IBC 2014

IBC 2014:Avid Connect Europe

AvidとApogeeのテクノロジーが融合し進化。精悍な黒を纏ったPro Tools | Duet and Qualtetがデビュー!! そしてMedia Composerは遂に4K対応を実現!

IBC 2014 Avid Connect
すっきり晴れて清々しい天気の中、現地時間午前9時よりスタートされるAvid Connect Europe。
IBC 2014今回のIBC 2014 レポート。まずは、Avid Connectから幕開けです!! スキポール空港に降り立ち、早朝のオランダの風景を楽しみながらも足早に、Avid Connectの会場であるホテルーオークラを目指して移動ですが、さすがヨーロッパ。何気ない橋の上にも鉢植えがあしらわれていたり、街全体がオシャレ。フランドル派からゴッホに代表される絵画の風景もち、美しい水路が流れる芸術の街アムステルダムを感じさせてくれます。また、有数の自転車大国だけあって、自転車専用道路が幅広く、なんとも『うらやましい』限り。起伏の少ない市街の条件はもちろん、1970年代の石油ショックで原油が輸入できなくなった体験を元に「エネルギー(石油)から自立した暮らし」について国民みんなで真剣に考えた結果が現れてますよね。

IBC 2014IBC 2014

 

 

 

 

 

 
早速会場に到着、General Sessionの開始! 今回のAvid Connectは新情報多彩です。
IBC 2014 Avid Connect

衝撃のPro Tools | Duet and Qualtet デビュー!!

現地時間 朝9時からスタートした1st SessionとなるGeneral Sessonでは、Avid Everywhereのロードマップと新製品情報を発表。Avid EverywhereとAvid Customer Associationについてのアップデート情報についての内容が中心となりました。
一番の衝撃は何と言ってもPro Tools | Duet and Quartetです。
IBC 2014 Avid Connect
セッション中、Qualtetと一緒に置かれたArtist Mixが映し出されていました。EuCon の拡張性がますます広がります。また、プレゼン中の資料でAvid Media Central Platformへの参加企業のなかにApogeeの名前があったので、目を疑ってしまいましたが、こういう事だったのかと納得です。

Avid待望の新しいハードウェアはApogee DuetとQualtetを進化させて、装いも新たにAvidからリリースとなりました。MBOX(3rd Geneletion)が発売されて既に4年が経過しており、003に続く多チャンネル対応インターフェイスを待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか?特にQualtetはADAT を搭載しており、SMAXにも対応。Avidのスペックを見る限りでは192kHz対応も明記されています。
IBC 2014 Avid Connect
カラーリングもシルバーではなくマットブラックに。重厚な印象で、AVIDロゴが光っております。ハードウェアの更新はされていない様子ですが、Windowsに対応したことが一番のニュースではないでしょうか?
また、今回新しく搭載された機能であるPro Tools IO Controlにより、Duet・QualtetがEUCON低レイテンシーのミキサーに対応したので、Artist シリーズのコントローラーがPro Toolsだけでなく録音時のレベルコントロールにも使用できるようになりました。
今までの、Pro ToolsのレベルはArtist Mixで、ヘッドホンモニター用のレベル調整はマウスで・・・というオペレートがArtist Mixでのコントロールに統一されるという事で、より作業効率があがりますね。Euphonix時代からAPOGEE MaestroはEuConに対応していました、と言うか一番乗りでしたが、その連携を今回AVIDが引継ぎ次の世代へとつないだ事になります。
さらにユーザーとしては両者のパートナーシップが実現出来るなら当然Pro Tools HDXカードとSymphony I/Oのシステムなども将来的に期待してしまいますね! ここは続報を待ちましょう。
これらの情報は既に日本語にローカライズされたページもオープンになっておりますので、是非チェックしてみて下さい。
Pro Tools | Duet and Pro Tools | Qualtet

遂にFull 4K Native対応!MediaComposer最新作

いち早くAivd Everywhereの先陣を切ったMediaComposer。Media Composer | Cloudなどは既に導入されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?いち早くCloudに対応したMedia Composerが次に進化を遂げたのは、4K対応。世界の主要イベントですでに4kでの実践が行われ、今年のサッカーWorld CupはSONYが主体となり全試合4Kで収録されたというニュースも有りましたよね。
IBC 2014 Avid Connect
IBC 2014 Avid Connect
IBC 2014 Avid Connect
また、今回の4K対応で、DNxHRという新しい高解像度コーデック も発表されました。マルチ コーデック かどうか?など疑問はありますが、Avidとしては今後8K、16Kヘと発展していくであろうアーキテクチャの未来を見据えての発表でしょうか。

そもそも映像の分野はコンテンツの配信先のデバイスの多様化が進み、フォーマットの管理は困難を極めます。さらに、配信までのスピードも加速を極める一方、Avid Cloudであればクロスプラットフォームでのソリューションが提供されるので、フォーマットや規格の変化を吸収出来て、素早い対応が可能になります。
IBC 2014 Avid Connect Avid Cloud
既存の4K対応ソフトはどうしても様々なメーカーの提供するソリューションを組み合わせることになり、結局コストがかかったり、管理が難しかったりと、非常に多くの問題をはらんでいますが、それらを統合出来るのはAvidだけではないでしょうか?

