Rock oN Company ショー・レポート!AES 2012

晴れ渡る青空のもとサンフランシスコに降り立ったRock oNスタッフ!開催目前に続々と発表される新製品への期待を胸に、AES 2012 Arrivalをお届け!

お祭りムードで盛り上がるサンフランシスコで大御所の渋い美声と名演奏に酔いしれ、あのベイエリア屈指のマスタリングスタジオ Michael Romanowski Masteringを訪問!


さぁ、いよいよ今年もこの季節がやって参りました。AES San Francisco 2012 133rd Convention! 今年の舞台となる街はアメリカ西海岸カリフォルニア州のサンフランシスコ!

会場はサンフランシスコの中心に位置するMoscone Center。建物の合計はNorth、South、Westの3ブロックにまたがり、200,000平米(東京ドーム4つ分)以上の延べ床面積がある巨大な施設です。このうちMoscone WESTは、Appleのカンファレンスが数多く開催されることでも有名ですね。スティーブ・ジョブズの名プレゼンもこの地で産まれたのかと思うと感慨深いものがあります。

さて、到着当日ですがこの日はサンフランシスコにとって特別な一日でした!

何と米メジャーリーグのSanFrancisco Giantsが2年ぶりにワールドシリーズに進出!今日はその第2戦が行われており、老若男女からマネキンまで街全体がGiantsのチームカラーのオレンジ一色に!

試合のチケットはSOLD OUTでしたが、球場の熱気だけでも味わいたい!ということでホームスタジアムとなるAT&T Parkへ急行しました!

メジャーリーグファンならご存知の方もいらっしゃると思いますが、ここAT&T Parkはライトスタンド側が海に面しているユニークなスタジアムです。この海に飛び込む特大アーチホームランはファンの間ではスプラッシュヒットと呼ばれていて、それを待つ船が見られるのも面白いところなのですが、さすがにワールドシリーズ戦。

見てくださいこの船の数!お昼にも関わらず続々と集まっています。

スタジアム周りをウロウロしていたところ大発見!何と試合前練習が覗き見できるではないですか!

ここにテントを張ってまで観戦しようとするファンも出ているとか。

今日は木曜日のはずなのですが、ファンの力の入り具合に中途半端さは微塵もありません!そのかいもあり、この日の試合は投手戦の中 2-0でGiantsが勝利!2連勝でデトロイトへ向かうこととなりました。

バスの行き先までも「GO GIANTS!」と地元チームを最大限にサポートし、街全体が一体となる。極めてアメリカ的な地域コミュニティの絆を実感する瞬間です。

このあと、夕食後に向かったのが今年3月に素晴らしい来日公演を行ったLeon Russellのライブ。行われたのはSan Franciscoフィルモアストリートに位置するジャズクラブYoshi’sです。

オークランド店とサンフランシスコ店の2店舗を構えるYoshi’sは、Blue Noteなどをカジュアルにしたような大人のライブハウス。日本食レストランとラウンジバーが併設されていて、楽しい音楽と食事でカリフォルニア・ベイエリアの夜を楽しむことができるスポットです。

今月はほかにもEarl kLughやDavid Sanborn、Lonnie Liston Smithなど円熟味のあるジャズ/フュージョンの大御所によるステージがラインナップされていて、来場者の年齢層は高め。落ち着いたなかでじっくり音楽に触れる、そんなスペースです。

そして今回のメイン・アクトLeon Russellですが、ご存知ない世代の方もいらっしゃると思いますので少しばかり説明を。

Leon Russellは1942年オクラホマ州出身、セッションミュージシャンとして様々なプロジェクトに参加する傍ら、1968年からはソロ・アーティストとしても活躍。カーペンターズで有名なマスカレードやソング・フォー・ユーのオリジネイターとして知られるアーティストです。1970年代には自身のレーベルSHELTER RECORDSを運営、朋友Marc Bennoとのコラボ作品など数多くの名盤を発表しました。

さて今回のライブは昨年発表したElton Johnとのコラボ・アルバムThe Unionからの楽曲や、Rolling StonesやBeatlesのカバーも含め5人編成のバンドで進行。もちろん前述のマスカレードやソング・フォー・ユーもあのダミ声で熱唱!会場から大きな歓声が上がっていました!

サンフランシスコで聴くSwamp サウンドもなかなか気持ちの良いものだな、と一人納得の内容でした。

◎Michael Romanowski Mastering 訪問

一夜明け、マスタリングソフトウェアSound BladeをリリースするSonic Studio社のアテントのもとMichael Romanowski Masteringへ向かいます。

Michael Romanowski Masteringが入るCoast Recorders Buildingは、元々Universal Audioの創設者となるBill Putnam氏が1971年からCoast Recordersのレコーディングスタジオとして運営していた建物です。スタジオのルームアコースティックの設計等は当時のものを受け継いでいて、歴史的に見ても貴重な建物、スタジオとなっています。

 

そして、このスタジオのオーナーでありチーフエンジニアでもあるMichael Romanowski 氏のことも少しご紹介しておきましょう。彼は元々ナッシュビルでPAエンジニアとしてそのキャリアをスタートさせました。

