Sonnox Oxford
まったく新しいプラグイン、Oxford SurprEssorを発表。単なるディエッサーではない!
AU/VSTに対応した事で一気に人気が爆発したSonnox Oxford(旧Sony Oxford)。社名を変更してからの記念すべき第一弾となる製品は、ディエッサープラグインのOxford Supressor。
ところが、スタッフから話を聞いてみたところ、これは単なるディエッサーではなく、非常に奥の深いプラグインである事に気づかされました。
製品の詳しい案内は、下記のビデオをみていただくとして、実際に聞いてみた個人的な印象を述べてみると…
まずボーカルに対しての利き方は、これまで聞いたどんなディエッサーよりもスムースなかかり方をします。かなりきつめの設定でかけても、コンプがかかったなぁというような息苦しさをまったく感じません。同社のOxford DynamicsやOxford EQに通じる一貫した「透明さ」は、ここでも同様の印象を受けました。
通常ディエッサーというと、高域の特定の帯域に対してかかる動作をするものですが、このSuprEsserは全体域で設定が自由なうえ、特定の帯域を追い込み、さらにリニアフェイズのフィルタリングを行うという処理を行ってるとのこと。
具体的には、ソースとなる音を監視しながら、問題のある箇所(帯域)のみに反応する動作をしているとの事です。通常のディエッサーではディエッシングの処理が行われたときに、その他の帯域まで処理が行なわれる(=音が変わってしまう)という現象が起こってしまいますが、このSurprEsserならまさに「その瞬間の、その帯域だけ」に対してかかるという驚くべき動作をしているという事になりますね。
画面には常にFFTディスプレイが表示され、問題のある極小の帯域を監視/赤いラインで表示。再生されている音をリアルタイムに目で追う事ができますので、処理をしたい帯域を直感的に絞り込む事ができます。
どうりで音を聞いてみると、これまでのディエッサー系プラグインでは、いわゆるサ行の音がでた時に「あ、コンプされた」という印象が否めませんでしたが、SurprEsserにはまったくそういう印象がありません。
帯域を設定すれば、ポップノイズ、リップノイズはもちろん、あらゆる楽器の突発的で耳障りなノイズをうまく抑える事ができます。実際、デモではボーカルの他にもギターにかけたものを聞く事ができました。
また、帯域を全体域に設定することで、2ミックスにも使用できるとの事。
音を潰すのではなく無数のダイナミックEQで瞬間的に抑えるという動作をするので、元音には影響を与えないという点で、まったく新しい製品といえるでしょう。