去る2014年11月27日に開催された『SYNTH ONSEN TOKYO』に行って参りました!シンセの名湯にドップリと浸かり、アナログシンセのサウンド、そしてライブで「演奏」する事の素晴らしさを実感。ユーロラックモジュールからDSI Prophet、Roland SH-101から衝撃の「タンス」まで飛び出す凄まじい一夜となりました!
シンセ×サックスのアヴァンギャルドなパフォーマンス!
トップバッターはサワサキヨシヒロ氏とテディー熊谷氏による「NaturallyGushing」のライブパフォーマンス。少し遅れて会場に付くと既に満員で熱気ムンムン!バーカウンターに行くのも苦労するほどの来場者が詰めかけていました。
そして皆どことなくシンセ好きの雰囲気を醸し出しており(筆者の勝手な思い込み)、ある種コロシアム風の興奮が漂っていました。
その雰囲気をさらに盛り上げるシンセサウンドをサワサキ史が繰り出せば、テディー熊谷氏のオーガニックかつエフェクティブなサックスが鳴り響き、そこは六本木とは思えない異世界感満載でした。ちなみに会場は@西麻布新世界。
Rolandのモジュラーシステムの柔らかさとSP-404(SX?)のエフェクトのデジタルっぽさが良い意味でぶつかり合い、とても魅力的なサウンドでした。
お二人のトークもとても緩やかで、トーク中に演奏時間が残り少ない事に気づくという一幕も!最後の曲『リラックス温泉』は超スムースでアーヴァン!個人的にアタックの強いスネアをドライブ気味のローパスフィルターで丸めるサウンドがツボでした。
2台のMopho KeyboardとSH-101による音圧抜群のダンスサウンド!
続いてはXILICON!ヲノサトル氏とebee#1こと江夏正晃氏にによる息の合ったトラックは低域が非常に気持ちよく響いています。ステージ上の使用機材もDave Smith Instruments Mopho Keyboard(黄色)とRoland SH-101(赤と青)という信号機の様なカラフルさで目を奪います。
SH-101のシーケンサーにリアルタイムでノート情報を打ち込み、要所要所でMopho Keyboedを手弾きという非常に完成度の高いパフォーマンスからは、シンセサイザーへの愛情と深い理解が感じられました!
そこへ歌姫Natsumiが登場すると会場は一気にヒートアップ!キッチュな歌声とエレクトロでタイトなバックトラックが会場を魅了しました。
「PHOTOGENIK」の少しハヤカワ文庫のサイバーパンク小説辺りを思わせる歌詞もGOODでした!
遂に登場!REON荒川博士によるMOOG IIIc完全レプリカ!
会場に入った誰もがまず最初に目を奪われた「タンス」が遂に始動!江夏助手と荒川博士による禁断のライブパフォーマンス!百聞は一見に如かず、モンスターアナログシンセサイザーの荒れ狂うサウンド会場を直撃しました!
凄まじいの一言です。ライブ開始直前、PAさんがフェーダーを上げると「サーッ」というノイズが走り、そこで江夏助手が一言「これがアナログですよ〜!」一気にテンションが上がりました。
アバンギャルドな展開になるかと思いきや、超テクノなサウンドに!テクノ黎明期の名曲、Reese&Santonioによる「Force Field」ばりのダンスサウンドが畳み掛けます。
インプロでお客さんを飽きさせない構成力に驚きを禁じ得ませんでした。ちなみに江夏助手が操るリズムマシンが凄い音圧だな〜と思い、後で聞いてみると、発売前のアナログリズムマシン「AKAI RHYTHM WOLF」でした。リアルタイムの操作が印象的でした。
また荒川博士の手元には現在絶賛発売中のREON Driftbox R_Limitedが!IIIcとクロスパッチし、凄まじいモジュレーションサウンドを奏でていました。
と、そこへ登場したシンセ女子ことRisa氏!キュートな歌声に私の心はフィルター全開になりました。(歌詞より)
アナログ、デジタル、生歌が織りなすオリジナルサウンド!
最後に登場したGypsy Curiosaは2Synth 1Vocalのトリオ。非常に完成度の高い世界感を創り上げていました。
西田彩ゾンビ氏のHappy Ending kitに納められたモジュラー群とNord Leadが良い意味で対照的なサウンドになっており、トラックに立体感が出ていました。また西川氏のDave Smith Prophet08の演奏技術も素晴らしく、パッチをばんばん切り替えながら多彩なサウンドを奏でていました!
機材の調子で出ないキーがあったりデータが飛んでリアルタイムで音を作ったりと、非常にライブ感溢れる素晴らしいステージでした。
ボーカルLisa氏のキャラクターも独特で、ファンになった方も多いはず。
ブッキングすればメンバーは京都から車で駆けつけてくれるとの事!
今後のご活躍に期待しています!
個性的かつ実力派の出演者が集まった今回のSYNTH ONSEN TOKYO。アナログ、デジタル、ハード、ソフトと多様なマシンが揃っていましたが、個人的にシンセサイザーの一番の魅力は「ワクワク」だと感じています。知識が無くても、このツマミを回したらどうなるだろう?これとそれを繋いだらどうなるだろう?等、自発的に実験したくなるのがシンセサイザーの醍醐味だと思います。
皆さんの演奏を聴くにつれて徐々に手元がうずうずし始め、早く帰って自分のシンセサイザーを触りたいと思えた、そんな素敵なイベントでした!
text ACID渋谷
※REON 荒川博士作成のMOOG IIIcレプリカ。何と来年発売予定との事!車を買おうとしているそこのアナタ!ちょっと待って!
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