AES2015での発表を予告するかのようなティーザー広告が出ていたAntelope Audioがその謎を明かしました。この度発表された 10MXは、マスタークロックとルビジウム原子基準ジェネレーターの複合機です。
デジタル機器のデジタルクロックを正確にシンクさせることは、機器間同士のデータズレを解消しジッターのイズを抑制する効果を生み、時には機器の動作の安定性まで高めることがあります。そのために導入される『マスタークロック』ですが、それでもそのクロックの元となるオシレーターは経年変化により誤差が生じてくるものです。それを校正するために存在しているのが『リファレンスクロック』と呼ばれる製品です。
+/-0.001ppm(※ppb=10億分の1)の精度を誇るマスタークロックの誤差を正すため、リファレンスクロックには驚異的な精度が要求されます。Antelope Audio 10Mは1,000年に1秒とも言われる極小誤差のルビジウムコアを搭載したリファレンスクロックを搭載し、まさしく「マスタークロックのマスター」として存在しています。
新製品の10MXは、マスタークロック Isochrone Trinity と リファレンスクロック 10Mが一つになったイメージとでも言えるでしょうか。ルビジウムクロックによる10M精度のクロック校正と、それで正された高精度のマスタークロックを生成/分配できるまさに最強のマスタークロックジェネレーターです。
マスタークロックは最大768kHzに対応(!)。BNC端子4つ、AES、S/PDIFをそれぞれ2つづつ装備しています。USB経由でPCと接続し、ソフトウェアでサンプリング周波数の設定などが行えるため、いちいち本体に手を伸ばさなくても、PCの前にいるだけで様々なプロジェクトに対応することができます。
肝心のリファレンスクロック機能は10つのBNC端子で出力可能。10Mで培われた技術がフル投入されていて、コアにはスイス製のルビジウムコアを採用。これは1,000年に1秒の誤差という極めて高い正確性を持ったクロックオシレーターです。
そして驚くのが筐体のサイズ。これまでIsochrone Trinityと10Mはそれぞれ2Uサイズでしたが10MXはわずか1U。情報によると消費電力と共に本体の発熱もとても抑えられているとのことです。
11月中旬に出荷予定で、価格は883,790円とのこと。AES2015の会場で実物を見るのが楽しみです!
マスタークロックについてもっと知りたいならこれ!