8トラオープンリールを始め懐かしの製品をぎゅっと詰め込んだディスプレイが目を引く NAB 2015 TASCAMのブース。(左側にはしっかりとGibsonのロゴが。)
放送機器の展覧会ということでということで、業務用レコーダーを中心とした展示です。
DR-680MKII
NAMM 2015前後で発表され 2015年2月より発売されたDR-680MKII。WAV/BWF、192kHz、MP3マルチチャンネルまで対応した 6 IN/8TRのフィールドレコーダーです。
ファイルフォーマットはWAVに加えBWF(Broadcast Wave Format)に対応。24ビット/96kHzで8チャンネル(6トラック+ステレオトラック)、24ビット/192kHzで2トラックの同時収録が可能です。この(+2ステレオトラック)というのは、2トラックとは別に内部ミキサーでレベルとパンを設定した2ミックスのこと。5.1ch分の6トラックとラフミックス2trを録音できるということとなります。さらに、いざという時の長時間録音もこなせる最大320k bpsのMP3にも対応。こちらは最大4トラックの同時収録が可能です。
6つある入力部にはパーツデバイスに徹底的にこだわって開発されたHDDA (High Definition Discrete Architecture)マイクプリアンプを搭載。EIN-125dBuを誇る高性能で、TASACAMらしい色づけのないサウンドキャプチャーを可能にします。
この他MSデコーダーによる「MSマイク接続モード」や複数機のトランスポートをマスター機でコントロールする「カスケード機能」を搭載。単三電池8本で駆動可能など、電池込み1.4kgのコンパクトボディながら業務レベルの収録にクイックに対応できるレコーダーです。
DR-70D
DSLRの下部に取り付けるカメラ一体型の4トラックリニアPCMレコーダー。4つの高品位HDDAマイクプリに加え、本体フロントにステレオマイクを搭載していることが大きな特徴です。周囲の音は本体のマイクで、そしてレポーターや役者の声は専用のマイクで、というような使い方が想定されますね。
DR-70Dの同時録音数は最大4トラック。さすがカメラ用というだけあり、内部ミキサーでミックスした音をカメラに送りカメラと同時録音を可能にする「CAMERA OUT端子」や動画と音の位置あわせを容易にする「スレートトーンジェネレーター」、カメラ本体での収録音をモニターできる「CAMERA IN端子」とビデオマイクからの入力を行う「ステレオミニジャックマイク入力端子」を装備します。
そしてDR-70Dは本体上下2面に三脚用ネジを配置しているため、カメラ本体と雲台の間に挟んで使用することも想定されています。
DR-60DMKII
こちらもDR-70DとおなじくDSRCとの一体型レコーダー。4マイクプリアンプによる入力で4トラック同時録音できます。DR-60DMKIIもCAMERA OUT端子、スレートトーンジェネレーター、ステレオミニジャックマイク入力端子を装備します。
133(W)×93.2(H)×78(D)mmのコンパクトボディは電池込みでもその質量605g。アクティブなカメラワークを極力妨げない仕様です。こちらもメラ本体と雲台の間に挟んで使用できます。
長年の現場でのノウハウを活かしたモバイルレコーダーの雄、TASCAMの独壇場とも言える製品が並んだNAB 2015らしい出展でした。
Writer IH富田
コメントを残す