Winter NAMM 2015 で発表となったPro Tools 12/ First。その詳細を特集記事としてまとめました。
先ずは、無償での提供となるPro Tools First。フルバージョンであるPro Tools HD、Pro Toolsとの比較表を作ってみました。クリックすると詳細が更に表示されます。
メーカーサイトの比較表はこちら>>>
http://www.avid.com/US/products/pro-tools-software-comparison-table
トラック数、I/O数などが大きく違いますが、ホームスタジオでの簡単な作業と考えれば16track、4 I/Oというスペックは実は十分なスペックではないでしょうか?Expand!2も付属するのでMIDI Keyがあればすぐに音楽を始められますね。
詳細ははっきりとしない部分ですが、セッションの最大数というスペックが新しく出現しています。
Pro Tools Firstに関してはここが「Three; projects stored in the cloud; additional projects may be purchased from the Avid Store in the near future」これを直接的に読みとくと、3つまで、保存先はクラウドのみ。となります。更に多くのプロジェクトを保存したい場合にはAvid Storeで拡張するための何かを購入ということになります。
DAWとしての機能は十分ですが、ここが大きな制約となっているのかもしれません。
と言ってもフル機能のPro toolsを無償で使えるということは大きな価値があると言えます。Pro Toolsをさわってみたいという方も先ずはお試しとして気軽に使えるというのはメリットですね。2015 Q1リリースということですので、3月までには公開される模様です。楽しみですね!!!
もう一つのPro Tools 12での変革はSubscription License。日本語で言えば期限付きの使用権となります。Pro Tools 12では従来の永続ライセンスと共に期限付きのライセンスの形態(1年間と1ヶ月が用意されるということ)が追加されます。
永続ライセンスは、今までと同様に購入した時点でのバージョンのライセンスが永続的にご利用いただけます。そしてここからが、今まで違うところなのですが、購入時に1年間が貸与されるサポートプランを毎年リニューアルすることで、無償アップグレード及び年間サポートを継続することが可能です。リニューアルを継続購入しない場合でも、ご使用のバージョンのPro Toolsをそのまま使用することは可能ですが、ソフトウエアアップグレードを行うことはできません。
サブスクリプション・ライセンスの場合には期間が切れればライセンス自体が失効してご利用いただけなくなりますが、その期間内のバージョンアップ等は全て無償で受け取ることが可能です。
Pro Tools HD 12のライセンスに関しては、従来単体販売をしていなかったということも有り、今後の情報を注意深くご確認下さい。サポートプランによるバージョンアップの提供となるということはすでに発表されていますが、今後のAvidの方針の決定をお待ちください。
また、Pro Tools 12の新機能の柱であるCollabrationとMarket Placeに関してのAvidからのリリースを転記します。詳細はプレゼンでも語られなかったため今後の機能追加予定としてご覧いただければと思います。
Pro Tools 12では柔軟なライセンス・オプションを導入
Pro Tools 12は、新しい柔軟なライセンス・オプションを提供します。カスタマーは、月々わずかな価格でサブスクリプション・ライセンスを購入したり、または永続ライセンスを購入することができます。ユーザーはこれらの新しいライセンス・オプションにより、ソフトウェアのアップデートや機能の追加があれば、リリースと同時にクラウド経由で無償で入手してソフトウェアを常に最新に保つことができます。この柔軟なライセンス形態によりアーティストは、業界のトッププロが使用するものと同じツールを手頃な価格で手に入れることができます。
Avid Cloud Collaboration機能
Avid Cloud Collaboration機能は、Pro Toolsユーザーがクラウド環境にて他のPro Toolsユーザーとまるで同じスタジオにいるかのようにセッションを一緒に作曲、録音、ミキシングすることができる画期的なコラボレーション機能セットです。他のアーティストとセッションでコラボレーションするには、内蔵のチャットを使って招待したり、Avid Marketplace Artist Communityを通じて新たな協業者を探すことができます。一緒にやりたいアーティストがPro Toolsを使っていなくても、Pro Tools | Firstをダウンロードするだけですぐに一緒に仕事を始めることができます。
