Wavesとヤマハが再びコラボレート!!! 次世代のネットワーク・プロセッシング・テクノロジー「SoundGrid」が登場!!! DM2000や02R96でWavesプラグインが使用可能に!!!
昨秋のAESコンベンション・ニューヨークで、コンピューターをアウトボード・ラックとして機能させてしまうスタンドアローン・ソフトウェア「MultiRack」を発表したWaves社。今回、その発想をさらに推し進めた新テクノロジー/新製品が発表されました。
Waves社が新たに提唱するテクノロジー「SoundGrid」は、専用のプロセッシング・サーバーを用いて、負荷のかかるプラグインの処理をコンピューターから切り離し、外部で分散処理しようというもの。同社が以前リリースしていた「APA」シリーズとコンセプトは似ていますね。ただ、新しい「SoundGrid」では、ネットワーク機能により重きが置かれているのがポイントです。
今回発表された「SoundGrid」対応の新製品は2つ。まず1つは、「SoundGrid server(SGS)」と呼ばれる2Uラック・サイズのユニット。その名のとおり、「SoundGrid server」は「SoundGrid」用のプロセッシング・サーバーで、コンピューター(Mac/Windows)とEthernetで接続することで、プラグインの処理を実行することができます。コンピューター側では普通にプラグインが立ち上がっているが、実際の処理は「SoundGrid server」側で行われている……というわけです。「SoundGrid server」の処理能力など、細かいスペックは現時点では明らかになっていませんが、ネットワーク・ハブなどを使用することで、複数台併用することも可能ということ。「SoundGrid server」自体は何の変哲もないユニットで、フロント・パネルには電源スイッチしか備わっていません。
そして今回発表されたもう1つの製品が、「WSG-Y16」というカード。ヤマハのMini-YGDAI規格に対応したネットワーク・カードで、PM5DやDM2000といったMini-YGDAI規格対応機器に装着することで、ヤマハ製品から「SoundGrid」を利用することが可能になるのです! 分かりやすく言えば、DM2000でWaves社のプラグインが利用できるようになるということで、これはなかなか凄いことと言えるでしょう。以前もWaves社は、ヤマハのデジタル・コンソール用のエフェクト・カードをリリースしていましたが、「WSG-Y16」と「SoundGrid server」の組み合わせは、その未来形と言えるかもしれません。
実際の接続は、ヤマハのMini-YGDAI規格対応機器(DM2000など)に装着した「WSG-Y16」、「SoundGrid server」(必要に応じて複数台)、そしてコントロール用のコンピューター(Mac/Windows)をハブを介して接続します。これにより、ヤマハのMini-YGDAI規格対応機器から、Waves社のプラグインを使った処理が16ch分(44.1/48kHz時。88.2/96kHzにも対応)可能になります。Waves社のプラグインのコントロールは、コントロール用のコンピューターからはもちろん、ヤマハのMini-YGDAI規格対応機器から行うことも可能。従って内蔵エフェクト感覚で、Waves社のプラグインを使うことが可能になります。「WSG-Y16」は、1台のヤマハMini-YGDAI規格対応機器に2枚まで装着することが可能で、この場合は計32chの処理(44.1/48kHz時)が実現します。
Waves社が「SoundGrid」で狙っているのは、「MultiRack」と同じライブ・ユースでしょう。デジタル・ライブ・コンソールの“バーチャル・アウトボード”として、「SoundGrid」をアピールしていく感じのようです。「MultiRack」の場合は、コンピューターで処理が行われるため、過酷なライブの現場で使うのは少々不安がありましたが、「SoundGrid」では専用のプロセッシング・サーバーで処理が行われるので、その辺りの安心感が違います。詳細は不明ですが、「SoundGrid server」はリダンダンシー/リカバリー機能も備えており、万が一コントロール用のコンピューターが落ちたりしても、動作には影響のない仕様になっているようです。
なかなか興味深いテクノロジー/製品である「SoundGrid」。今後の展開を注視していきたいところですね。
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