総括(岡田):新型MacProに伴う変化を予測もアナログ機器の力強さに驚き!
こんにちは。レポーターの岡田です。
今回のNAMM2014ではまず最初にEASTWEST Studioをはじめ数々のハリウッド所在のスタジオ訪問、一線級の方々から様々なお話を伺うことができました。それらはWinter NAMM2014 : Arrival レポートとして公開していますが、今後の音楽業界自体の行く末を予想する上で大変参考になるコメントが多く、如何にして音楽ビジネスを新たな潮流として作り直すかに皆さん苦心されている事が実感できました。
そしてNAMM2014では、近年話題のデジタルマルチ転送の具体的なソリューションの展示、主にApple社PCの仕様変化に伴う関係機器の新製品展示等デジタル系機器の展示がかなりの部分を占めると予想していたのですが、それは良い意味で裏切られました。実際の会場では、もちろん前述のデジタル系機器の展示以上に様々なアナログ系機器が展示展開されていました。そしてそれらから一様に、これからの音楽業界自体の隆盛を牽引するであろう力強さを感じることができた事が印象的ではありました。
総括(赤尾):今後のソリューション展開に示された新たなる一歩!
こんにちは。レポーターの赤尾です。
今回のNAMM2014ツアーでは、初海外展示会、そして初アメリカ!ということで事あるごとにカルチャーショックを受けた1週間でした。 Arrivalレポートに上げさせていただきました老舗音楽スタジオでは自分よりも年上なアナログコンソールが現役で稼働していたり、はたまたTODD-AOやワーナースタジオなどで最新鋭機器をそろえたスタジオを見学させていただいたりと、様々な環境で音楽がエンターテイメントとして提供されていることに、非常に感銘を受けたツアーとなりました。
NAMM2014では、注目していたオーディオインターフェイスも多くのメーカーから新商品がリリースされました。やはりApple社から発売されたMacProが大きく形状や仕様を変更したこともあり、Thunderbolt接続の製品が多数発表された中、UA社のAppoloの様にアナログとデジタルのハイブリットである「Unison」機能が発表された事には衝撃をおぼえました。また、DigiGridの様にネットワークを構築することで拡張性が期待出来る製品の登場もあり、今後のソリューション展開に新たなる一歩となった展示会だったと思います。
レポーター二人が選ぶ印象に残ったNAMM BEST シーン!
Universal Audioが発表した全く新しい『UNISON』機能に開場が震撼!
岡田(以下:岡):やはり最初はこれ、Apollo Twinでしょう。会場で出会った誰に聞いても、NAMM2014で一番の話題だと言っていました!特に従来のモデリング常識を覆す新たなマイクプリモデリング『UNISON』機能に尽きます。
赤尾(以下:赤):UADプラグインはもちろんですけど、ハードウェアがそれに追従してインピーダンスまで変えていくっていうのが驚きました。こういうことをしようとしたこと自体がすごいです。ソフトとハードの両方を開発する技術力の賜物ですね。
岡:連日ブースの人集りがすごかったのも心に残っています。特に現CEOのBill Putnam jr.さんのプレゼンの時はブースから人溢れるほどだったね。
赤:本当に凄い盛り上がりでした。私たちが帰国した時にはもう店頭に並んでいて、UA社のマーケティングに、技あり!と思いました。
岡:NAMM発表と同時販売というマーケティング戦略はiZotopeもやっていましたが今後主流になっていくかもしれませんね。情報統制も本当に大変だったと思います。
Moog MusicエンジニアSteve Dunningtonさんとの出会い、そして圧巻のテルミンパフォーマンス!
赤:Moogのテルミン『Theremini』は印象深かったです。大きな木の箱でできていたテルミンがいま、あんなにコンパクトになって。さらにこの機能で$319という低価格!
岡:安いだけじゃなくて、設定でクロマチックの音階を段階的に発音できるっていうのが手軽でいいね。今年の夏過ぎの発売ということです。
赤:Thereminiの影響でテルミンブームが起きたりして(笑) それぐらいイケてました。
岡:そうなったらおもしろいね。ちなみにデモをしてくれたSteve DunningtonさんはProduct Specialistっていう肩書きなんだけど、実際はMoog社のエンジニアだそうです。検索すると本当に色んなパフォーマンス動画が見れますよ!
