NAMMでは「X-MON」と同時に展示されていた、音響補正エンジンとして高い評価を受けるフランスTrinnov Audio社による「D-MON」。AvidサードパーティプログラムとしてEuCon対応のフレキシブルなモニターコントローラーですが、従来のアナログベースによる「X-MON」に代わり、またその豊富な機能に期待が膨らみます。
まずは主要な機能のおさらいから。
D-Mon|8 の主な仕様(仕様の詳細は変更される場合があります)
- D-Mon|8 は16ch のAES 入力を持っており、メイン・ミックスだけでなくAUX やサブグループ,ステムなどの送
りを192kHz までのサンプリング周波数で受けることができます。 - 同時に“Alternate 8-DigIO”を装備しており、外部機器からのデジタル入力としてA/B 比較が行えるようになっ
ています。 - 全ての入力は別々に、内部プロセッシング可能なスイッチング・マトリクスに送られ、プロセッシング後または
ダイレクトに出力されます(アナログまたはデジタル)。 - D-Mon|8 はメイン・ミックス,Cue,トークバック,外部ソース入力として使用できる8ch のアナログ・ライン入力
も装備しており、ユニット内部でデジタルに変換されます。 - 内部のスイッチング・マトリクスは16×16 のサミング・マトリクスとなっており、デジタル,アナログのどの入力でもミックスして出力することができます。
- D-Mon の出力は通常スピーカー出力として使用される8chのOptimizer(オプティマイザー)出力以外に、(異なる4 つのヘッドフォン出力にも使用できる)8ch のアナログ出力と16ch のAES 出力が装備されています。
- 任意の入力をトークバックやリッスンバックに使用できるよう、“Functionalities(ファンクショナリティ)マトリクス”と呼ばれる機能が装備されています。
- D-Command やD-Control と接続することで、Midi,トークバック,リッスンバック,ヘッドフォン出力,GPIO,LTC入力などマルチパーパスIO(MPIO)として使用するD-sub, 25pin が装備されています。
- 専用のD-Mon Control Panel は、AVID アプリケーションがインストールされたWindows またはMac OS のDAWにEucon プロトコルでダイレクトに接続されます。
- D-Mon|8 は、PC モニターとキーボード&マウスによりスタンドアローンで使用することも可能です。
- ミックスがステレオまたはサラウンドで行われている場合、Trinnov Audio社の「OPTIMIZER 機能」を使用して、ミキシング・ルームのモニター環境を最適化することが可能です。
- さらにオプションとして「Smart-Meter 機能」を追加装備させることも可能で、タイムコードに沿ってラウドネス計測を行うことが可能です。
想定される、ステレオベースのプロダクションや7.1chのサラウンドシステムまで、モニタリングシステムを今までよりフレキシブルに構築することができます。Eucon対応なので、S6ベースだけでなく、導入コストが抑えられるS3にも相性がいいかもしれません。小、中規模のプロジェクトスタジオのシステム構築にも非常に相性がいいのではないでしょうか?Trinnov Audioのお家芸、音響補正システムも標準で組み込まれていることも忘れてはいけません。非常に期待できるプロダクトですね!!
Writter 阪田
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