Euphonix

アメリカ屈指のコンソールメーカーがコンシューマ向けコントローラー市場に参入！

今年で20周年を迎えるEuphonixは、ポストプロダクション、MAスタジオで使用されるハイエンドコンソールを製造している、アメリカのメーカー。ここハリウッドを支えるKEYメーカーです。音楽制作中心のユーザーにはあまりなじみのないメーカーかもしれませんが、今回、個人の手の届く、モダンな製品をリリースします。

昨年まで、Eu-conシステムのコントローラーとしてMC（日本では唯一ROCK ON PROが展示しています）がリーズナブルな製品として存在していました。筆者も実際に使用しましたが、コントローラー自体にPCを内蔵し複数のPCをスイッチ一つで切り替えて（モニターまで切り替え可能！）自由自在にコントロールできるコンセプトは非常に画期的であると感じました。残念ながらNuendo用ドライバの価格等様々な要因で個人レベルに普及するものではありませんでしたが…。

ところが、今回のNAMMショウでのEuphonixはひと味違いました。昨年から低価格コントローラーの噂はありましたが、とうとう満を持しての登場、その名も『MC Mix』と『MC Control』です！

写真で目をひくのが、AppleのiMacとKeyboardにマッチした、モダンデザインです。実際、今回のプロダクトデザインは、Appleの製品コンセプトに近い印象を受けます。モノトーンで、かつ非常に薄くスクエアー外見。そこからは、考えられないほどの多機能ぶりを発揮します。

まずは実際にEuphonixのプロダクトスペシャリスト、JCのデモをご覧ください！

MC Mixは、アップルの新型キーボードと組み合わせるとちょうど良いくらいの大きさ・デザインでイーサネットでPCと接続。8本のタッチセンスムービングフェーダーに8個のロータリーエンコーダー搭載、各チャンネル毎に6つのボタンを装備。各チャンネルの上部にはLCDによりチャンネルの情報を表示するようになっています。

フェーダーの感触も、一流コンソールメーカーと同じフェーダーを使用しているため実にスムーズ。ところが、ここまでで普通のコントローラーと思ったらまだ甘い！

MC Mixの特徴として、エンコーダーにプラグインのパラメーターを自由にアサインしてコントロールすることもできます。いわば、Pro Tools HDのICONシリーズに搭載されているカスタムフェーダーのEuphonix版ともいえるでしょう！

さらに、複数のDAWを切り替えて使うこともできます。たとえばLogicで作業をして、アプリケーションをFinal Cutに切り替えた場合、フェーダー等の位置も自動的にFinal Cut内のフェーダー位置に反映されます。アプリケーションをLogicに戻せばもちろんLogicのフェーダー位置が反映。この複数DAWでの切り替え作業のスムーズさはEuphonixならではものといえるでしょう。

このMC Mix、発売は3-4月頃を予定していて、USでの価格は小さなボディにこれだけの機能を詰め込んで$999です！日本での価格・発売は未定ですが、是非とも夏頃には個人レベルでも買える値段で発売してもらいたいものです！

もう1機種、MC Controlはフェーダー4本・8つのロータリーエンコーダーに加え、ジョグダイアルとカスタマイズ可能なTouch-Screenを搭載。

このタッチパネルは、スクリーンをタッチしてチャンネルの選択したりオートメーションモードの変更、EQのパラメータ設定ができます。それだけでなくMCと同様に画面内のボタンにマクロコマンドの割当が可能であったり、快適にDAW操作できるスグレモノです。

また、MC ControlにはEuphonixの「Studio Monitor Express」というソフトウェア経由してモニターコントロールができたり、ボタン一発でアプリケーションやPCの切り替えまで可能です。その他にもMC Controlに搭載されている機能はほとんど網羅されており、もちろん、MC Controlでできるエンコーダーへの自由なコントロールパラメーターのアサインも可能です！

このMC Controlも発売は3-4月頃で、USでの価格$1499。もう初回ロットは予約でいっぱいだそうです！日本での価格・発売はこれまた未定ですが、実勢価格で20万円を切ったら・・・こんなに魅力的な製品は、他に有りません。

MOTUブースやUniversal Audioのブースにも既にMC Mixが使われており、他メーカーもこのコントローラーに注目していることが伺えます。コンシューマのレンジとはいえ、業務用コンソールの雄がリリースするコントローラーなので品質面では申し分ありません。価格面も含め、個人的にもMC MixかMC Controlどちらを買おうか、価格さえ安くなれば思い切って両方買ってしまおうか、悩んでしまいそうな新製品です。

EuphonixブースはこのほかにもSystem 5MCの展示も行われていましたが、話題のほとんどはこの2機種が独占していました。今後の展開が非常に期待できる製品です。
※なお、Windowsへの対応は現時点では未定とのことです。

Euphonix
http://www.euphonix.com/