Steinberg
DAWソフトウェアとハードウェアの融合路線の進化系
古くはATARI(若い世代の方はご存じないかも)の時代からシーケンサーソフトを作り続けてきたSteinberg。他メーカーに先駆けていち早くMIDIシーケンサーにオーディオ機能を搭載し、現在では業界スタンダードとなったVSTやVSTiといったプラグイン規格を打ち出してきました。
そのSteinbergがYAMAHAに買収されてからはより一層ソフトウェアとハードウェアの融合をはかる方向へとシフト。YAMAHAから発売された、ミキサーとオーディオI/FとDAWコントローラーを兼ねたnシリーズなどはその象徴といえるでしょう。
NAMMショウのSteinbergブースでは、日本での発売も間近のNuendo4を強力にプッシュ。Nuendo4は長く待たれていたIntel-macやWindows Vistaへの対応を果たしたほか、ミュージックプロダクション向けに「Nuendo Expansion Kit」も登場。Nuendoからドラムエディタや一部のVSTi等Cubase4に搭載されている機能を拡張キットという形で有料化した分、Nuendoの本体価格が下げられ、よりポスト市場にターゲットを絞った展開を始めたといえるでしょう。
Nuendo4の主な特徴としては、Cubase4と同様に、VST3.0フォーマットへの対応(プラグインの並び替えがドラッグ&ドロップでできるのはやはり便利)や、探しているファイルに素早くアクセスできる「メディア・ベイ」機能、ミキサートラックの設定をプリセット化できる「トラックプリセット」等の機能を備えています。数え切れないほどのプリセットをジャンルや任意の項目でカテゴリ化して管理・呼び出しできるのはもはや最近のトレンドになったといえるでしょう。
今回の展示で目を引いたのは、ソフトウェアが単独で展示されていることがなく、Nuendo4がEuphonix MCと、Cubase4がYAMAHA n8との組合せと、必ずハードウェアコントローラーとセットで展示されていることでした。昨年のInterBEEでも、Euphonixのコントローラ・System5 MCとの組合せをハンズオンで体験できるデモコーナーが大人気でしたが、アメリカでもMCとNuendoの組合せは目を惹き人だかりができていました。
他のブースでもDAWソフトウェアとそのコントローラーがセットで使用されているケースを数多く見ましたが、個人的にはハードウェアのコントローラーを介してDAWソフトウェアの操作をすることで、DAWが単なるソフトウェアの枠を超えハードとソフトの融合化への道を歩み始めていると実感できる展示でした。
Euphonix / EuCon MC Mix…
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