9/25まで開催中の『半期大決算SALE』は、一人でも多くの方に素晴らしい機材を提供し、それを使った新しい音楽が生まれるSALEにしたい。でももっとできることはないのかと思い立ったIH富田は、プライベートの旅も兼ねて富士山頂のご来光にそれを祈願しにいくことにしました。
Rock oNは音楽機材専門店なのにここからは(なぜだか)富士登山レポートが始まります!クリエイターにとって大事な気づきもありました。しっかりレポートしていますので、どうぞ最後までお楽しみください。
静岡県側からプリンスルートで
時期は9月初旬。中旬になってしまうと宿泊および休憩施設となる山小屋が閉鎖されるため、今回はオンシーズンギリギリの登山となりました。
※公式Webサイトより。この記事を作成現在、もう富士登山はできません。
登山メンバーは、代理店メディア・インテグレーションの M氏と、私 IH富田の2名。登山初経験のIH富田は 経験者のM氏にアドバイスを受けながら装備を整えました。標高3,700m の山頂の山小屋で1泊2日の旅となります。
選んだコースは富士山公式Webサイトに載っていない通称「プリンスルート」(紫色)。かの皇太子徳仁親王殿下が2008年8月に使われたルートということでこの名が付きました。
静岡県側からの登山ルートで「吉田ルート」「須走ルート」「御殿場ルート」「富士宮ルート」に次ぐ第五の登山ルートとされるもので、途中に富士山の側火山である「宝永山(ほうえいざん)」に立ち寄ることができます。M氏の「このルートが良いらしい」という一言でここに決まりました。
まずは車を使って登り口の『富士宮口五合目』の最寄り駐車場まで。そこからバスで登り口まで進みます。
バスを降りまずは食堂で腹ごしらえ。ソバを勢いよく完食のM氏。
まずは天空の山、宝永山へ!
11時に登山開始!まずは宝永山を目指します。
iPadとヘッドホンを持って行ったのでしばらく音楽を聴きながら歩いてみました。選曲はSigur Rós の Varúð。
アイスランドの大自然から生まれたサウンドを日本の大自然の中で聴く贅沢。
雲の流れや風の動きを感じられる環境ではビートの無い音楽がよく合います。個人的感想ですが、EDMやR&Bは合いませんでした。
登山道が砂利石だらけで歩を進めるたびに後方へズリ落ちるというアリジゴク状態。
約90分間辛い坂道を登った私たちの目前に現れた絶景がコレ!「天国にも昇る気持ち」とはこれでしょうか。なんともいえない幸福感で胸がいっぱいです。視界180度が空と雲海なので崖先に立つと…
…雲の中にいるような錯覚を起こします。普段の都会暮らしで “使っていなかった脳のどこか”が動き出しているような感覚。イマジネーションの源泉とも言えるような感性がパワフルに沸き起こります。富士登山とまではいかなくても、バス停から片道2時間半でここ宝永山の山頂まで来れるので、アートをクリエイトする方はぜひ訪れてこの感覚を味わっていただきたいです。
目指すはてっぺん!
宝永山をあとにして残り約6時間の登山となります。登っては崩れ落ちる砂利道や決しておだやかではない岩肌と格闘を続けます。
途中、7合目あたりの山小屋で何度目かの休憩。この角度の岩道を登ってきました。
富士山は雲を見下ろしながらの登山となりますが、山を登っていくとさらに高みに雲があることに気づきます。
活躍しているアーティストやミュージシャンを指して「あの人は雲の上の人になったね」なんて言葉を使うことがありますが、その”雲の上の人”もまた、さらに高い雲を見ているのだな、と感慨深くなりました。
日が沈みかけています。早く山頂の宿にたどり着かねば。夜の登山は暗闇では足もとが見えず、強烈な冷えに襲われるので危険です。
山頂に到着!…がしかし
写真を撮ったり思い出を綴る暇もないほど疲労困憊。そしてまさかの高山病に襲われながらもスタート地点から約9時間でようやく山頂に到着です!
