Rock oN Company 2011 NAMM ショー・レポート!

Cyberstep

日本のメーカーが満を持して世界に問う「手のひらサイズのDAW」が登場!!! 最大64ボイス内蔵音源、ピアノロール編集も可能なシーケンサー、ACIDize WAV対応のオーディオ・トラックなど、機能も充実!!!

今回のNAMMでの私的BEST3に入る製品がコレです! サイバーステップという日本のメーカーが出展していた「KDJ-ONE」は、“Mobile Audio Workstation”を謳う手のひらサイズのDAW! 古くはヤマハQYシリーズ、最近ではnanoloopのような「音源内蔵シーケンサー」ではありません。正真正銘、手のひらサイズの「DAW」なのです!!!
「KDJ-ONE」は、大体CDケースと同じサイズ(126×150×27mm)のコンパクトな筐体に、5.0インチ・サイズの大型タッチスクリーン(800×480ピクセル)と、ゲーム機を彷彿とさせる十字キー、ダイアル、各種ボタンを搭載。筐体下部には、音階に対応したボタンも備わっています。

電源を投入すると、「KDJ-ONE」のために開発された専用のDAWが立ち上がり、即座に楽曲制作を開始できます。「DAWって言ったって、一体どんなコトが出来るのよ?」と思ったアナタ。驚くなかれ、「KDJ-ONE」のDAW機能はかなり本格的ですよ。

シーケンス・トラックで鳴らすことができる内蔵音源は最大64ボイスで、238種類(!!!)もの波形を搭載しています。オシレーターは2基用意され、その組み合わせは10アルゴリズム。フィルターは7種類、モジュレーターは4基搭載され、モジュレーターのアルゴリズムも10種類の中から選択可能です(ステップ・モキュレーターも含まれています!)。このように充実のシンセサイズ機能で、かなりの音作りを行うことが可能ですが、あらかじめプリセット・プログラムも200種類、ドラム・キットは100種類用意されているので、音色を作らなくとも直ちに楽曲制作に入ることができます。

「いくらシンセサイズ機能が充実していても、結局は音源内蔵シーケンサーなんじゃないの?」と思ったアナタ。「KDJ-ONE」のトラックでは、な、な、なんと、オーディオ・ファイルを扱うこともできるのです!!! ファイル・フォーマットは、WAV、ACIDize WAV(!!!)、OggVorbisに対応。インポートしたオーディオ・ファイルを任意のタイミングで自由に鳴らすことができ、ACIDize WAVならばテンポ変更にも追随します! まさにDAWそのものではありませんか!!!
「KDJ-ONE」の楽曲制作の基本となるのが「パターン」で、各「パターン」では6本の「トラック」を使うことができます。そして作成した「パターン」を自由に組み合わせて、「ソング」を作成するのですが、各「ソング」には「パターン」を並べることができる「パターン・トラック」が2本用意されています。各「トラック」の分解能は4分音符あたり384ティックで、一般的なDAWに匹敵する細かさ。テンポは40〜400の範囲で設定でき、リアルタイム・レコーディングはもちろんのこと、ループ・レコーディングやステップ・レコーディングにも対応しています。
ブースにはデモ機が用意されていたので、少し触らせてもらったのですが、その操作は非常に簡単。好みの音色を選択し、パターンを走らせながら音階キーを使って簡単にノートを打ち込むことができます。打ち込んだノートは、DAWらしくピアノ・ロール画面で編集することも可能。各トラックはミキサー画面で自由にバランスを取ることができ、もちろんエフェクトを使うこともできます。エフェクトのアルゴリズムは20種類用意され、トラックごとに最大2基のエフェクトを使用でき、さらにはマスター・エフェクトも使用可能です。
とにかく「触っていて楽しい」マシンである「KDJ-ONE」。すぐにでも欲しくなってしまいましたが、まだまだ凄い機能が用意されていました。な、な、な、な、なんと、内蔵のWLAN機能をオンにすれば、「KDJ-ONE」は外部コンピューターで動作するDAWのVSTプラグインとして機能するのです!!! 理解できましたか? つまり、あなたがCubaseユーザーならば、「KDJ-ONE」がCubase上でVSTプラグインとして動作するというわけです! もちろんオーディオ・ケーブルなどを接続する必要はありません。MIDIデータもオーディオ・データも、すべてWLANで無線でやり取りされます。この機能、凄くありませんか? サイバーステップ様、明日もブースにお邪魔しますので、その場で売っていただけないでしょうか……。
この「KDJ-ONE」、その中身はIntel社の「MeeGo Handset Edition」というOSが動作する「スマートブック」です。開発者の大和田豊さんによれば、筐体が「KDJ-ONE」仕様になっているだけなので、Webブラウザやメーラー、Skypeといったソフトも普通に使えてしまうとのこと。うーむ、凄い。これでメールをチェックしながら曲作りなんてカッコ良すぎる。早く売ってください!!!
国内では昨年12月に発表されていたという「KDJ-ONE」。情弱のため、まったく知りませんでした……(情けない)。現在最終テスト中とのことで、間もなく出荷が開始される見込みだそうです。価格は大体6万円前後で落ち着くのではないかとのこと(安っ!!!)。みなさん、これを読んでサイバーステップの問い合わせ先をググって、すぐに電話するというのはやめてくださいね。なぜって、明日は日曜日ですよ!
1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars

現在、5点満点中、3.66点です。
この記事に対して、53名の方が採点に参加してくれています

Loading ... Loading ...
  1. これが6万円台で出るって言うのであれば購入も検討しちゃいますね。

    You.T. @ 2011年1月16日 12:12 AM

Winter NAMM Showは、数ある音楽機材のイベントの中でも、世界中のデベロッパーから新製品、新技術が発表される世界最大規模の祭典です。現地のレポート・スタッフ他、このサイトをご覧いただいている皆さんが楽しめるようなコメントをお待ちしております!

NAMM 2011の記事を検索!

ページの先頭へ戻る