Dave Smith Instrumentsのブースを訪れると予想だにしないマシンが置いてありました。
Winter NAMM2015開始直前にDSIが画像を小出しにしており、てっきりPRO2のラックバージョンが出展されると思っていたので、本当に驚きました。
そしてそれよりも私の目が釘付けになったのは本体に鎮座する「SEQUENCIAL」の文字です。どこにもDave Smith Instrumentsの文字がありません。SEQUENCIAL CIRCUITという社名はYAMAHAに買収されており、使用できないのでは。。
またデザインがSEQUENCIAL CIRCUIT Prophet-5に非常に近く、Prohet12やPRO2に見られるような現代的なルックスではない点も、何かを物語っているようでした。
ここで非常に心温まる話を耳にしました。
2013年、Dave Smith氏とRoland創業者の梯氏がグラミーアワードの「テクニカル賞」を受賞しました。
二人は30年前に今や音楽制作に不可欠のMIDI規格を制定。その貢献が讃えられ受賞となりました。特に梯氏の受賞は同賞の日本人個人での受賞は初めて!
梯氏のお名前通り、音楽の「架け橋」となるMIDI規格を世に送り出した意義は計り知れません。両者は受賞をきっかけに縁ができました。
そして2014年、RedBull Music Academyの企画で来日したDave Smith史は梯氏と再会。
その後、梯氏の働きかけもありYAMAHAが所有権をDave Smith史に譲ったとの事。しかも無償で。
この3つのシンセメーカーの熱すぎる熱意によって生まれたのが、このSEQUENCIAL Prophet-6なのです!
ほっこりしてしまった所で機能をチェックしてみましょう。
Dave氏ご本人が快くデモンストレーションを引き受けて下さいました。
それでは機能の速報です!
Prophet-6はその名のとおり6voiceのアナログポリフォニックシンセです。近年のDSI ProphetやPro2はDSPベースのオシレーターを搭載した言わばいハイブリッドなアナログシンセでしたが、Prophet-6はオシレーター、フィルター、アンプにフルディクリートアナログ回路を採用。正真正銘のVCO、VCF、VCA構成です。
VCOが生み出すノコギリ波、三角波、パルス波はこの新設計のフルディスクリート回路を通り、Prophet-5にインスパイアされた4PoleのLPFと、2PoleのHPFでプロフェットサウンドにシェイプされます。
Dave Smithらしく、オリジナルを凌駕する新機能が多数備わっています。中でも最大64ステップのポリフォニックシーケンサーの搭載は大きいですね。アルペジエイター同様外部MIDIクロックに同期可能です。
さらにエフェクトはステレオのアナログディストーションと24bit/48kHzのデジタルエフェクト(リバーブ、ディレイ、コーラス、フェイズシフター)を搭載。このエフェクトのチョイスもDave氏ならではですね。
気になる価格はまだ未定で、発売時期はセカンドクオーターとの事なので6月でしょうか。
これは期待できます!
Writer ACID渋谷
Writer.Shibuya
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