Rock oN Company ショー・レポート!AES 2012

Auro Technologies

最新のサラウンドはすでに3Dへシフトアップ!LとR、そして上下があっての立体感!AURO 3Dのデモを体験!


AURO 3Dとは、5.1chで始まったデジタルサラウンドの次世代規格。更なる臨場感を得るために高さの概念を導入し、最大で13.1chのサラウンド環境を提供します。

通常の5.1chもしくは7.1chのサラウンドスピーカーの上部に5chのスピーカーを配置、更に天井にシーリングスピーカー1chを設置してシステムを構成します。なので、スクリーンバックにはL、C、Rが2段重ねになり、合計6本のスピーカーがあることに。

そして、サラウンドスピーカーの上部に2ch分のデフューズのウォールスピーカー、シーリングも天井に複数のデフューズスピーカーが設置されます。

AURO 3Dの特徴は、なんといっても高い既存の5.1chシステムとの親和性。11.1chのサウンドをAURO Encoderでエンコードすると5.1chのWAV Fileとなるのです。そしてここが、AUROのすごいことろなのですがこのエンコードして出来上がった5.1chのFileはそのまま、5.1ch再生の劇場で使用することが出来るのです!もちろんAUROのシステムを持った劇場では、デコードされて11.1chで再生されます。

このエンコードの際に、そのまま下段のスピーカーに畳み込んでしまったのでは3dB大きな音声が出来上がってしまいます。そこでAUROのシステムでは、これを解消するためにエンコード時にトリムすることが可能となっています。今データは、メタとして保存され、エンコード時にその数値に添った音量で、デコードが行われます。

またシーリング・チャンネルに関しては、基本的に5ch全てに割り振られるのですが、デコードの際にはしっかりと復活します。なんとも不思議なエンコーダー/デコーダーですが、その詳細部分はやはり特許技術ということでブラックボックスの中。どんな凄い技術が収められているのか気になりますね。さすがは、次世代フォーマットと言うところでしょう。オブジェクトでの128chを実現するDolby ATMOS、平面での定位の最適化を目指すIOSONOらとともに今後の劇場音声の主軸となってゆくことでしょう。

そして実際のデモ体験ですが、DREAM WORKS制作のトレーラーを11.1chにて再生。上下の関係が出来ることでこれまで以上の定位感をが感じられるのはもちろんですが、音声の動きがより一層立体的になることで映像への没入感が格段に上がります。

やはり映像上であるべき場所から音が聞こえるというのは当たり前ながらも作品のクオリティを向上させます。また、楽曲音源もステレオと切り替えながらのデモでしたがライブ会場と同様の包まれ感と言えばいいのでしょうか、定位を「感じる」と言った印象です。なお、デモの最中に5.1ch→9.1chのエンコードの行き来を逆相で行いましたが、きれいに打ち消し合って全くのロスもなくエンコードがなされていることを目の前で実証してくれました!

ちなみに国内でのAURO再生設備を持った劇場は1スクリーン。韓国は9スクリーン。お膝元のヨーロッパでは、すでに30スクリーン以上がAURO生成に対応しているとのことです。高さの概念のあるシステムは、上から音がやってくるために言いままで以上の非常に高い臨場感を得ることが出来ることは、NHKのSHV(スーパーハイビジョン)でも体験済み。制作現場も日活撮影所が導入と、国内でも制作環境を含めて状況が整いつつあります。今後も導入が進むことに期待したいですね!

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