Pro ToolsのAvid Cloud Collaborationの主な特長と機能:
- セキュアで簡単なセットアップ: セッションをクラウド・ストレージ空間にアップロードして、他の協業者を招待
- 完全統合されたコラボレーション: 同じセッションを同時に作業する、またはオフラインで作成してPro Tools内で直接更新を共有
- 包括的なワークフロー: オーディオおよびMIDIトラックを共有、編集、ミックスの変更、自動化など
- プロジェクトおよびメディア管理の簡素化: 自動でカスタマイズ可能なメタデータのタグ付けにより、プロジェクトの全参加者およびバージョン変更のトラッキング
- 内蔵コミュニケーション・ツール: テキストまたはビデオのチャットで、Pro Toolsから協業者と直接対話
Avidマーケットプレイス
Avidマーケットプレイスを通じて、Pro Toolsユーザーはアーティストのコミュニティに参加し、必要に応じて新しいプラグインやアプリケーションを取得、グローバルなプラットフォーム上で作品を簡単に保存または共有できます。
Avidマーケットプレイスにより可能になること:
- 新しい人材を探し、新たな協業を開始: Artist Communityでは、メディアのプロフェッショナルや企業は誰でもプロジェクトに必要なスキルや専門を持つ人材を探し、仕事関係を開始することができます。
- プラグインやアプリケーションを即座に取得: Avid App Storeにおいて、アーティストは自身の制作ツールから直接最新のプラグインやアプリケーションを探し、直ちにダウンロードすることができます。
- 作品を保存し、世界と共有: Avid Content Marketplaceでは、潜在的購入者の幅広いネットワークで作品を共有することで、新たな収益の可能性をアーティストに提供します。ライセンス手続きや権利契約は全て自動テンプレートで処理します。
Avidは、AvidマーケットプレイスおよびPro Tools内のアプリから、17種類の新しいプラグインと9つのプラグイン・バンドルの購入が可能になったことについても発表しました。これで、Pro Tools | First、Pro Tools、Pro Tools | HD用に60以上のAvidプラグインおよびバンドルがアプリ内課金で購入できるようになりました。新たに加わる主なバンドルは:
- Eleven Effects バンドル —多くの人気アナログ・ギター用ストンプ・ボックス・エフェクトの電気回路とデザインに倣い作られた17種類のAvid AAX Native、DSP、AudioSuite 64-bitプラグイン・エフェクト集
- Pro Series バンドル — AAX Native、DSP、AudioSuite 64ビット・フォーマットに対応する人気の高い5つのAvid Pro Series プロセッサーを全て含んだ、50%以上お得なバンドルセット
- First Distortion バンドル、First Reverb Delay バンドル、First Guitar Bass バンドル、First Modulation バンドル、First EQ Dynamics バンドル、First AIR Effects バンドル、First AIR Instruments バンドル — 新しいEleven EffectsやAvidプラグインから選別したものを含み、Pro Tools | Firstユーザーがより豊かな音、複雑なミックスを作成するために必要なプロフェッショナル・ツールを提供
販売と価格について
Pro Toolsソフトウェアのサブスクリプション・ライセンスおよび新しいライセンス・オプションは、2015年2月に販売を開始する予定です。
- Pro Toolsソフトウェア月契約サブスクリプション・ライセンス(アップデートおよびサポートを含む1ヶ月間のライセンス・サブスクリプション)は$29.99/月より。日本国内での価格は未定です。
- Pro Toolsソフトウェア年間アップグレード・プラン(12ヶ月間のアップデートおよびサポート)は¥21,900(税別)より。
- Pro Toolsソフトウェア年間サブスクリプション(アップデートおよびサポートを含む12ヶ月間のライセンス・サブスクリプション)は$299より。日本国内での価格は未定です。
- Pro Tools | Softwareの永続ライセンス(12ヶ月間のアップデートとサポート)は¥105,000(税別)より
新しいプラグインおよびバンドルは、Pro Toolsのアプリ内課金でAvidマーケットプレイスからご購入いただけます。
Writer.yousuke
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