Apple『iPhone 6 / 6 Plus』と待望の『APPLE WATCH』を発表。守りと攻めのプロダクト戦略から音楽ユーザーへの恩恵はあるのか?


Appleが現地時間9月9日に行ったスペシャルイベントでiPhoneの新製品と、以前から噂が続いていAPPLE WATCHを発表しました。

Mashableがその模様を90秒でまとめた動画を公開しています。ザックリと内容がつかめる良動画なのでご覧ください。

iPhone 6 / 6 Plus

大きくなったiPhone。液晶画面のサイズと解像度で比較すると

iPhone 5S 4インチ(1136 x 640)
iPhone 6 4.7インチ(1334 x 750)
iPhone 6 Plus 5.5インチ(1920 x 1080)

となります。

iPhone 6 / 6 Plus は共通仕様としてプロセッサに新開発の『Apple A8 + M8 モーションコプロセッサ』を搭載。Retina HDディスプレイによる歴代最高の高精細な画質、第2世代64ビットアーキテクチャで設計されたこのプロセッサは初代iPhoneと比較してCPUパフォーマンスが最大50倍、GPUパフォーマンス80倍との発表(Appleさん、ここは初代と比較してもしょうがないんじゃないでしょうか…)。

その他、最大128GBのストレージを搭載した最上位モデルのラインナップ(5Sでは64GBモデルが最大)や、最大24Hの3G通話時間を誇る長時間使用が可能になっていますが、Appleが最も力を入れて発表したのは動画/カメラ機能の性能向上です。

光学式の「シネマティック手ぶれ補正」、ピント合わせがより高速になった「コンティニュアスAF」、強化された「顔検出」などがそれにあたりますが、昨今の動画SNSやセルフィ(自分撮り)の加熱ぶりに応え、他OSのスマートフォンがデジカメ並みにハイスペック化していることに対抗しているかのように見えます。

これらの性能向上はもちろん歓迎されるはずですが、これまでiPhoneが牽引して裾野を広めて来たSNSの世界に、今度はiPhoneが迎合してしているように映るのは私だけでしょうか。

Apple製品、というよりはジョブス哲学の信者はどういう反応をみせるのか。気になります。

音楽制作ユーザーとしてのは、iOS 7から搭載されたInter-App Audio機能によって音楽iAppを複数同時に使用できるようになってきたので、プロセッサの高速化によるアプリの快適な動作は嬉しいかもしれません。また画面が大きくなって各種アプリが少し使いやすくなることでしょう。

iPhone 6 は67,800円(16GB)〜。6 Plusは79,800円(16GB)〜。9月12日から予約開始で発売は9月19日からとなります。

APPLE WATCH

http://youtu.be/5Q2gH1PGTrg

iPhone とは逆に、これからのスマートウォッチカルチャーを作っていくであろうAPPLE WATCHが登場。

スマートウォッチ自体は数年前から製品化されていました。賢くなった時計というよりは、スマートフォンの一機能を切り取って腕時計代わりに手首に付けるような製品が多かったと思います。

時計機能の他、スマートフォンと連動する各種お知らせ機能や電話機能。そしてセンサーを搭載して万歩計や心拍数を測るなどが主立った機能でした。

中には大型でムービー電話ができるものもありましたが、これはもはや「ウォッチ」ではないような…。

さてAPPLE WATCH(iWatchではないんですね)はどういう製品なのでしょうか。

ラインナップはこの3機種。腕時計にメンズ/レディースがあるように、38mmと42mmの2つのサイズが用意されています。

手首が細めならば男性でも38mmを選ぶ方がいいでしょうし、逆に華奢な腕に42mmをラフに付けた女性がいたらかっこいいと思います。

6月にサンフランシスコで開かれたPride Prade(LGBT つまりレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー のためのイベント)にApple社員が参加したことに対してAppleが公式に賛同するメッセージを発信したことからも、あえてここでメンズ/レディースと名付けなかったAppleのスタイルが垣間見えます。

話をAPPLE WATCHに戻します。

APPLE WATCHは専用アロイ(ケース)にはめ込み、そこにベルトを付けて使いますが、これらを様々なでざいんのものからチョイスして組み合わせることができるそうです。iPhoneケースのように様々なブランドから関連製品がリリースされそうですね。

タッチセンス付きのディスプレイを装備した小型Retinaディスプレイという画期的な機能を装備し、スピーカーとマイク、腕に触れる面には心拍センサーを搭載。その他GPS、加速度センサーなどなどこの小さな筐体に数々の最新テクノロジーを秘めています。

そしてAppleがユーモアを見せたのがデジタルクラウン。時計の竜頭(りゅうず)にあたる操作子を持ち、これを回しクリックして一部機能を操作します。

時代が進んでスマートウォッチになっても、アナログ腕時計で時間を調整したりバネを巻いたりする際の、竜頭を回すあの仕草は無くなりません。

磁石式の充電器をパチリと付けて充電します。


APPLE WATCHでできること

メッセージ … iMessageができる!(文字入力の方法が気になります)

電話 … 電話できる!通信方法は各国準拠

メール … どこでもメールをチェック!

体調管理 … 心拍数センサーと加速度センサーを使って、各種健康アプリと連動。生活防水で雨でもちょっと安心。

これらは従来のスマーチオウォッチの基本機能と同じですね。


マップ … 地図。旅行先でもスマートに目的地まで。

iTunes Bluetooth …ヘッドホンを付けて音楽を楽しむ

Apple TV …ちょっとした空き時間に映画も楽しめる。

リモートカメラ …iPhoneのカメラ機能のリモコンになります

写真 …お気に入り写真をウォッチフェイスにできますね

Siri …困った時に頼りになります。

Appleならではの機能です。


そしておもしろいのがこれ。

スケッチ …指でお絵描き。電話の代わりとして使える楽しい通話機能

タップ …”相手が手首で感じることができる静かな優しいタップで、友だちや大切な人にあなたの思いを伝えましょう。相手によってタップをカスタマイズすることもできます。” Appleまま(『モールス信号ブーム』がやってくるのか?!)

ハートビート …”2本の指を画面に押し当てると、内蔵された心拍センサーがあなたの心拍数を読み取って送信します。その人に、あなたの今の心の中を伝えましょう。シンプルに、でもちょっと親密な感じで。” Appleまま

特に最後のハートビートはセクシーな機能ですね。これまで視覚と聴覚のみだったスマートコミュニケーションに触覚が加わります。

スマートウォッチという製品自体まだその使い方が定まっておらず、ごく一部の電子ガジェット愛好家の中だけで盛り上がりを見せていましたが、APPLE WATCHの登場でスマートウォッチがより一般ユーザーに広まることは確実ですね。

APPLE WATCHがこれからのスマートウォッチの使い方を開拓していくと言っても過言ではないでしょう。

APPLE WATCHはiOSではなく独自OSを搭載しますが、ここからも音楽ユーザーに便利なAppが生まれることを期待します。さすがに42mmのディスプレイでDAWのミックスをする必要はありませんが、タッチセンサーを使ったX-Y-Zの3極コントローラーや、タップとバイブを使ったメトロノーム、ギターストンプのプリセット切り換え などなど夢は広がります。

※APPLE WATCHの開発キット WatchKit も発表になっています。

APPLE WATCHは2015年発売予定。価格は349ドルと発表されています。

APPLE

IH富田


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