Stanton

Stantonから究極のPCDJ向けシステムと超便利スタンド、UBERSTANDが登場！

Stantonはカートリッジを主にしたDJ向けアイテムを扱うメーカーの老舗で、一時期はNative InstrumentsとともにTraktorも開発していました。以前は主にターンテーブルのカートリッジをラインアップしていましたが、ここ最近になりターンテーブルやCDJ等DJ機器全般を扱うようになりました。日本ではあまり普及していませんでしたが、KORGが国内での取扱を開始する模様で、これから目が離せないメーカーといえます。

そのStantonが今回発表した新製品は、PCを使用したDJ向けの究極のソリューションともいえる「SC System」。このシステムは『SCS.1d Deck』（写真右）というコントローラーと『SCS.1d MIXER』（写真左）というミキサー兼コントローラーの二種類から構成され、接続は全てFireWireで行います。
このシステムの特徴は、コントローラーがPCで扱うDJソフトウェアに依存していないところや、SCS.1d Deck2台とSCS.1d MIXER1台や、SCS.1d Deckを2台と既存のDJミキサーを組合せたり、既存のターンテーブルとSCS.1d MIXER組み合わせられるフレキシビリティさにあります。
SCS.1d Deckは言葉で難しいのですが、乱暴な言い方をすれば「CDのないCDJ」です笑。なんのこっちゃ、と思うでしょうが見た目はPIONEER等のCDJに似たインターフェースで、再生ボタンを押すとタイムコードをFireWire経由で送るようになっています（再生中は中央のジョグがレコードのように回転します！）。それだけではなく、エンコーダーやボタン、パッドもあり、MIDIコントローラーとしての側面も持っています。
SCS.1d MIXERは、見た目はごくオーソドックスな4chのDJミキサーで、マイク等も接続できるようになっています。各チャンネルには5つのノブとLED付きエンコーダーとフェーダーが１つずつありこれらが計4ch分あります。また、PHONO入力とLINE入出力を備えているおり、FireWireでPCと接続してオーディオI/Fとして使用できるようになっています。

こちらにもボタン・ジョグシャトル（ソフトウェア内で曲を探すときに重宝します）があり、PC使用を意識した構造になっています。
実際のセットアップ例として、SCS.1d DeckをFireWireでSCS.1d MIXERに接続し、SCS.1d MIXERをこれまたFireWireでPCに接続する方法がオーソドックスです。SCS.1d Deck側を再生するとPC内のオーディオファイルが再生され、ミキシングはSCS.1d Deckで行うことができます。
このシステムのすごいところは、アナログレコードを使う感覚でDJプレイできるのではなく、アナログプレイのフィーリングの良さを残したまま、ノブを駆使したPCDJならではプレイが高いレベルで融合されている所にあると感じました。ただ、LINE、PHONOの入力系統を増やして、SCS.1d MIXERをスタンドアロンの普通のDJミキサーとしても使えたら、もっとすばらしいデバイスになると思います。
なお、発売時期は5月頃とのことで、SCS.1d MIXERが$999、SCS.1d Deckが$499となっています。実はPCを使った似たようなDJシステムを考えていた筆者としてはちょっと悔しいですが笑、いまから実機を触るのが楽しみです。

STANTONはこれだけではありません。そのSC Systemの近くでスタンドを折り畳んだり拡げたりしているスタッフを発見。詳細を聞いてみるとUberStandというDJブース内で使用するスタンドの一種ですが、アルミ製で頑丈であるだけでなく折り畳んで鞄に収納することも可能。

（写真上：折り畳んだ状態）

（写真下：拡げてノートPC用スタンドとして使用している様子）

筆者はPCをクラブに持ち込んでライブをやることがあるのですが、クラブのDJブース内は大抵狭いため、ライブの度にターンテーブルに蓋をしてその上にPCを置いたりと毎回苦労しています。持ち運び可能なこういったスタンドがあればライブのセッティングも非常に簡単になるわけで、スタッフに「買うから今すぐ売って！」といいたくなる衝動を抑えるのに必死でした笑。

こういった「わかっている」DJアイテムを扱うSTANTON、いままで国内で流通していなかっただけにこれからの展開が楽しみです。

STANTON
http://www.stantondj.jp/