その後録音スタジオのエンジニアとなった彼は1994年にカリフォルニア・ベイエリアへ活動の場を移し、マスタリングエンジニアのキャリアをスタートさせます。1999年にPlant Studiosでチーフエンジニアを勤め、2001年にはHyde Street Studios(Studio C)、そして現在のMichael Romanowski Masteringへとキャリアを進めました。

ここには2つのマスタリングルームがあります。ニッパー(左棚上:ビクター犬の本名)に出迎えられてロビーを通り、奥へ進んで最初の部屋がMichael Romanowskiのマスタリングルームです。

Focal Grand Utopia EM Monitors

モニターに映っているのはMetric HaloのミキサーソフトMIOコンソール!そう、ここMichael Romanowski Masteringにある2つのマスタリングルームには共にMetric Halo ULN-8がオーディオI/Oとして採用されているのです!

 メインコンソール。ULN-8から出力されたデジタル音声は、左最上部のPacific Microsonics Model 2(D/A)でアナログ信号に変換され、中央のEAR 825buzzaudio REQ-2.2などが入るEQセクション、そして右側のRequisite Audio LM2 MK IIIGML Model 2030が入ったダイナミクスセクションへ。そしてBricasti Design M7の上ある最上部のPacific Microsonics Model 2(A/D)を通りまたマシンへ戻っていきます。ちなみに中央一番手前にある黒い筐体のモニターコントローラーはMASELEC MTC-1

マスタリングソフトはもちろん世界標準のSound Blade

コンソール横にはなぜかAmpex102。話をうかがったところ、Michael Romanowski Masteringでは「Tape Project」という、古いマスターテープに収録された音源を最新の技術でマスタリングし、新たなテープへ収めたり、それを複製したりするサービスを行っているのだとか。アナログテープによるサウンドマジックを最善の形で蘇らせ保管する、素晴らしいサービスですね。

続いては笑顔が素敵なPiper Payneさんのマスタリングルーム。こちらも先ほどの部屋と同じく、マスタリングソフトにSound Blade、オーディオI/OにMetric Halo ULN-8を採用しています。

メインコンソールにはWeiss DS1(ダイナミクス)、 EQ1(EQ)、EAR 822(EQ)、Portico II Master Buss Processor(ダイナミクス)、Manley BACKBONE(モニターコントローラー)等がインストールされています。

彼女が絶賛するアナログターンテーブルと…

それ以上に大絶賛するインシュレーター(笑)ターンテーブルの下に敷いて使っています。グラファイトを始めとする複数の素材の組み合わせで、ターンテーブルの天敵であるローエンドの振動を逃がしてくれます。その性能が非常に優れているのだとか。

引き続き、Piper Payneさんに案内してもらったのが、ここの建物であるCoast Recorders Buildingに古くからある、ライブレコーディングも行える約40平米のスタジオ。もちろんまだまだ現役稼働中で、70年代初頭からの部屋鳴りや機材が残っているという非常にすばらしいスタジオです。

コントロールルームに鎮座するNEVE5088コンソールはなんと、かのスティービー・ワンダーと導入を競り合ったという逸話の持ち主。そのドラマチックなエピソードその結末については、現在絶賛制作進行中の「Proceed Magazine」最新号で掲載予定ですのでどうぞお楽しみに!

充実したアウトボードコレクション!ここでの作業は本当に楽しそう!カラフルなアウトボードが多く感じられるのは気のせいでしょうか。

スタジオの2階にはオープンリールテープのデュプリケート工場が。ここでテープの複製を行います。

さて、ここまで駆け足でお届けしたMichael Romanowski Mastering訪問はいかがでしたでしょうか。古き良き資産を大切に活かしながら、そこに最新の技術で改良を続けていくという、録音技術先進国アメリカならではのエンジニアリング。

その詳細がMichael Romanowski 氏と Piper Payne さんのインタビューとしても「Proceed Magazine」最新号でお伝えします!

AES 2012にむけて

 さあ、開催まで残すところ一日となりました、明日からはいよいよAES2012本番!SSLの最新コンソールDuality Pro-StationやPrism Sound Lyra、そしてSlate Pro Audioが発表したマルチタッチスクリーンのDAWコントローラーなど、ここでお披露目となる製品に期待がかかります!今年はどんなトピックスで我々を驚かせてくれるのか!?詳細なレポートで皆様へ最新情報をいち早くお届けします!是非ご期待下さい!!

余談:
ところで、いろいろと世間を騒がしているApple iOSのマップですが地元SFの3Dマップが秀逸!早くこのクオリティが日本で実現するといいですね。。。

1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars

現在、5点満点中、5.00点です。
この記事に対して、9名の方が採点に参加してくれています

Loading ... Loading ...
  1. 成都信用卡套现电话做信用卡套现生意信用卡套现方法大全
    成都信用卡取现 http://ykwinter.tumblr.com/

    成都信用卡取现 @ 2015年8月11日 6:48 PM

現地のレポート・スタッフ他、このサイトをご覧いただいている皆さんが楽しめるようなコメントをお待ちしております! (スタッフへの励ましのお言葉もお待ちしています!)


AES2012の記事を検索

ページの先頭へ戻る