実現に向けて進行するAVID Market Place

IBC 2014 Avid Connect Avid Cloud
NAB2014から精力的に推し進めているAVID Everywhereの中核とも言えるMarket Placeが徐々に具体化してきています。
現行バージョンに組み込まれているAVID Storeとの連携とは比較にならないほどの密度を持ってアプリケーションに組み込まれます。デモの中ではプラグインの期間限定ライセンスを購入。セッションを入らき治すだけでそのプラグインがアクティブになるという実践が有りました。Pro Tools Cloud Collaborationが実現すればこのような機能は必須のものとなるでしょう。AAX であれば予めインストールしておき必要なときだけライセンスを購入するという利用法も実現します。また、ユーザーどうしが音源の売り買いを行ったりといったまさに製作業界の世界規模のMarket Placeを成立させようとしているのではないでしょうか?
そのための MXF ファイル、Collaborationと考えればAvidの目指す業界のあり方、製作環境というのもが見えてきます。
IBC 2014 Avid Connect Avid Cloud
冒頭のGeneral Speachに込められたメッセージ「すでにコンテンツを作るだけの時代は終わった」ということを考えると、作業自体を対価として受け取る今のビジネスモデル自体が終わりに近づいている、自身の作品を直接対価に変換できる手段を持つビジネスモデルが生き残るということでしょうか。確かに足の業界でも小回りの利く少数精鋭での直接のビジネスが成功をしているようにも思います。論旨からは少しずれるかもしれませんが、Amazonや楽天のようなマーケットでは普通であれば問屋経由になるようなニッチな商品がB toCで直接取引されていたりもします。制作の現場もこのようなB toCの流れが加速するということでしょうか。Avidは次の時代までもを想像し、ビジネスチャンスを広げるためのクラウドまでもを準備するということではないでしょうか。

Pro Tools Cloudのためのフォーマットが登場!その名もProduction Exchange Format

NABでテクニカルレビューされたPro Tools Cloud。今回のIBC 2014のタイミングで、さらに進化したPro Tools Cloudのデモンストレーションをご覧ください。

ビデオチャットをしながらのPro Tools Cloudのスムーズな動作に、早くリリースして欲しい気持ちが募ります!!

今回公開された情報の中に、あたらしいセッションフォーマットの情報がありました!
新しいフォーマットであるPXF(Production Exchange format)により、セッションの共有がより簡単になります。PXFであらたにフローズントラック機能が搭載されます。他のDAWではCPU負荷の軽減のための機能でしたが、ProToolsではそれ以上の機能が期待されます。例えば、Pro Tools Cloudで共有したセッションのなかに、相手が持っていないプラグインが合った場合、フローズントラックとして保存。オフラインバウンスをしたオーディオが変わりに送信されますので、受け取り側はとりあえずミックスを続行出来ますね。また、受け取り側がフローズントラックを解除することも可能で、プラグインを追加購入してそのまま反映させる、なんてデモもしておりました。プラグインのプリセットまで共有できるので、便利ですね!!(しかし、NABといい、IBC 2014といい、セッションは違うのになぜプラグインはElevenなのでしょうか・・・。)
IBC 2014 Avid Connect Avid Cloud

この機能ですが、オフラインバウンスしてデータを送ってくれるという事ですが、バスアウトをオフラインバウンスするということで、すなわちステムでもOKという事になります。ステムで送る事ができれば、送信データ料の節約も見込めますので、ネット回線が乏しい環境でも安心して共有ができます。
IBC 2014 Avid Connect Avid Cloud

また、PXF フォーマットは優れたコンテナフォーマットで、様々な情報を埋め込む事が出来ます。写真を見ていただくと分かりますが、セッションのコピーを保存する際の項目とほとんど一緒の項目がPXFとして書き出す事が出来ます。
IBC 2014 Avid Connect Production Exchange Format

動画でも確認いただけますが、メインカウンターの横上下の矢印が確認出来ます。動画では、このボタンが随所で黄色く点灯しているのがわかりますが、これはCloudで繋がった相手が共有しているセッションに対して変更を加えたときに点灯するようで、セッションを更新するサインのようでした。もちろん、自分が変更を加えた時はもう片方の矢印が点灯する、といった使い分けもされております。
IBC 2014 Avid Connect Production Exchange Format

現在のPro Tools 11では追記できないタグ情報などを含める事ができるのも、今回のフォーマットの特徴出すね。レコーディングの場所、プロジェクトやアーカイブの説明についても書けるのは今までにない機能です。

「新しいスタンダードはAvidが作る!」

プレゼンの最後にルイスフェルアンデスJr氏が力強く締めのスピーチをしていたのが印象的でした。NABで開催されたAvid Connectでは「コンテンツを作るだけでは、これからの時代を生き残ることは出来ない。作った資産をいかに活用して資金化するのかが重要な課題だ、というのがプレゼンでした。IBC 2014では一歩踏み込んでコンテンツ制作のフラストレーション(Pain Pointという言い方をしていました)を減らすため、ユーザーのクリエイティビティーに答えるため、また資金化するためのデータ作成(デリバリー)を行うための具体的手法としてtoolkit~market placeの発表と具体的な活用が中心として語られまいた。今後のAvidに頼もしさを感じますね。では今日はここまで、明日お届けするセッションレポート続編にご期待ください!

Avid

Writer: Akao

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