広大なNAB 2015の会場で毎年の定位置とも言えるNorth Hallの最奥に鎮座するのが、我らがNHKブース。NAB Show Openingの基調講演でも触れられた8K Super Hi-Visionと22.2ch Surroundを積極的に展開。世界に向けて日本の技術を展示、賛同を呼びかけています!!!
なににはともあれ、実際に8K – 22.2chを体験することの出来るSuper Hi-Visionシアターへ!!今回のデモ素材1本目は、九州で撮影されたとキャプション表示された太鼓の演奏。半屋外のステージ上でしたが、太鼓の響きに包み込まれます。左右の自然な広がり、映像とサウンドの位置関係が完全にシンクロしたその臨場感は圧倒的なもの。思わす曲の終了時に拍手をしてしまいそうなほど。
2本目の素材は、DSLRによるタイムラプスの8K映像。富士山を撮影し続けている大山行男による美しい映像。タイムラプスによる嵐の撮影など、自然の移り行きを強く感じさせる作品。JAPANを代表する自然の美しさを余すことなく伝えています。
3本目は昨年の宇宙博で流されていたNASA提供の画像を元にした、宇宙空間を描いた8K CG。画面のズーム、ローテーションに合わせて思わず体が動いてしまったかのような錯覚を受ける圧倒的なリアリティー。サウンドは美しいジャズのインプロブゼーションが未知の世界への感覚を引き立てます。
4本目はFIFA WorldCupの映像。しっかりとクローズアップ時にもピントが合い、速い動きも画像が流れることなく自然な動きを見せます。まさに120pの実力発揮といったところではないでしょうか。観客の歓声が前後〜上下へと聞こえるその臨場感は、まさにスタジアム。
なんとも大盤振る舞い!!4本もの作品を試聴することが出来ました。シアター内部は撮影禁止だったのが残念!!
オーディオ関連の展示はこのブース。22.2chのラウドネス測定に関しての提案を行っていました。世界的に始まっているラウドネス値にレベルの統一。新しい音声フォーマットである22.2chも同様にラウドネス値でのレベル管理を行うための基準の策定をアピールしていました。スタッフの方にお話を聞いたところ、すでにITUへの働きかけもスタートしているということ。実際の放送に向けて、着実に進んでいることを感じさせます。
こちらは、昨年の技研公開でも展示されていましたが、MADIにより入力された22.2chの信号をNHK技研の開発したHRTFを基礎技術とした2CHヘッドフォン試聴用のプロセッサー。アルゴリズムはNHK独自研究のものが使用されているということ。すでに現場などで、確認用などに活用されているということです。
フロントパネルにあるTRIGER端子に目が行ってしまったのですが、これは視聴者の画面に対しての頭の位置、向きを計測してそのdataを元に、ヘッドフォン内での低位を変化させるもの。Mid-Center Chの音は顔の向きとは関係なく常に画面中心の方向から鳴らすという技術が搭載されているとのこと。
8K収録用のカメラは3台が展示されています。IBCで展示されていたものと同様でしたので詳細は割愛しますが、通常、スタジオで使用されているカメラと遜色の無いサイズにまでコンパクトになってきていることがお分かりかと思います。
そして、8Kの収録用レコーダーも展示。入出力は3G-SDI 8本を使用したものになっています。詳細はこちらのパネルを参照下さい。
どうでしょう。かなり現実的なところまで8Kは近づいてきていることを感じさせるものではないでしょうか?NHKとしては2020年の東京オリンピック時には8Kでの放送を開始したいというロードマップを持っています。これは政府も含めたAll JAPAN体制でそのロードマップを支援している状況。先ずはFirst Stepとして4Kの放送がスカパーでスタートしています。これからも8K Super Hi-Visionからは目が離せない状況が続きます。楽しみですね!!
Writter Y.Maeda
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