R:この度はNAMM前日のオフィススペシャルツアーに加え、今日も貴重なお時間をいただきありがとうございます。
マーカス氏(以下M):こちらこそ、皆さんとお会いできて光栄です。
R:まずLine 6のプロダクト開発についての質問ですが、シリアスなギタリストや趣味で演奏する人達、ライブサウンドを扱うミュージシャンといったセグメント単位のマーケット戦略の中で、どのような方針でプロダクト開発をされているのでしょうか。
M:そうですね。Line 6の始まりでもあるギタープレイヤーのためのテクノロジー開発と提供はやはり一番重要だと考えています。もちろんライブサウンドやレコーディング、パフォーマンスなどのカテゴリーも同じように重要ですが、ギターカテゴリーはやはり特別な存在ですね。
R:なるほど。以前サイモンさんはユーザーフィードバックからの課題解決からプロダクトの開発が始まると言われていましたが、その点は同じ考えでしょうか。
M:はい、Line 6にとって最も重要なのはユーザーにソリューションを提供することだと考えています。Line 6の社員のほとんどはLine 6プロダクトのユーザーで、自分たちが使いたいものは何か、さらにWEB上の『idea scale』から寄せられる様々な意見を集めることで、Line 6ならではのソリューションを提供することが重要だと考えています。
R:アイデアスケールからアイデアが出た後、製品化へ最終決定する上で重要視することは何でしょうか?
M:最も重要なのはミュージシャンが持つ課題を理解することです。それに対してソリューションを提供すること。まずどこに問題があり、どう解決するのか。そのためのプロダクトであるかどうか。例えば過去においてはGuitar Port開発の際にネットワークでシグネイチャープリセットを追加提供する発想が出ましたが、それもテクノロジーファーストのアイデアではありません。手軽にアーティストサウンドを追加したいという要望に、どう答えるか、その解決策としてネットワークというアイデアが形になったものなんです。
R:カスタマーファーストな発想からプロダクトが作られているんですね。今回のNAMM 2015でもRELAY G70などユーザーボイスを上回る提案を見せている素晴らしい製品が多数登場しています。中でもYAMAHAとのコラボレーションモデルVariax Standardの素早い登場が目を引きますね。YAMAHAとの今後のコラボレーションに関してはどのように考えていますか?
M:そうですね。私たちはとてもポジティブに考えています。Line 6よりもずっと大きな会社で、素晴らしいスタッフ、テクノロジーがあります。Steinbergとのコラボレーションなども、とても興味深いですね。
R:私たちもSteinbergのインターフェースやソフトウェアとLine 6のテクノロジーは相性がとても良いのではないかと勝手な意見ではありますが期待しています。
M:逆にLine 6プロダクトに期待することはありませんか?
R:ではギタープロセッサーについてですが、Line 6にとってフラッグシップとなるような、高価格帯のギタープロセッサーに期待しています。またLive SoundではStageScape M20dの技術とYAMAHAミキサーがリレーションした手軽な価格帯で高いユーザービリティを持ったコンパクトミキサーが登場することにも期待しています。
M:ありがとうございます。興味深い意見ですね。またギタープロセッサーに関しては、従来のモデリング技術が完成したとは私たちも考えていません。現在もよりハイクオリティなモデリング技術を現在開発しており、今年はその期待に応えられるプロダクトが出せるかもしれません。
R:とても期待しています。ありがとうございます。
※Line 6ツアー並びにインタビューの詳細な模様は、2015年Proceed Magazine Summer号にて掲載予定! ご期待ください!
Writer.Takemoto
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