10月初頭の発表から高い注目を集めるのがこのSolid State Logic 『XL desk』。
フルアナログにこだわり、VPR互換のスロットを備えるということに世界中が驚きました。
API社が昨年発表したTHE BOXというミドルクラスコンソールが有りましたが、SSLからのプロダクションスタジオ向けの回答がこの製品ということになるのではないでしょうか。
それでは早速、AES 2014 SSLブースにて、詳細の方を見ていきたいのですが、まずは、21本のフェーダー。こちら、16 mono + 4 stereo + 1 masterの構成。フェーダーと言うと、DAW remoteを想像してしまう時代ですが、あえてAnalogにこだわりDAWコントロール機能を一切持たせていません。
monoチャンネルにはSSLの誇るVHD preが8ch分搭載されています。またA,B,C,D4系統のMix Busを持つ8Busコンソールとなっています。
最大の特徴とも言えるのが、こちらのVPR互換スロット。mono chの上部16slotは 空(から)の状態で出荷となり、ユーザーのチョイスによる自由な構成が可能です。
チャンネルストリップに設けられたInsertボタンでシグナルへ割り込むことも可能ですし、背面にもモジュールのIN/OUTがあるので、VPRシャーシのような使い方も可能です。
そして、Stereo chの上部には2slot分のVPR互換スペースが有り、こちらにはStereo bus compresserが標準で装備されます。このスロットは、MIX Aへインサート可能でSSLのコンソールならではのこのCompを最終段に挟んでのミックスを実現しています。
日本のAlps電気製フェーダーは100mmのストローク上位のMatrix,AWSなどと変わらない素晴らしい感触を持っています。
そしてこちらがモニターセクション。Talkback ,Foldbackなどをそなえ大規模なシステムにも対応可能な装備が整っています。TB micもここにビルトインされていますね。
フェーダーに立ち上がっている24ch以外に8stereo(16ch)のCue Inを備え、全てを使えば40chのSumming Ampとしての機能も持ちます。
録音に利用するのもいいですし、ミックスにも活用可能なSSLからの新提案。DAW時代となり、LEGO Blockコンセプトとアピールする、レコーディングギアの単独製品の充実。そしてDAWに不足する部分を補うための様々な提案を行っています。
録音であれば、VPRスロットにMic Preモジュールを装着しトラッキング用のコンソールとして。ミックスはオートメーションはDAW内で、音質を決定するSummingはアナログ領域でこのXL Deskでということになりますね。
SSLの持つクオリティーの高いアナログ回路技術とVPRの持つ柔軟性が融合された、ユーザーの臨んだサウンドキャラクターに自在な変化を遂げるカメレオンのようなコンソールであると感じます。
実はこのXL DeskはRock oN店頭での展示を予定しています。また11月初旬にはSSL Japanとの共同で展示会も企画中です。是非とも実機に触れ、その魅力をご確認下さい。
Writer Y.Maeda
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