NAMM2014 の会場 アナハイム コンベンションセンター近く、某ホテルの一室に設けられたUniversal Audioセールスルームで出会ったUniversal Audioの超ド級New Products「Apollo Twin」!
Universal Audioといえばこの方、同社Internationals Manager “ICHI”ことYuichiro Nagai 氏によるプレゼンテーションをお届けいたします!
Apollo Twin 概要
1. シンガーソングライター/トラックメイカー/プレイヤー など、
ホームユーザーに向けた10in / 4 out Thunderbolt オーディオI/F(最大 24bit / 192 kHz)
2. SHARC DSPと Thunderbolt が可能にしたリアルタイムUADプラグイン
3. DSPチップの搭載枚数による Apollo Twin SOLO、Apollo Twin DUO の2ラインナップ
4. マイクプリアンプモデリング「UNISON」機能を搭載
5. 大型ダイヤルによるモニターコントローラー
6. 最新 Thunderbolt ドライバを採用。歴代最高の低レイテンシーとハイパフォーマンスを実現
まずは一見にしかず。録れたてホカホカのムービーをご覧ください!
ICHI氏の動画を元に、プレゼン資料も含めながらさらに詳細まで見て行きましょう。
コンセプト
上位機種のApolloはスタジオエンジニア向け。Apollo 16はエンジニアやシンセサイザーなどの楽器の入力数が求められるプロデューサーに向けて開発されたオーディオI/Fでした。
そこに登場したApollo Twinはシンガーソングライターやギタリスト、トラックメイカーのようなホームユーザーのためのApolloシリーズ最新のオーディオI/Fです。
In/Outの構成は、リアパネルに2つの高性能マイク/ラインプリアンプ、マスターアウトを含む4つのラインアウトと、入出力はホームユースにちょうどいい構成が選ばれました。OPTICAL INはS/PDIF 2chとADAT 8ch 合計10chを拡張できるという機能が備わっています。
ホームユーザーがこだわるヘッドホンアウトは独立した DAC を採用。可能な限りの高音質を叶え、さらにはDAW内でも独立したアウトプットとして機能します。
ギタリストがこだわるHi-Zインストルメントインプットもフロントパネルに搭載。思い立った時、いつでもサクっとここにギターをプラグインしてすぐレコーディングが始められるのは嬉しいですね。
ホームユース…。とはいえApollo Twinは、オーディオI/Fの音質を決めるアナログ回路にハイエンド製品と同等のパーツを採用。一切の妥協の無いApolloの名を誇らしめる製品だと言えます。
昨今のUniversal Audio社のマーケティングの鋭さには舌を巻くものがありますが、プロエンジニアから(まさかの)ホームユーザーまでを包括するApolloシリーズのラストピースがこのApollo Twinです。
リアルタイム UADプロセッシング
味わいのあるサウンドを作り上げるために欠かせない、アナログアウトボードをソフトウェア上で再現するUADプラグイン。それはオンボードの SHARC DSPがプロセッシングするため、ホストCPUにほぼ負荷をかけることなく使うことができます。
さらにApollo Twinは、Thunderbolt接続による超高速伝送により、トラッキング(レコーディング)時のほぼゼロレーテンシー(2ms以下)のよるリアルタイムUADプロセッシングが可能です。メーカー公称「限りなくゼロに近いレイテンシー」は、楽器演奏やボーカル録音時のかけ録りにも対応します。
Apollo Twinのラインナップは2種類。SHARC DSPを2つ搭載するのがApollo Twin DUO。1つ搭載するのがApollo Twin SOLOです。使用するUADプラグインによってはDSPパワーを大幅に消費するものもあります。SHARC DSPは後々増設することができないため、Rock oNはDUOモデルを断然お勧めします。
Apollo Twin には新しく”Realtime Analog Classics bundle”というUADプラグインバンドルが付属します。これまで有料だったUADプラグインの中で人気が高く、ミュージシャンに向けたセレクトされています。(内容は上の画像で確認してくださいね)
さてここで気になるのがこの度新たに登場した「610-B Tube Mic preamp plug-in w / Unison」です。
アナログとデジタルの共演。マイクプリモデリング「Unison」
