Rock oN Company 2011 NAMM ショー・レポート!

Fairlight Instruments

30年の時を経て、多くの音楽家を魅了した名機、Fairlight CMIが復活!!! なんとiPhone Appバージョンのアナウンスもありました!!!

30年の時を経て、あの名機の中の名機が復活します!!!(はい、ここでオケヒを1発鳴らしてください!!!) 80年代、多くのミュージシャン/プロデューサーを魅了し、数々の名曲を生み出した業務用高級サンプラー「Fairlight CMI」が、ルックスやユーザー・インターフェースはそのままに、現代のテクノロジーで見事に復活。「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」の誕生です!!!(はい、ここで今度はオケヒを2発!!!)
「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」は、世界中のFairlightファンからの熱い要望に応える形で、CMIの生みの親であるピーター・ヴォーゲル氏が長い開発期間の末に完成させた正統なレプリカ。もちろん完全な復刻というわけではなく、デザインは往年のCMIそのまんまですが、中身は完全に現代仕様。心臓部となるのはFPGAであり、モニター・ディスプレイには17inch TFTが採用されています。
それではここからは、会場で(超〜苦労して)収録したヴォーゲル氏のインタビューを紹介しましょう。
「僕はこの20年間、音響機器とは無縁の生活をしていたんだけど、たまに古いFairlightユーザーから連絡がくるんだよ。「僕のCMIが調子悪いから直してくれないか」って(笑)。どこで僕のメール・アドレスを調べたのか知らないけどね(笑)。そんなコンタクトが年に数回くる。実感としては、21世紀の今でも、100人くらいはFairlight CMIを使い続けている人がいるんじゃないか……という感じだった。そんなに多くの人たちがこのマシンを愛してくれているのなら、現代のテクノロジーを使って蘇らせたら面白いんじゃないかと思ったんだよ。それが2〜3年前の話で、僕はさっそく「Fairlight Instruments」という会社を立ち上げ、Fairlight CMIを復刻することにしたんだ」(ピーター・ヴォーゲル氏)
なるほど。そんな経緯で今回の復刻が行われたわけですね。
今回リリースされる「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」、サンプラーとしての仕様としては、同時発音数24音(シーケンス・トラックも24)でサンプリング周波数は44.1〜192kHzに対応。内部処理は36bit浮動小数点処理で、入出力はステレオ入力(TRS/マイク入力、48Vファンタム電源供給にも対応)、S/P DIFデジタル入力、ステレオ・ミックス出力(TRS)、12chパラ出力(TRS)、さらには現代的にMADI出力(BNC)も備わっています。もちろん、MIDI入出力やMIDIタイムコード入力、LTC入出力、ワードクロック入出力、USB端子といったインターフェースも装備。ストレージは、500GBのSATA HDDが搭載され、DVD-RWドライブも用意されています。
「やっぱり発音数が昔のCMIとの大きな違いだね。「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」では24同時発音で、オプションによって発音数は200音まで拡張することができる。
ただ、心臓部はFPGAなので、正直にいうと、もっと発音数を増やすこともできるよ(笑)。しかし、むやみに機能を増やすのだけはやめたんだ。オリジナルCMIのフレーバーはしっかり残そうって。だから今回の「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」では、FPGAのパワーの10%も使っていないんだよ(笑)。
FPGAを使用したサンプラーの最大の特長は、発音が完全にパラレルで行えるってこと。和音を、完全に同じタイミングで発音させることができるんだ。ソフトウェア・シンセサイザーはもちんのこと、DSPベースのほとんどのハードウェア音源は、同時に発音しているように感じても、実際には音は順々に鳴っている。ボイスごとにDSPを用意すれば、また話は違うけどね。「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」は、和音が完璧に同じタイミングで鳴る、初めてのサンプラーなのさ」(ピーター・ヴォーゲル氏)
うーむ、凄い。ピーター氏、しきりに「FPGA」、「FPGA」と言っていますが、「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」は中身はWindows PCであり、オーディオ・カードとしてはFairlight社(Fairlight Instruments社ではなく、業務用機を開発している現在のFairlight社です)製のCC-1が採用されているのです。CC-1は、FPGAを搭載した強力なオーディオ・カードとして、3年くらい前に大きな話題を呼びました。現在ではNHKをはじめ、多くのプロの現場で導入されています。
「なぜCC-1を採用したかって? それは非常に優れたオーディオ・カードだからだよ。別にFairlight社が開発しているとか、そういうのは関係ない。オーディオ・インターフェースも、Fairlight社のSX-20をそのまま使用している。
CMIを開発していた昔のFairlight社と、現在のFairlight社は完全な別会社と思っている人もいるようだけど、スタッフの多くはCMIを作っていたときから在籍している連中ばかりだよ。もちろん、そのほとんどが僕の友人だ。だから今回、CMIを復活するにあたって、「Fairlightという名前を使わせてくれないか」と言ったらすぐにOKしてくれたんだ」(ピーター・ヴォーゲル氏)
いやー、「Fairlight」という名前の権利関係はどうなっているのかと思ったんですが、そんな裏話があったんですね。
