実採寸したカスタムシェルがユーザーの耳に吸い付くようにフィットし密閉するおかげで、高いクオリティで必要最小限の音量で忠実なモニタリングが可能。ここは「持ち運べるモニター環境」とも称されるカスタムイヤーモニターを開発するFitEarのブースです。
フラッグシップのカスタムインイヤーモニターMH335DW Customは、Rock oNでエンジニアや音にこだわるアーティストから絶賛され、その評判はいまや制作シーンでも轟いていますが、ここInterBEE 2014では新製品『Aya』が公開されました。
このAyaも上位機種と同じく耳型を採取するカスタムインイヤホンですが、他の製品と大きく違う点は、カスタムシェルを3Dプリンターで出力しているということ。
人ごとに違う耳型をワンオフで作り上げる製品の性質上、原型いらずでローコスト、さらに正確無比な3Dプリンタの利用は大変理にかなっていると言えるでしょう。一度オーダーしてしまえば耳型のデータは残るため「予備にもう1個」欲しいとなった時には同じ形のAyaを作ることができます。
3Dプリンタを使ったカスタムシェルは同社初の試みとなります。気になる製品の仕上がりについては心配無し。3Dプリンタから出力後にザラついているシェルの表面を裏表まんべんなく職人さんが手作業で丁寧に仕上げて組み込みを行うため、最終的には1点もののハンドメイドの精巧さと美しさとなります。
さて気になるスペックについては
・バランスドアーマチュアドライバーを採用
・脱着式のケーブルはFitEar Cable 006
という2点以外はブラックボックス。プラシーボを避けるためあえてスペックを公表せず、音を聴いてすべてを判断してほしいということです。
いま巷を賑わせているリスニングオーディオのイヤホンブームの中で、スペック信仰で本当の音が語られにくくなっている現状に「喝」を入れるような製品。須山氏の音楽に対する誠実さとFitEarに対する自負に胸を熱くしていたのですが視線を後ろにすると「何これー!」と(笑)
なんとこのAya、イメージキャラクターがいるそうです。こういう遊び心やギャップも須山氏の魅力の一つです。
最新の製品や情報以外にも、開発者や関係者に出会ってその『人となり』を感じることができるのもショーレポートの楽しみの一つ。まだ体験したことが無い方は来年こそぜひ。
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