映画を中心とした業界で利用実績の高いCooke Opticsはイギリスで1894年創業と非常に歴史のある会社。同社が提案するアナモルフィックレンズを多数出展。その目玉は、設計、製造が困難と言われていたズーム・アナモルフィックレンズを発表したという点。しかし、残念ながら、製品は間に合わなかった模様でその姿をみることは出来ませんでした。これにはNABの会場でも静かな話題となっており、ひっきりなしにそのレンズを確認する姿が見られます。
アナモルフィックレンズは円柱レンズとも言われ、水平方向を圧縮する光学系。古くから映画のワードスクリーンと35mmフィルムの画角の違いを埋める技術として利用されてきたトラディショナルなテクノロジー。しかし、このレンズはズームを作るのが非常に困難。今回、Cooke Opticsはそれを実現したことをNABで発表しています。
製品が見つけられなかったので、メーカーページの写真でご容赦下さい。こちらが今後発売されるレンズとなります。数ヶ月以内とのリリースコメントが。
Cookeは従来のフィルム撮影からデジタル撮影に変わった今だからこそ、独自の味付けのためにアナモルフィックレンズを使ってもらいたい、というコメント。このレンズは、水平方向を圧縮するために中心部分と左右端に独特の画質差が生まれ、左右端には歪曲収差が出るという特徴があります。これがまさにフィルムライクという感覚の一因でもあり、映画業界では1955年よりこの技術を利用して2.35:1というシネマスコープ画角を3:4の35mmフィルムに記録しています。国内でも1957年より順次採用が始まり、その後、映画の標準的な画角として現在でも利用されています。
その映画の画質の特徴でもある両端の歪曲収差のある画質はまさにと言った感覚。新しい表現として採用してみてはどうでしょうか?
Writter Y.Maeda
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