「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」、サンプラーとしての基本機能はオリジナルCMIを踏襲しており、各種編集コマンドが備わっているのはもちろん、ライト・ペンを使用した周波数ドメインでのエディットも行えるようになっています。シーケンサーとしてはPage Rが搭載されており、ドラム・マシンのようなユーザー・インターフェースでフレーズを打ち込んでいくことが可能。CMIの「顔」である76鍵のミュージック・キーボードもしっかり用意されています。
「「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」では、最高192kHzのハイ・サンプル・レートに対応している。だからピアノなんかは、非常にリアルな音を鳴らすことが可能だ。ただ、昔のCMIのフィルターがかった「あのサウンド」が恋しいという人たちがいるのも知っている。だから「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」では、サンプルを8bitとかに落として、昔のCMIのサウンドをシミュレートする機能も搭載したんだ」(ピーター・ヴォーゲル氏)
くぅ〜、分かっていらっしゃる。さすがです。
ひとつ気になったのが、ミュージック・キーボードの右脇に埋め込まれたiPhone。オリジナルCMIでは、ここにはテン・キーがあったはずですが、「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」では、iPhoneの画面にそのテン・キーが表示されているのです(笑)。なぜ、わざわざiPhoneを埋め込んだのでしょうか?
「僕がiPhoneが大好きというのもあるけど、波形をマルチ・タッチ・インターフェースで操作できるようにしたかったんだよね。指先でピュッと波形のシェイプを変えられれば便利だろう? だから最初は、何かマルチ・タッチのパネルなんかを取り付けようかとも思ったんだけど、CMIの美観を損ねたくなかった。それに、市販のマルチ・タッチのパネルは、あまり出来の良いものは多くないし。それだったら、iPhoneをそのまま活用してしまえばいいんじゃないかと考えたんだよね。iPhoneのマルチ・タッチのインターフェースはとても優れているし、他の活用方法も考えられる。このアイディアは、とても気に入っているよ。ちなみにiPhoneとCMIのコンピューターは無線で繋がっているのではなく、ちゃんとケーブルで繋がっている。やりとりしているプロトコルはMIDIだ」(ピーター・ヴォーゲル氏)
うーむ、素晴らしい。確かにiPhoneのインターフェースのレスポンスは最高ですからね。
「そうそう、iPhoneで思い出したけど、こんなものも作ったんだ。(ヴォーゲル氏、ポケットからiPhoneを取り出し、アプリを起動する)見てくれよ、これ。iPhone用のCMIアプリだよ(笑)。CMIの機能がほぼ網羅されているんだ。おもしろいのが、iPhoneの加速度センサーを使って、傾きによって波形のアングルを変えられること。ほら、iPhoneを傾ければ、波形のアングルも変わるだろう? もちろん、Page Rも入っているので、これだけで曲を作ることができる。既にApp Storeに申請中で、ここ数週間のうちにリリースされる見込みだ。価格は50ドルだよ」(ピーター・ヴォーゲル氏)
これは凄い!!! 感動です。
「CMIに付属していたサウンド・ライブラリーもすべて入っている。今後、アプリ内課金によって、新しいサウンド・ライブラリーもどんどん追加していく予定だ。え? よくiPhoneでこんなモノが作れたって? 現在のiPhoneに搭載しているA4プロセッサはとてもパワフルなんだよ。たぶん、昔のCMI IIIの処理能力を超えていると思う(笑)」(ピーター・ヴォーゲル氏)
Fairlight CMI for iPhone。リリースが非常に楽しみです。
さて、「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」に話を戻すと、既に生産体制は整っており、いつでもオーダーを受け付けられるとのこと(「Fairlight CMI-30A 30th Anniversary Edition」は、完全オーダー制)。今のところ100台限定で、その台数に達し次第、今回のCMI復活プロジェクトは終了するのだそう(そんなこと言われると、少し寂しいですな)。気になる価格は$20,000。今のレートで、170万円くらいです。昔のCMIが1500万円くらいしたことを考えれば安いですが、おいそれと手を出せる値段ではないですね……。もちろん日本にもシッピングしてくれるそうです。ちなみに記念すべき最初のオーダーは、今回のNAMMで受注したとのこと。お相手はブラジル人で、CMIが大好きでたまらない人だったそうだ。
「CMIの魅力は何かって? 僕が思うに、性能が良いツールはたくさんあるけれど、使い手のクリエイティビティを刺激するツールというのはそんなにない。しかしCMIは、使っていて楽しいし、コイツと戯れているとどんどんアイディアが浮かんでくるんだ。今では貴重な、使い手のクリエイティビティを刺激するツールだと思う。それが多くの人を惹きつける理由なんじゃないかな」(ピーター・ヴォーゲル氏)
なるほど! もう超欲しいっす! ヴォーゲルさん、ありがとうございました!!!
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  1. うわ~いほんとか!価格はいくらのかな、興味あり。
    VSTi化はしないのか?してほしいVSTi化!
    こうなると(オリジナルは他社ですが)シンクラヴィアもVSTi化とか、本体も現在仕様で復刻&拡張機能搭載で発売してほしい。
    記事・・・読んで確かに頭の中でオケヒ鳴りました。(^_^ ;)

    Wave DOTs @ 2011年3月6日 4:54 PM
  2. おっと失礼。記事中に価格がありました・・・「$20,000。今のレートで、170万円くらい」か~。50ドルのiPhoneアプリにするか。いまのテクノロジーは凄い・・・。

    Wave DOTs @ 2011年3月6日 5:00 PM

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