非常に大きな、AVIDというメーカーの枠をはみ出しての概念の創造を行っているAVID Everywhere。
全のユーザーがWin – Winの関係を築くため、既存のビジネスモデルが変革を遂げる現代を乗り切るため、そして未来のビジネスモデルをいち早く築きあげるための非常に大きなストーリーが、NAB 2014の直前に開催されたこのAVID Connect 2014で発表されています。
ユーザー(クリエイターや放送局、プロダクション等)全てが”Conect=つながり”、を持つためのツールをAVIDは提供しようとしています。
クライント・アプリケーションである、Pro Tools、Media Composerにはチャット、音声通話、ビデオ通話の機能が盛り込まれ、データ、メタデータ等様々な情報共有を実現。世界中どこにいても、誰とでも同じ目的のためのクリエイティブワークが実現する環境を提供するという非常に大きな話です。
今までは、NLEやDAWのメーカー以外の3rd partyがこういったサービスに取り組んで来ていますが、実際のコラボレートを考えるとコミュニケーション・ツール以上の存在になりえなかったという過去があります。このAVID Everywhereで低減されている全ての機能が実現できれば、まさに今までイントラネットの環境でしか構築できなかったMAM,PAMといった環境をインターネットの中に取り入れることが実現できるのです。
更には今回のイベントAVID Connectへのスポンサード企業は単純にこのイベントへの協賛企業と思っていたのですが、全くの間違いでした。
全てのスポンサード企業はAVID Everywhereへの賛同企業であり、後述のAVID Media Central Connectivity ToolKitと呼ばれるAPIの提供を受け、ソリューションのプラグインとして、インターフェースとして、共存するための製品開発を表明しているということになります。
Launchのこのタイミングですでに業界の中心的な企業が数多く賛同していることが、未来に向けて大きな希望を感じさせるポイントではないでしょうか。
Media Centralの機能
それではAVID EverywhereのコアテクノロジーとなるであろうMedia Centralの機能を見て行きたいと思います。
おおよその部分に関してはAVIDのMAM,PAMのエンジンであるInterplayの機能を拡張したものになりますが、いくつかの新機能が含まれています。
◎Media Central Director
この機能は、トランスコードなどのバックグランドプロセスを他PC(現状ではHP DL360でテスト環境を走らせているとのこと)で処理を行うというインテリジェンスな分散処理機能。
Media Composer 7で実装されたバックグラウンドプロセス機能ABSは自身のPCのCPUアイドリング中に処理を進行させるという方法でした。ネットワーク上の他のPCに処理分散が出来ると、クライアントPCの不可をほぼ気にすることなく処理の完了を見ることが出来ます。現状最大8JOBまでの分散処理を実現しているとのこと。
筆者の勝手な想像ですが、Cloudベースでコラボレートするネットワークの余剰CPUパワーを利用したネットワーク上の分散処理などが実現できると、まさしく次世代のプロダクションシステムといえるのではないでしょうか。
◎Media Central Index
Interplayの複数システムの利用など、メタデータ・カタログが複数にまたがるものに対する検索、再Indexを行うシステム。
Local Disk内であれば当たり前の様に検索用のIndexが自動的に生成されているのですが、クラウドとなるとこういったIndexerは利用できません。
身近なところですとNASドライブの内部はOS標準の検索エンジンでは探せなかったり、検索に非常に時間がかかったりするのではないかと思います。これはそもそも検索できなかったり、検索できたとしてもその都度、情報を再収集してIndexを造り直しているという事になります。
こういった事象を解消する為のシステムも用意をするという表明になります。複数のカタログを持ったり、ユーザーの求める検索機能を持つための”Central Index”、”Central Search”これらの機能を開発するということ。また複数のInterplayをつなぎ合わせるInterplay Bridgeは早ければ年内にリリースしたいとのことです。
◎Media Central Distribut
後述のCloud Serviceの中核となるMedia Central UXと連携してのTwitterやFacebookといったSNSとの連携、その他さまざまな配信サービスとの連携を実現しようと考えているとのこと。
まさに制作完了した時点で即時的に配信サービスへの登録、メディアの価値を対価へと変換するための機能と言えるでしょう。
◎Media Central UX
この機能がまさにCloud Serviceの中核。従来のInterplay Centralの後継としてCloudがキーワードなことからもNetwork連携機能の強化が図られた製品となることでしょう。まさに、名前を変えただけではなく、メジャーバージョンアップ以上の今後のAVID、広くは業界全体のワークフローを担うプロダクトとなることでしょう。
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