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モーリー・ロバートソン
アメリカ、ハーバード大学で電子音楽を専攻。『西海岸型』のBuchlaやSerge製のモジュラー・シンセサイザーに学生時代から触れる。1990年代からは東京在住、J-WAVEの深夜番組で数多くの現代音楽を紹介し、番組の中に即興のジャムセッションを取り込む。ロックバンドを引き連れて韓国、中国へのアポなしツアーも実行。2000年代後半から次第にクラブ・ミュージックに造詣を深め、クラシックな電子音楽のメソッドをダンス・ミュージックに取り入れるようになる。

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音楽制作にあたって、今年一番感動したプロダクトは何ですか? その選定理由やご自身ならではの活用ノウハウを教えてください。

Buchla Music Easel

1970年代に限定生産された機種を完全に復元。

アメリカのモジュラー・シンセサイザーの老舗「Buchla」社が発表した小型シンセ「Music Easel」が何と言っても印象的でした。1970年代に限定生産された機種を完全に復元。音を出す部分は70年代のままな。使えるようになるまでリテラシーを求められますが、一度音が出せるようになると音の深みがわかります。

http://buchla.com/shop/music-easel/

動画チュートリアル : Buchla Music Easel Quick Start & Overview:
http://youtu.be/q_gu7xZXyFM

また、デジタルの時代に向けてアップグレードもされています。アルペジエーターにMIDIクロックを受けることができるので、DJソフトと同期させることも可能。さらに「iProgram card」というカードを本体に挿すと、iPadからコントロールすることができ、パッチのメモリ保存もできます。

iProgram card :
http://buchla.com/shop/buchla-music-easel-iprogram-card/

モジュラー・シンセサイザーは現在、ユーロラックのプラットフォームで世界的な盛り上がりを見せています。リバイバルというよりは、新規参入するメーカーの多さでシーン全体が進化しているといえるでしょう。ソーシャル・メディアを使ってノウハウや新しい使い方が共有され、メーカーも敏感にレスポンスをしていることが成長のエンジンになっています。これからモジュラーはスタジオ・ワークにも浸透すると思われますので、要注目です。

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Saitara Software AC-7 Core HD

その選定理由やご自身ならではの活用ノウハウを教えてください。

オシレーターが元祖・本物。他の追随を許しません。インターフェイスにそれほど自由度が無いことも、創作の上でプラスになります。いつかITベースのツールと統合したワークフローを作りたいと思っています。また、この小型シンセはライブ演奏用に設計されているので、パッチを組んだままでも気軽にライブ会場やスタジオに運べます。

「こんなのあったらいいな。」と思う製品があればご提案ください。

日本のメーカーや個人のデザイナーにも新たなモジュラー・シンセのシーンに参入していただきたいところです。従来の価値観とはおよそ異なる新たなマーケットが出現しているので、そこにものづくりの蓄積を活かし、攻めの姿勢で進出すれば歓迎されると思います。日本発のシンセで奇想天外な音が数多く生まれることを期待しています。