Rock oN Company 2010 NAMM ショー・レポート!

AVID(Digidesign/M-Audio/Sibelius)

Pro Toolsユーザーのためのソフトシンセ・バンドル「Pro Tools Instrument Expansion Pack」が登場!!! その驚異的な価格を刮目してください!!!

デジタル・メディア業界のキング、AVID(Digidesign/M-Audio/Sibelius)は、昨秋のAESコンベンションには出展していませんでしたが、今回のNAMMではしっかりとブースを構えていました。展示されている製品はあまり多くはなかったものの、それでも常に黒山の人だかり。やはり注目度はNo.1です。

今回、待望のPro Toolsのニュー・バージョンや新しいハードウェアなどの発表はありませんでしたが、なかなか魅力的な新製品がDigidesignから発表されていました。その名も「Pro Tools Instrument Expansion Pack」。好評の「Virtual Instrument Box Set」をリプレースする、A.I.R.製ソフトウェア・インストゥルメントの新しいバンドル・パッケージです!

Hybrid、Strike、Structure、Velvet、そしてXpand!という5種類のソフトウェア・インストゥルメントが含まれていた「Virtual Instrument Box Set」ですが、新しい「Pro Tools Instrument Expansion Pack」ではXpand!が省かれ、その替わりにTransfuserが含まれるようになりました。Xpand!は現行のPro Tools 8 softwareでは標準でインストールされますから、この変更はまったく問題ないでしょう。その替わりにTransfuserが含まれるようになったことで、Pro Toolsユーザーはこのパッケージを購入すれば、A.I.R.製ソフトウェア・インストゥルメントをすべて揃えることが可能になるのです! Xpand!以外、A.I.R.製ソフトウェア・インストゥルメントを持っていなかった人には、まさに最高のパッケージとなりました。

「なんだ、単なる新しいバンドル・パッケージか……」と読むのをやめようと思ったアナタ。早トチリはいけませんぞ。「Pro Tools Instrument Expansion Pack」のセールス・ポイントは、“A.I.R.製ソフト・シンセ全部入り”になったことだけではないのです。すべてのインストゥルメントに、かなり魅力的なアップデートが施されているのです! これは大きなポイントでしょう。

例えば、Structureはv1.1にアップデートされ、Kontakt 3/Gigaフォーマットに対応しました。特にGiga対応は待ち望んでいた人が多かったのではないでしょうか。また、計17.5GBもの付属のサウンド・ライブラリーのうち約5GB分が新しくなり、新録のオーケストラ・サウンド、ナッシュビル・シグネイチャーのドラム・キット、カスタム・グランド・ピアノといったサウンドが含まれるようになりました。また、注目なのが、新しいMIDIコントロール機能で、これを上手く活用することにより、オーケストラの表現力が格段に増すとのこと。その他、EXSのモジュレーション・マトリクスへの対応、データベース機能の改良といった変更がなされています。

そして個人的に嬉しかったのが、Strikeのアップデート。今回、v1.5にアップデートされ、遂にユーザー・サンプル(WAV/AIFF)のインポートに対応しました! Strikeの大きな魅力である“使いでのある様々なスタイル”を使って、自分の好みのサンプルを鳴らすことが可能になったのです。これは非常に大きな進化と言えるでしょう。もちろん、サウンドも大幅に増量され(約30GB以上!)、新しい55のスタイルも追加されています(計205スタイル)。その他、スタイル・エディタなどの使い勝手もかなり向上しているようです。
今回、新たに含まれるようになったTransfuserもv1.3にアップデート。新たにベース・モジュール(クラシック風のベース・ライン・シンセとのこと。TB-303のような感じでしょうか?)と6バンドのパラメトリックEQが追加されました。オーディオ・コンテンツも1.6GB増量され、計4GBに。どのような素材が追加されているのか、こちらも楽しみです。

エレピ音源としてはNo.1の呼び声が高いVelvetもv1.3にアップデート。新たにFMピアノ音源が9種類搭載されました。あえて言うまでもありませんね。DX7の“あのサウンド”までも、Velvetでカバーされるというわけです。これはかなり期待大。また、新しいリバーブ・モジュールも追加され、アンビエンス、スプリング、そしてルームという3種類のアルゴリズムが選択できるとのことです。

A.I.R.製ソフトウェア・インストゥルメントの代表選手、Hybridもv1.6にアップデートされました。新たに多チャンネル仕様の矩形波が追加され、これまで以上にユニークなサウンドを作り出すことが可能になっています。さらにノイズ・オシレーターをコントロールできる4種類の波形(Blue/White/Mod/Crackle)も搭載され、幅の広いテクスチャーを生成できるようになりました。もちろん、完全に新たにデザインされたパッチも256種類追加されています。

以上、駆け足での紹介になってしまいましたが、どのインストゥルメントもかなり魅力的なアップデートとなっているのではないでしょうか。

そして最後になってしまいましたが、「Pro Tools Instrument Expansion Pack」の最大のフィーチャーをご紹介しましょう。最大のフィーチャーは、ズバリ“価格”です。な、な、なんと、「Pro Tools Instrument Expansion Pack」の販売価格は52,500円(税込)!!! マ、マジですか!?のこの価格に、こちらも驚きです。Structure(もちろん紛れもないフル・バージョンです)、Strike、Transfuser、Velvet、Hybridが全部入ってですよ! 1本あたり10,500円……。いくら世の中がデフレだからと言って、このコスト・パフォーマンスの高さはもの凄いですね。もう迷う必要はありません。全Pro Toolsユーザー必携・必須・MUST BUYのソフトウェア・インストゥルメント、それが「Pro Tools Instrument Expansion Pack」なのです! さぁ、さっそくRock oNに問い合わせて予約してください! 冗談抜きで、最初のロットは争奪戦になるかもしれませんよ。

AVID(Digidesign/M-Audio/Sibelius)の新製品は、今回は「Pro Tools Instrument Expansion Pack」だけだったということもあり、ブースで最も注目を集めていたのは、やはりEleven Rackでした。ちなみにブースには、Eleven Rackをヘッド・アンプに見立てた特製スピーカーが置いてありました……(笑)。

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