しかし街灯もなく辺りは真っ暗。遠く見下ろす先に静岡県の街並みが見えます。夕焼けの絶景の撮影に挑戦したのですが目も疲れていたのかピンボケ状態。地上の街の明かりもこんな状態でしかお見せできなくてごめんなさい。
山小屋で空腹を満たしてくれたのはこれ!…標高3,700mの場所で暖かいものが食べられるだけで幸せなんです。
そして疲労によって空腹か満腹かもわからないまま19時に消灯です。就寝。Zzzz のはずが…
ご来光の中で
高山病にうなされ一睡もできずに迎えた朝4時!おはようございます、世界!
起床してから飲んだ頭痛薬で体調を戻し、いろんな意味でハイテンションのIH富田です。気温は氷点下 -0.9度!
まずは登山の目的の一つである、半期大決算SALEの成就祈願!垂れ幕をご来光にたなびかせます。みなさんが最適で最高な機材を手に入れられますように。
しばらくご来光に見とれました。言葉にはできない感覚ですね。特に感動というものではなかったのですが、これまで感じたことのない感情が湧きました。静かでゆっくりなのに猛烈なパワーを感じます。これには眠気も吹き飛びました。
私のまわりには200人ほどの登山客。みな静かにご来光を見つめています。
続いて大本命の『富士山本宮浅間大社奥宮』に!これは山頂にある神社です。宿泊した山小屋から徒歩10秒ほどのところにありました。
ここは富士山そのものをご神体に祀る、スケールの大きい敬虔あらたかな神社。実は富士山の8合目以上の土地 約120万坪の面積がこの神社の境内だそうです。
ここではRock oNユーザーのみなさんの音楽活動の成功を祈願しました。みなさんの作り出す音楽もより多くの人に届きますように。
富士山頂でPocket Operatorが鳴り響く
IH富田の2つの祈りが完了したところで同行のM氏のPocket Operator愛が炸裂。
日が照ってきても気温は3度ほど。強風が吹きつける猛烈な寒気の中だというのにPocket Operatorによる演奏を行いたいとのこと。この様子は後日、代理店Media Integrationの公式Webサイトで公開されるそうです。IH富田もライブに参加しました。どうぞお楽しみに。
そういえば、今年の富士山には空撮をするために15kgのドローンを背負って登山たカメラマンもいたようです。
(※Mag2Newsより転載 http://www.mag2.com/p/news/28878)
どうです?このスケール感。未体験の方はぜひ一度味わっていただきたい爽快感と非日常さです。
下山
6時をまわりました。小雨がチラつきますが下山しましょう。登りはストック(登山用の杖)を使って自分の体重を分散させながら進むのですが、下りはほぼ全ての体重が足と腰にかかります。自分の体重を支えるということがこれほどキツいものかと感じながら急勾配を下っていきます。
途中の休憩所でもけっしてPocket Operatorを離さないM氏。
登り9時間に対して6時間で下山。またバスを乗り継ぎ自動車で帰宅につきました。
書を捨て街に出よ。DAWを捨て山に登れ。
翌日は雨の渋谷。宝永山のところで書きましたが、登山中に都会暮らしで凝り固まっていた脳のどこかが刺激されていることに何度も気づきました。音楽を作るために必要なイマジネーションやクリエイティビティは日常から抜け出すことでより蓄えられていくような、より柔和な感性を得られるような気がします。
富士登山は体力と気力の限界にアタックできる良い機会ですがそのハードさゆえに万人におすすめはできません。しかし日本ではちょっと数時間足を伸ばせば非日常な環境に身を置くことができます。もちろん、日頃から大自然の中にいる人は非日常の大都会へおいでください。渋谷でお待ちしています。
繰り返しになりますが、アートをクリエイトする方はぜひ非日常の中で凝り固まった感性をほぐすことにチャレンジしてみてください。きっと昨日とは違った日常が見つかると思います。いつものRock oN。いつもの渋谷にて。
IH富田
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