音をクリエートし、活躍している人をご紹介する新コーナー「People of Sound」スタート。第1回目はmarimoRECORDSを運営するCUBASE使いの江夏正晃さん。都内某所にあるスタジオにお邪魔して、お話を伺ってきました。都心ながらも、静寂で広い環境が羨ましかったです。

2006年7月25日取材

2008年9月4日、都内、山手通り沿いに出来た新スタジオにお邪魔してきました。続編 新スタジオレポートはコチラ

Rock oN:レーベル開始のいきさつ、概要を教えて下さい。

江夏正晃氏(以下 江夏):仕事を進めていくうちに、自分でレーベルを持った方がいいんじゃないかと考え出し、2000年の5月に兄弟でmarimoRECORDSを立ち上げました。HOUSEを中心にBREAK、FUNK、AMBIENT、POPまで手がけています。弊社でリリースしたタイトルは過去6タイトルをリリースしています。

・STRUT STRUT STRUT
・AGORA
・GOOSE BUMPS
・GOO PUNCH!
・SUZUKA
・GROBAL HOUSE COMMUNICATIONS

Rock oN:レーベルでの江夏さんの役割は?

江夏:作曲、トラックメイキング、レコーディング、TD、マスタリングまで一応こなしますが、プロデューサー的立場で仕事しています。 Rock oN:レーベル運営の苦労、またやりがいは?

江夏:とにかくクオリティーの高い作品を残すということに注力しています。海外でレコーディングする時などは、録り直しがきかないので、どこでOKを出すか苦労します。いい作品が出来た時、聴いてもらう人から嬉しいコメントをもらった時などはやりがいを感じます。

Rock oN:レーベル運営以外にもサウンドクリエーター、DJとして活躍されていますが、どのような活動をされていますか?

江夏:CMやアーティストのプロデュース、企業用の楽曲制作等もしています。又、DJ活動は国内、海外でしています。

Rock oN:ご使用のDAWシステムは? こだわりや、気に入っている点、不満に思っている点がありましたら教えてください。また、トラック作成で使用する音源、シンセ等は何ですか?

江夏:CUBASE SXを使っています。WINDOWSベースですが、CPUをOPTERONをに替えてから、そのパフォーマンスは非常に高く、ここ2年弱不満を感じたことはありません。プラグインを20本、ソフトシンセを20台、100トラックぐらい使っても全く問題ありません。スゴイです。ソフトシンセはフリーのSYNTH1が最高です。使い倒しています。音も良いし、軽い。あとはフィルハーモニックミロスラフはすごい良い音ですね。なにげにTHE GRANDは必須アイテムになっています。

Rock oN:お気に入りの機材についてお聞かせ下さい。

江夏:SSL XLogoc、AMEC 9098DMA、RME FIREFACE800。どれも私の音作りに欠かせないアイテムです。

Rock oN:電源にもこだわってらっしゃるようですが、効果のほどは?

江夏:電源トリートメント効果は大きいと思います。コンセント一つで音は変わります。高いケーブルが良いということではなく、自分の耳で確かめながらケーブル等を選ぶと良いかと思います。個人的にはOYAIDEのケーブルなどは音楽制作に向いているかと思います。

Rock oN:マイクはなにを持っていますか? 使い分けはどのようにされていますか?

江夏:マイクはその場その場で使い分けますが、AKG C414B-XLII、AUDIO TECHNICA AT4040、RODE NT2などをメインに使っています。個人的にはAT4040はハイファイで明るく使いやすいマイクだと思います。さすが、AT4033の後継機とあって、ソースを選ばない忠実な印象があります。

Rock oN:これから欲しい機材はありますか?また、100万円自由に使えるなら何を買いますか?

江夏:モニターにmusikelectronic geithain のRL 901が欲しいですね。100万円じゃ足りませんね。

Rock oN:レーベル運営、サウンドクリエーター志望の方にアドバイスをお願いします!

江夏:偉そうなことは言えませんが、自信を持って手を抜かずまじめに作品を創っていくことでしょうか。

Rock oN:お好きな音源を教えて下さい。

江夏:SOLIDSTATE SURVIVER / YMO 、THE KOLN CONCERT KEITH JARRETT、WALTZ FOR DEBBY / BILL EVANS

Rock oN:サウンド、ミックスが好きな作品、リファレンスにしてるCD等はありますか?

江夏:NIGHT FLY / DONALD FAGEN、TRIBES VIVES and SCRIBES / INCOGNITO

音楽大好き人間なら、誰もが一度は憧れる自分のレーベル。外見は華やかですが、いざ、自分でやるとなると、ディストリビューション、制作費/ロイヤリティ等お金の管理、JASRAC等の著作権の管理、アーティストとの契約や信頼関係の維持、そして最大の問題であるCD売り上げ向上への営業等々、大変な仕事も多く、個人レベルでやるにはかなりの努力が必要とされます。江夏さんとお話しするなかで感じたのは、音楽を作るクリエイティブな面と仕事として成立させるビジネス面をバランスよく兼ね備えたユニークでアイデア豊富な人だということです。周りに存在しない個性的な方でした。

CUBASE SXを中心とする江夏さんのシステムを見て、自分でも手の届く範囲だと思った方も多いかと思います。コンピューターやDAWシステムの進歩、普及は、自分の音楽を完成形まで作りあげることの敷居を下げてくれましたが、人に認められ、ビジネスとして成立させること自体の敷居は依然として高いわけで、それをこなしている江夏さんに、音楽への情熱とパワーを感じ、楽しい時間を過ごすことができました。

このコーナーでは、音を作り出す活動をされている方の出演を募集しています。ミュージシャン、サウンドエンジニア、作曲家、アレンジャー、はたまた音効さんや声優さんなどなど。音楽機材に興味を持っているかたなら、なおOKです。お気軽に、下アドレスまでご連絡下さい。また、ご感想、ご希望等もお待ちしております。連絡先アドレス : store-support@miroc.co.jp

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