GForce / GMEDIA Musicより新製品多数新発売
M-TRONの最新版Mega Tronを含め10種を超えるソフトウェアを発表

 テープならではの揺れや汚れの残し具合が絶妙で、「メロトロンものとしては、最高の出来」と高い評価を得ているVSTインストゥルメント「M-Tron」で有名なGMEDIAは、自社開発製品だけでなく、同じイギリスのFXpansionや、フランスのOhm Force製品のパッケージングを行い、「GForce」ブランドで販売するらしく、12種類以上のプラグインのデモを行う、注目度の高いブースになっていました。

 Mega TronはGMEDIA Musicオリジナルの、メロトロンシリーズ最新作。M-TronやTape Banks Vol.1/2を超える量のテープバンク(64種類)を収録した他、フィルター、エンベロープを調整するフェーダーや、ベロシティに反応するモードを追加するなど、「M-Tron」ユーザーのリクエストに答えています。「M-Tron」では専用フォーマットだったテープバンク素材が、今回からWAVファイルになったので、Mega Tronで再生する他、EXS24、HALion、Kontactなどにインポートして使えば、さらに複雑なエディットも可能でしょう。

 Oddityは、Ohm Forceとの共同開発による、VSTインストゥルメント。2つのオシレータのチューニングをずらすと思いもかけない倍音を発生するリングモジュレータや2オシレータのシンク機能、サンプル&ホールドなどArp Odysseyならではの音のふるまい方を再現するだけでなく、プリセットを変えると次のプリセットにだんだん変化していくモーフィング機能など、最新の技術を導入しています。初期YMOやヘッドハンターズ時代のハービーハンコックの好きな人には、たまらないVSTプラグインでしょう。(RTAS/MAS/Audio Unitsにも対応予定ということです。)

 こうしたインストゥルメント系にも増して、インパクトのある音を出していたのは、Ohm ForceによるプラグインのQuad Fromage。開発者が、シャーマンのフィルターバンクを見た時に制作を決心したという、フィルター系プラグインですが、その音のバリエーションは開発者でも「触るたびに、新しい音を発見する」というほど幅広く、デフォルト状態のOddityのシンプルな音にかけたデモを行っている間にも、ワイルドに発振する音、スムースでなめらかな音からブチュブチュブチュと泡立つ音までを生み出して、「これはいい!発売時のプリセットに採用しよう!」と設定をセーブしていたほどです。Quad Fromageはシリアル、パラレルなど自由に接続可能な4機のフィルター(ローパス/ハイパス/バンドパス)を統合したプラグインですが、各パラメターをクリックするだけでかけることのできるLFO、エンベロープフォロワー、各フィルター間で設定可能なディレイなどにより、想像もできない音を再生するこが可能です。これを見ると、ソフトサンプラーを使う時、ソフトサンプラーのパラメターは一切使わないで、エディットは全部「Quad Fromage」に任せたほうが良いのでは?、と思わされるほど強力なプラグインでした。