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Rock oN Show Report : AES NY 2013

MANLEY

TUBES RULE!Manley ProductsのHistoryとDeepな魅力に迫る!

manley

真空管サウンドに徹底的にこだわるManley Labratories。その魅力を最大限伝えるために自社製の手巻きトランスをはじめとしてCalifornia CHINO工場でフル・ハンドメイドで生産されています。

レコーディング・スタジオはもちろんのことマスタリングの現場でも今やなくてはならないツールとして定着しているManley Productsの魅力を、フロントエンドとしてマスター用のツールとして様々な要求に応えるレコーディング・チャンネルManley SLAM! を通じてお伝えいたします。

Manley Laboratoryとは?

Manley Labsの歴史は、それほど古くはありません。

Hi-Fiオーディオ機器の製作/販売を行っていたManley Labsはプロ・オーディオの販売にも乗り出しますが、その船出は順調なものではありませんでした。

しかし、当時プリ・マスタリングの行程が脚光を浴びていた時期ということもあり(CD制作の最終段階として、注目を浴びてきていました)その特殊な用途に応じたマスタリング・コンソールをオーダーによって製作し始めたところから、名声が高まっていきました。

そして、多くのマスタリング・エンジニアの賞讃と共に迎えられたそのサウンドは、真空管のポテンシャルを最大限引き出し、クリアでいながらチューブ機器独特のウォームで倍音豊かな、Manleyマジックとも言うべきものをもたらせたのです。

パーツはもとより組み立て迄を外注に委ねるメーカーが多くなった現在、設計はもちろんのこと真空管の選別から始まりカスタム手巻きトランスの製造、組み立て、最終的なクオリティ・コントロールにいたる迄を、California州CHINOにある自社工場にてフル・ハンドメイド生産するManley Labsの技術力の評判は定着しました。

今ではクオリティの高いサウンドメイクを行うのに欠かせないアウトボードとして、世界中のレコーディング/マスタリング・スタジオで導入されています。

George Massenbergの設計するGML製品がManley Labsで生産されている事からも、その技術力の確かさが伺われるのではないでしょうか。


Manley SLAM! Stereo Limiter And Micpre

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Manleyのこだわりや技術力が如実に現れている製品の一つがこのSLAM!。この製品を知る事でManleyのことをさらに深く知ることができるでしょう。

決して安価ではないManley製品の中でも『SLAM! Stereo Limiter And Micpre』はとびきり高価だという事が出来るかもしれません。しかし製品の価値とサウンドを考えたとき、それが決して高価ではないという事もまた明白。

まずは名前の由来となったLimiterおよびMicpreの解説を。

SLAM!はManleyお得意のELOP回路と普遍的なFET Limiterを装備し、ソフスティケイトされたコンプレッションから音圧を目一杯稼ぐ事の出来るリミッティング迄をカバーする事が出来ます。

今ではあまりにも高価になってしまい手を出す事が出来なくなりつつあるFairchild 660/670のリミッティングを求めてる方達は意外に多いのではないでしょうか。SLAM!が実現するサウンドはまさにそういったニーズにぴったりだという事が出来るでしょう。

またDual Mono Mic Preで採用された回路をそのまま搭載し、レコーディングのフロントエンドとしての使い方に最適なのも、SLAM!の大きな特徴であるといえるでしょう。

実際に、設計段階では内蔵されるはずだった電源を外付けにせざるを得なくなるほど、SLAM!には盛りだくさんの機能を持たせたのです。

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現在ではADC Optionの販売は収束に向かっているようですが、その豊富な機能を最大限に活かすための充実した入出力端子がお分かりでしょうか。

トランス仕様のメインインプット/バランスアウトはもちろん、独立したインストゥルメント・インプットやトランスレス・アンバランス・アウト、もちろんステレオ仕様で使うためサイドチェーンにハイパスフルターも備え、各リミッターの前後に他のアウトボードを挟めるようにパッチベイまで備わっているのです。