赤:そうなんですね! そしてテルミンのお値段10倍、アルミフレームのminimoogもかっこ良かったです。世界100台限定生産!
岡:誰が手にするのかな。ワクワク。
国内でも圧倒的な人気のKAWAI VPC-1。そのクオリティと魅力は既に世界へ広がっていました!
岡:NAMMの会場の至る所でVPC-1が使われてたね。
赤:もう世界で認められ始めているんですね。
岡:南米のセールス担当スタッフさんとは今後の販売戦略の事とか、面白い話を沢山聞けたよ。欧州でのセールスも予想以上に好調とのこと。
赤:KAWAI初のマスター鍵盤が生み出したイノベーションですよね! ROCK ON AWARDのSilver Award受賞も本当におめでとうございます!
岡:次のプロダクト展開も期待したいね。同コンセプトのダウングレードモデルも売れそうだけど、ベンドやホイールを搭載した制作スタジオモデルも僕は待ってます。
サードパーティプラグインも動作!本格始動へ秒読みの始まったDiGiGrid!
岡:UADプロセッシングの対抗馬としてDiGiGridも開場を湧かせていました。
赤:ProTools、DiGiCo卓との連携のデモも盛り上がってましたね! ルーターを使って全機器が一つのソリューションとしてつながっていました。
岡:尚かつ今回サードパーティー製プラグインがうごいていたのが今回最も大きな衝撃でした! 数千万のハイエンド卓のテクノロジーはそのままに今回インターフェース化されていますから、遂に本命が始動といった印象でしたね。少し長いですがDanさんのプレゼン動画は要チェック!
赤:もう完成次第じっくり自分の環境でサウンドテストしたいですね。Intel CPUの負荷実験も色々やってみたいな。待ちきれない。
3ブランドの融合が起こす未来の化学反応に期待! Sound Equipment Awardも受賞のTASCAM!
岡:俺はやっぱりTASCAMを押したいね! SONARの取り扱い開始で、TASCAM+GIBSON+CAKEWALKの化学反応を予感しました!
赤:CAKEWALKのニュースは昨年末衝撃でした。昨年Summer NAMM発表のインターフェース『UH-7000』も展示されていましたが、インターフェースとDAWのTASCAMブランドコンビネーションは今後注目されますよね。もちろんGIBSONの動きも気になる。
岡:InterBEEで参考出展していたワードクロックや昨年大ヒットを記録したDA-3000まで本当に様々なプロダクトを生み出せる技術力は流石。それだけにブランドが融合した次の一手が本当に楽しみでなりません。
赤:DA-3000のAward受賞も本当におめでとうございます! 昨年の開発インタビューも本当に必見ですので、興味のある方は是非是非!
NAMM 2014の感動を味わうのはこれから!
春先に向けて続々新製品がリリース!
赤:UA apolloやiZotope Breake Tweakerなどなど早速リリースされたプロダクトだけでなく、3月4月にかけてKORG製品やRoland、YAMAHA製品なんかも続々出てきますから、この感動を実際に味わえるのも本当にすぐそこなんですよね。
岡:そうそう、発売前のプロダクトも実際に自分で音を聞いて使ってみると、よりリアルに感動出来たり、新しい発想が出てくるからね。
赤:発売間近のRolandのFA-08はIntegra-7の流れを汲んでて、コストパフォーマンスも良いのに、実は触ってみるとRD-300と全く同じ鍵盤だったりとか、ものすごいお買い得な要素が隠れてて感動したりする。
岡:最も注目を集めたapollo twinでは実際に先日ICHIさんが日本に来て、製品の魅力や活用法なんかまで実践イベントで示してくれたしね。
赤:本当にICHIさん世界中飛び回ってますよね。
岡:USB3.0対応インターフェース『RME MADIface XT』やVPR500シリーズ初のインターフェースシャーシ『APHEX USB 500 Rack』、『Eclipse TD-M1』なんかはもう店頭展示を開始してるから是非実際に店頭で試してほしいね。
赤:今度は参加いただいたユーザーさんと店頭で感動を共有する番ですね。ご来店お待ちしています!
まだまだNAMM 2014の興奮は終わらない!
Arrival後編がメールマンで読める! 乞うご期待!
◉SUNSET SOUND
http://www.sunsetsound.com
◉ROCK’in MAILMAN 2014.2.28 から特別掲載!
購読お申し込みはこちらで!
http://www.miroc.co.jp/mailman/