究極のコンプレッサー・プラグイン「6030 Ultimate Compressor」が登場!!! そして待望の全プラグインのAudio Units対応もアナウンス!!!
DAWを駆るプロフェッショナルの“心の支え”、McDSP社製プラグイン。大量のプラグインがインストールしてある環境でも、EQなら“まずはFilterBank”、ダイナミクスなら“まずはCompressorBank”という人は多いのはないでしょうか。バス・コンプレッサーは絶対にMC2000という人も多いですし、すべてのチャンネルの入力段にAnalog Channelをインサートするというプロフェッショナルも珍しくありません。
そんなMcDSP社は今回、久々の新製品を発表していました。その名も「6030 Ultimate Compressor」。英検4級レベルの英語力しかない僕でもその意味は(何となく)分かります。「Ultimate Compressor」。そうです、「究極のコンプレッサー」プラグインの登場です!!!
「6030 Ultimate Compressor」をひとことで説明すると、“10種類のアルゴリズムを備えたダイナミクス・プラグイン“となります。ユーザー・インターフェースはとてもシンプルで、ウィンドウ左側には10個のアルゴリズム切り替えスイッチが並び、ウィンドウ右側がダイナミクス・パラメーター、そしてウィンドウ中央がレベル・メーターおよび出力レベル・コントロールというレイアウトになっています。
一目見てピピン!ときた人は多いと思いますが、ユーザー・インターフェースのモチーフとなっているのは、最近流行のVPRアライアンスのモジュール・ラック。いわゆるAPIランチ・ボックス・スタイルの“アレ”ですね。ウィンドウ左側のスイッチでアルゴリズムを切り替えると、ウィンドウ右側のデザインがガラッと変わりますが、その様はまるでVPRアライアンスのモジュールを抜き差ししているかのよう。ですからこの「6030 Ultimate Compressor」、VPRアライアンスのダイナミクス・モジュールが10種類搭載されているプラグイン……と考えれば分かりやすい(?)かもしれません。
肝心の10種類のダイナミクス・アルゴリズムについてですが、McDSP社CEO兼開発者のコリン・マクドウェル氏によれば、「実在するアウトボードにインスパイアを受けつつも、単純なイミュレーションではない」とのこと。その点では好評のRetro Packと同じ流れを汲むプラグインと言えそうです。
それでは各アルゴリズムについて、マクドウェル氏のコメントを紹介しながら見ていくことにしましょう。Fairchild 670にインスパイアされたとおぼしき「U670」と、牛柄のユーザー・インターフェースが特徴的な「MOO TUBE」は、「最もナチュラルで上品な効きのダイナミクス」(マクドウェル氏)とのこと。
LA-2Aにインスパイアされたとおぼしき「OPTO-C」と「iCOMP」は、「前の2つよりも若干強めの効きだが、引き続き上品なかかり具合で、ボーカル処理に適したダイナミクスになっている」(マクドウェル氏)とのコメント。
もう1つ、LA-2Aに似たユーザー・インターフェースの「OPTO-L」と、黒色の「Over.Ez」、そして「British C」の3つは、「リミッター的な効きのダイナミクス」(マクドウェル氏)とのこと。「British C」はNeveを彷彿とさせるユーザー・インターフェースですが、そのことを質してみたところ、「そう、これは33609にインスパイアされて開発したんだ」(マクドウェル氏)とのコメントが返ってきました。
そして「sst ‘76」と「FRG444」は、「強めのコンプレッションが特徴」(マクドウェル氏)とのこと。「sst ‘76」は、その名のとおり1176にインスパイアされて開発されたものでしょう。
最後の1つ、「D357」は、「ドラムに最適なハード・コンプレッサーだね」(マクドウェル氏)ということでした。