唯一の弱点と言えるのは+48V Phantomスイッチがバックパネルにしか装備されていない事でしょうか。とはいえこれはチューブマイクなら問題にならず、コンデンサーマイクであれば、専用のパワーサプライを準備すれば良いだけの事ですが…。

Manley SLAM! レコーディング・チャンネルとしての魅力

現代のレコーディング事情を考えたときに、マイク〜マイクプリと接続したあとにはソースにもよりますがコンプレッサーを掛ける事が多いのではないでしょうか。

実際に弊社でも単体EQの販売は少なくなってきていますが、ドラムなどのマルチマイクを除けば、レコーディングの際にはEQよりもコンプを使用する事が多いのが事実でしょう。

SLAM!は名前の通りマイクプリとリミッターを組み合わせた製品ですが、現代のレコーディングのニーズに合致していると言えます。

もちろんモノラルでの使用を希望される方もいらっしゃるでしょうが、通常モノでしか使わなかったとしても、ステレオで装備されている事の安心感は、計り知れないものがあります。

この場合に活躍するのはゲイン幅の大きいマイクプリアンプのウォームなサウンドはもちろんですが、ELOP Limiterによる自然なコンプレッションだと言えます。

+60dBまで稼げるマイクプリは出力の小さいリボンマイクでも充分なゲインを得られるだけでなく、同時にアッテネイターの様な働きをするため大音量の楽器にも余裕で対応し、アウトプットと組み合わせて多彩な音色を演出できます。

インプット・ゲインを上げてアウトプットを絞って行くとチューブならではのサチュレーションが得られ、その場合も決して破綻しない、ダイナミクスを保ったサウンドを実現出来るのです!

レコーダーによってサウンドの変化を期待しない現代においてはインプット時に音を作り込む事が多くなっており、その意味でも有用なマイクプリアンプだという事が出来るでしょう。

さらにヴォーカル等のダイナミクスの大きなものを捉える時に必須となるのがELOPリミッターです。

このオプティカル・リミッターはクリア&スムースを実現するのに最適なもので、上記のマイクプリと併せて潰しすぎない多彩なサウンドメイクが可能です。

絶妙なポイントがプリセットされているAttackをF(Fast)に、Releaseをやや早めの75msでELOPつまみを任意の位置にバリアブルで設定して行くと、クリアでダイナミクスを保ったまま、最適化されたヴォーカルサウンドを得る事が出来るでしょう。

Manley SLAM! Mix/Mastering Toolとしての魅力

SLAM!に搭載されているもう一つのリミッター、FET Limiterの事に触れない訳にはいきません。

上記しましたが、もともとアナログ・レコードのカッティングに使用されていたFairchild 660/670等は、その自然なサチュレートがファイナル・ミックスに欠かせない存在となって行きました。そのいわゆるBrickwall Limiterといわれるサウンドのテイストを現代に蘇らせたと言えるのが、SLAM!のFET Limiterという事が出来るかもしれません。

ミックス時のファイナル・コンプとしてサウンドにサチュレーションを加えたり純粋にリミッターとして使用したり、様々な用途で使用可能ですが、プラグインでは出せない自然な音圧を演出出来るのが魅力だと言う事が出来るでしょう。

ヴァリアブルのつまみだとマスタリングで使えない?心配無用です。マイクプリアンプを省略してステップ式のつまみを採用したSLAM! Mastering Versionのオーダーも可能になっています。


Manley Labsの技術力を全て注いだと言えるようなSLAM!からManleyをさらに深く知ることができたでしょうか。

もちろん、SLAM!以外の製品も魅力的なものがラインナップされているManleyですが、いつも感心するのは、その時々で求められているであろう製品の開発が、決して安易に市場に迎合するようなものでないという事です。

それは、創業時から顧客の声に耳を傾け、出来る限りのカスタム・オーダーに応えてきたからに他ならないのではないかと思います。

だからこそ、世界中のプロフェッショナルのニーズに応える製品の開発が出来ているのと同時に、その信頼を勝ち得ているとのだと言えます。

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