「Unison」はApollo Twinで初めて搭載された、アナログとデジタルのハイブリッドによるマイクプリアンプモデリング技術です。
マイクプリアンプはコンデンサーマイクなどから出力される微弱な電流をラインレベルまで増幅させる目的の装置ですが、名機と呼ばれる物の中には、サウンドに独特の味わいを負荷するものも多く存在します。
これまでその挙動を再現することが極めて困難だったマイクプリのモデリングを可能にしたのがこの「Unison」機能です。
その仕組を説明しましょう。
Apollo Twinに搭載されているマイクプリアンプは、接続されたマイクのインピーダンスやゲインステージ情報をキャプチャーする機能を持ちます。
その情報を元にDSPがアナログプリアンプ(この場合は610-B )の挙動をシミュレートするのですが、この時Apollo Twinのアナログ入力ゲインが一定レベルに達するとDSPが連動してアナログライクな音色付けをする、という働きをします。
(回路に組み込まれた抵抗値を切り替えて、ビンテージの音色をシュミレーションしているとのことです)
つまりはアナログ領域のゲインに合わせて、ソフトウェアで音色に変化を加える。アナログとデジタルがそれぞれ連動してマイクプリをシミュレートしていること(ユニゾンしている)ということになります。
★そして特別な情報を。Apollo Twinには上位機種のApolloと同じパーツが採用されていると言いましたよね。もちろんマイクプリアンプも同じ…。
これはつまり、ApolloにもUnison機能が予め用意されているということなのです!今後のソフトウェアバージョンアップでの対応が期待できますよ!
世界の名機、入手困難なビンテージ機のサウンドがDAW上で再現される…。レアで高価なマイクプリを指を加えて見ているのはもう過去の事になってしまうのでしょうか。その実力はRock oN渋谷店の店頭で確かめて下さい!この記事をあなたが読んでいる瞬間、もう店頭でApollo Twinは稼働しています!
モニターコントローラーで最善のモニタリングを
理想的なモニター環境に必要でありながら、気にされないことも多いモニターコントローラー。Apollo Twinのボディ中央にセッティングされたダイヤルはデジタル制御のアナログ領域ボリュームコントローラーです。
一般的にモニタースピーカーのボリュームを上げ下げする場合、DAWやオーディオI/O内のソフトウェアミキサー(デジタル領域)で済ませてしまう方もいるのではないでしょうか。
しかしデジタル領域でのボリューム調整は楽曲の解像度を下げることになります。モニタリングのクオリティに最大のクオリティを求めるならば、高い S/N比 を誇る高品位なアナログ領域でのボリュームコントローラーが必須となります。
新開発Thunderboltドライバー
これまでのApolloはUADとオーディオの伝送にFirewireとThunderboltを併用していましたが、Apollo Twinのから搭載される新ドライバーは両方共にThunderboltが使われます。これによりApollo Twinは歴代Apolloシリーズの中で最も低いレイテンシーを実現しています。そして最新Mac Proに搭載されているThunderbolt 2(上り下りそれぞれ20Gbps)にも対応です。
この新ドライバーは間もなくApolloとApollo 16用としてもリリースされる予定とのことなので、ユーザーのみなさんもお楽しみに待っていてくださいね。まだの人はそれまでにThnderboltオプションカードを買っておいてくださいね。
コンセプトやプライスレンジはホームクラスでありながら、その中身はNAMM2014発表時点で上位機種を上回る実力を持つApollo Twinの登場。さらにあなたがこの記事を読んでいる瞬間、Rock oNで手に入れることができるというサプライズまで用意されていました。
UADから始まったUniversal Audioのデジタル戦略。鋭いマーケティングによる時代のニーズに応える製品開発には舌を巻くものがあります。NAMM2014で表れたApollo Twinは、上位機種顔負けのトータルスタジオソリューションシステムとして、ワークフロー、しいては作品のクオリティにまで最善の影響を与える次世代の製品であると言えるのではないでしょうか。
こちらはNAMM2014 会場 Universal Audioブースで行われた、Bill Putnam jr.氏(CEO)によるApollo Twinのプレゼン。
APOLLO TWIN / SOLO ¥ 78,750
APOLLO TWIN / DUO ¥ 99,750
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