以上、10種類のアルゴリズムが自由に切り替えられるのが、「6030 Ultimate Compressor」というわけです。もちろん、操作できるパラメーターの種類/数はアルゴリズムによって異なります。実際、試聴してみましたが、個人的に印象に残ったのが「OPTO-L」と「British C」でした。「OPTO-L」はピーク・リミッター的なナチュラルなかかり具合が特徴ですが、唯一のパラメーターであるピーク・リダクションを上げていくと、何とも言えない絶妙なリリースを得ることができます。試聴はドラム・トラックで行ったのですが、ボーカルにも良く合うのではないかと思いました。また、「British C」は、まさに“理想的な効きのコンプレッサー”という印象で、スレッショルド、アタック、リリースといったパラメーターがイメージどおりに効いてくれます。どんな楽器にも合う万能なコンプレッサーとして、大いに活躍してくれるサウンドなのではないでしょうか。
それと個人的に最も素晴らしいと思ったのが、そのユーザー・インターフェース。10種類のアルゴリズムの切り替えが“スイッチ”なので、非常に簡単なのです。普通はこういう切り替えにはプルダウン・メニューが採用されると思うのですが、シンプルなようでいて、クリックしてマウスを動かしてクリック・ボタンを離して……と、実はその操作は非常に煩わしい。この辺り、ユーザーの使い勝手が非常によく考えられていると思います。ちなみにこのユーザー・インターフェース、マクドウェル氏によれば「1960年代の古い大型コンピューター……ENIACだったり、フランス製のメイン・フレームだったり、その辺りの機械のデザインを真似てみたんだ」とのこと。なるほど、言われてみれば、そんなような雰囲気がします。
非常に素晴らしい完成度の「6030 Ultimate Compressor」。リリースは少し先で5月とのことで、Emerald Packに含まれるようになるとのことです。ぜひぜひ、楽しみに待つことにしましょう。
McDSP社のニュースは「6030 Ultimate Compressor」だけではありません。遂にと言うか、ようやくと言うべきか、すべてのプラグインのAudio Unitsサポートが発表になりました! これでMcDSP社のプラグインは、遂にDigidesignのシステム専用ではなくなるわけです。なかなか感慨深いものがありますね。これからはLogicでもDigital PerfomerでもLiveでも!スタジオ定番の緑色のプラグインが使えるようになります。
マクドウェル氏によれば、Audio Units対応の前に、まずはすべてのプラグインの“リビルド=再構築”を実施したとのこと。具体的には、TDM/RTAS/AudioSuite対応を前提に書かれた“方言のある”コードを、クセのないプレーンなコードに書き直したとのことです。これにより、TDM/RTAS/AudioSuiteはもちろん、Audio Units、さらにはVSTまで、どんなフォーマットにでもスムースにコンパイルできるようになったとのことです(VSTに関しては、もちろんまだアナウンスされていませんが、今後大いに可能性はあると言っていいでしょう)。
また、Audio Units対応に合わせて、Classic Packに含まれている4つのプラグイン(Analog Channel、CompressorBank、FilterBank、MC2000)のユーザー・インターフェースが一新され、また機能的にも細かい部分がブラッシュ・アップされました。具体的には、ユーザー・インターフェースはエンコーダーでの操作に統一され(スライダー操作への切り替えが無くなりました)、機能的にはパラメーター値(たとえばゲインなど)の幅が拡大されるといった変更がなされています。スライダー操作への切り替えが無くなったことについては惜しむ声が聞かれそうですが、これに関しては「複数のユーザー・インターフェースを切り替えるのが仕様的に難しいAudio Unitsに対応させるため、仕方なかった」(マクドウェル氏)とのこと。しかしその替わりに、「フリケンシー・カーブなどのディスプレイ上をドラッグ操作できるようにする」(マクドウェル氏)とのことです。もちろん、旧バージョンとの互換性は完全に保たれてるとのことなので、ご安心を。
それでは最後に、コリン・マクドウェル氏による「6030 Ultimate Compressor」の紹介ムービーをご覧ください!
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こんにちは。VSTに関して、とにかく早いアナウンスを期待したいです。
手軽に買える値段であれば、この6030 Ultimate Compressorは是非欲しいな、と思います。
AUプラグイン対応はLogicユーザーには嬉しいです,楽しみですね!
買える値段ならすぐに欲しい!