使用されバランスの良い収録を可能とします。もちろんLinearray部分もブラッシュアップしていて、ノイズの低減を実現する為に回路設計に変更がなされています。

このマイクでの収録音声は、web上でも確認できます。ご興味の有る方はぜひともそのサウンドをお試し下さい。非常にバランスのよいサウンドがのこされていることに驚かれることと思います。

こちらのページに視聴音源が有ります、左のBeispielをご確認下さい>>
http://www.microtechgefell.de/KEM_Option/IRT_Player.htm

Microtech Gefell

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