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2nd Day Report / Roger Nichols
Roger Nichols その名の通りデティールを際立たせるプラグイン、Detailerの誕生秘話!

MR-1000先日、日本でもダウンロード販売がはじまったRoger Nichols Digitalプラグインのブースでは、新製品Detailerを中心にデモを展開していました。 Detailerは、その名の通り、ミックス素材の「ディティール」を鮮明にしてくれる、新しい発想のプラグインです。...といっても、実際の開発は古く、1992年にさかのぼるそうです。 「ベース、ギター、ピアノと各楽器のトラックは鮮明に録音できているのに、トラックを重ねていくと音が団子状になる」という問題に、パンニングやEQより適切な方法があるのではないかと考えていたロジャー・ニコルズは、人が「この音はギター」、「この音はバイオリン」と音色を認識する要素として「倍音が鍵だ」ということに着目して、倍音構成にかんする研究を行ったそうです。
それまでにも、スティーリーダンのアルバム「ガウチョ」を制作していた時に、ドラム・リプレイス・マシン「Wendel」を開発するなど、独自のソフトウェア、DSP、コンピュータを組み合わせたオリジナル機材を開発していたロジャー・ニコルズは、この時も、倍音構成と楽器音認識に関する研究を生かしたハードウェアを完成させた、ということです。 それが、今回のプラグインのもとになった、ハードウェア版のDetailerとなり、そのとき以来、マスタリングを手がけたドナルド・フェイゲンのソロなど、ミックス、マスタリングを手がけた作品の「すべてで使っている」ということです。 このプラグイン版でも「各楽器の音が鮮明になる」という効果は絶大で、Mid/Hiと分割されたDetailフェーダーを、ほんの2、3ステップあげるだけで、キック、スネアのヘッドと胴、ハイハット、ギター、ボーカルといった各要素がビビッドによみがえるのには、驚きました。

ロジャー・ニコルズについて
http://www.minet.jp/rnd/about/

Detailer(英文)
http://www.rogernicholsdigital.com/Detailer/Detailer.htm