11月20日、渋谷2.5DスタジオにてVOCALOID新製品発表会が行われました!
今回の発表会はニコニコ動画およびUstreamでの生中継も行われ、会場内に加えてスクリーン表示されたニコニコ動画のコメントでは開演前から期待が高まっていました。
そしてVOCALOIDの父ことYAMAHAのVOCALOIDプロジェクトリーダー剣持秀紀氏より発表された新製品は、VOCALOIDの新エンジン「VOCALOID4」!
「VOCALOID Editor 4」、「VOCALOID4 Editor for Cubase」、「VOCALOID4 Library VY1V4」の3種類の発売が公開されました。
会場では、YAMAHAプロダクトスペシャリスト青木繁男氏により、その驚きの新機能のデモンストレーションが次々に行われました。その中でも特に注目を集めた新機能を紹介します!
新機能Cross-Synthesis
最初に発表されたのは「Cross-Synthesis(クロスシンセシス)」機能。
初音ミク・アペンド以降、VOCALOIDのシンガーにはPower、Softといった声色のライブラリ(DB)が搭載されていましたが、それを曲中で切り替えるには別ライブラリのトラックを作成する方法が主で、その繫ぎ目の違和感に悩まされることも度々ありました。
しかしこの機能では、同シンガー内の2種類のDBをセットアップすることで、元DBから別DBへのクロスオーバーを可能にしてしまいます!
例えば、SoftからPowerへクロスオーバーさせれば、曲の盛り上がりに合わせて穏やかな声から強い声色へ違和感無く変化させることができます。
このクロスシンセシス機能、数値をゼロまたはMAXにしても、完全に元DBまたは別DBの声色にはならないという点がとても興味深いです(二つのDBの要素が合わさりまた違った声色の表現が生まれるとのことです)
また、V3ライブラリにも対応するとのことで、現行のV3 VOCALOIDはいずれもこの機能を楽しむことができます。
これはいろいろなパターンを試してみたいですね!
新機能Growl
さらに会場を驚かせた新機能はその名も「Growl(グロウル)」。唸るような声の表現を可能にするその機能で、激しいロックなどでの叫ぶような歌声を簡単に合成することができます!
「Growl」のパロメータを選択し、エディタ下部で数値を書き込むだけでVOCALOIDが見事なガナリ声を表現します。
これまで、クリエーターがVOCALOIDで荒々しい声を表現したい場合、一度オーディオに書き出したVOCALOIDの音声をモジュレーターなどであれこれ加工する方法がとられていたと思われますが、VOCALOID4ではそんな手間をかけることなくエディタ上で激しい声の編集が可能になります!
別ライブラリとしての機能ではなくGENDERやBRIGHTNESSと同じように付加効果として編集できるところも良いですね。
新機能Pitch Rendeling
エディタのノート上に何やら見慣れない線が登場。これが新機能「Pitch Rendeling(ピッチレンダリング)」です。
この機能をオンにすることにより、ノート上に線を描写し視覚的にピッチの変化を確認することができます。特にビブラートの強さを変更したときなどは、その変化の具合が一目瞭然!
声のアクセント等を編集しているうちにピッチが怪しくなってしまった際の修正も、今まではすべて耳だけが頼りでしたがこの機能によりピッチ編集作業は一気に効率化が期待できそうです!
浅川さんは「巡音ルカ V4X」の開発にあたり、感情の演技を交えたような声やJPOPアーティストの真似など様々な声のサンプルを提供したとのこと。
浅川さんが具体的な声のオーダーに応えていくというよりは、こんなのはどうでしょう?と一緒に模索し作り上げていくような感覚だった、と語ってくださいました。
海外からニコニコ生放送を視聴している方々に英語でのメッセージが伝えられるなど、日本を越えて世界から新VOCALOIDの登場への祝福や期待が寄せられていることを感じました。
「VOCALOIDの登場以来、世界中でVOCALOIDを使用した創作の輪が広がっているのは大変素晴らしいこと。今回のVOCALOID4の表現力の広がりにより、さらにVOCALOIDを世界中に盛り上げていきたい」という剣持氏のお言葉で発表会は幕を閉じました。
閉会後も、取材陣や会場に用意されたVOCALOID4 Editorの試用体験により、会場は時間ギリギリまで盛り上がっていました!
VOCALOID新製品発表会レポート!「VOCALOID4 Editor」「巡音ルカV4X」など驚きの新製品・新機能を続々公開!
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